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俺と関係と

 「クラスで何か話さなきゃいけない時はお願いしても良いですか?」


 「スローガン決めとか?」


 「はい。人前で話すのは苦手なので出来ればやりたくないんです……もちろん。それ以外のことなら何でもやりますのでお願いします」


 正直俺だって得意じゃない。

 どうせ悟に野次を飛ばされる。考えただけでやってられない。

 断りたいが富里のうるうるした目を見てしまうと嫌だと投げ捨てる気にもなれない。


 「分かった……だけど、ほかの仕事とか任せちゃうけど良い?」


 「はい! それぐらいなら喜んでやります!」


 これであれやこれやと雑用を押し付けられる免罪符を手に入れた。

 まぁ、悟に野次られることを考えるとこれぐらいのメリットがちょうど良い。


 「それではまた」


 富里は荷物を持って丁寧に一礼すると会議室をササッと出ていく。


 「ゆーくん長いし」


 後ろを振り向くといつの間にか座っていた桜花がつまらなさそうにスマホを弄りながら文句を垂れる。

 そこまで待たせたつもりは無い。なんなら、最速だった気がする。

 だが、ここで「待たせてないだろ」とか本心を言うと怒られる。流石に俺だって学ぶ。

 理論は良く分からないが乙女心という奴はそういうものらしいからな。


 「悪い。大事な話だったから」


 「ゆーくんはもう帰る?」


 「逆に聞くけどこの後俺に用事があると思うか?」


 「あ……ごめん。わざとじゃないから許して!」


 桜花は人の地雷を踏んでしまったみたいな顔をしながらガチで許しを乞う。

 待って。これだと俺が本当に悲しいヤツみたいになっちゃうよ。別に予定なんかなくたって幸せなんだからね。


 「お疲れッス。うかちゃんも大変ッスね」


 「もう。きーちゃん酷いし! あそこ生徒会長権限で助けてくれたって良いじゃん!」


 「ダメッスよ。あそこで友達だからって手差しのべたら権利の乱用ッスから……君があの噂の幼馴染くんッスよね」


 桜花の絡みをクルッと交わして酒々井は俺に突っかかる。

 どんな距離感で会話すれば良いのか分からない俺は適当に作った笑みを浮かべてペコペコ会釈をする。これしか答えが分からないのだから仕方がない。


 「うかちゃんから話は常々聞いてるッスよ。祭りに行ったとか海に行ったとかベラベラ喋ってるッスから。うかちゃんに隠し事とかうっかり話さない方が良いッスよ。多分喋っちゃうッスから」


 「え。あたし口硬いし」


 「どの口が言ってるんッスか。自分の行動少しは振り返った方が良いッスよ」


 「酒々井! このままだと帰り遅くなるぞー」


 「あー。今行くッス」


 先生に急かされ酒々井はダダダっと音を立てて会議室の扉まで走る。

 そしてクルッとこちらを見て口を開く。


 「よろしくッスね。副実行委員長」


 桜花にそれだけ言うと走って会議室を出ていく。

 綺麗にプレッシャーだけ桜花に掛けたね。あれは確信犯。わざとだわ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 口輕いんかあ。口固いのは雪あたりかな。そもしゃべる相手がいるのかどうか。
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