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俺と野球場と

 試合当日。

 俺たちは都会の方まで出てきた。

 電車で約1時間ちょっと。

 目の前には神宮球場がある。


 「それで鎌ヶ谷くんはなぜ私まで誘ったのかしら」


 不服そうに雪は文句を垂れる。


 「1人誘うなら全員誘うに決まってるだろ……ってか、嫌なら来なきゃ良いのに」


 「そういう訳にも行かないから来てるのよ。私野球のルールなんてこれっぽっちも分からないわよ」


 「大丈夫! あたしも分かってないから!」


 桜花は都会に出てきたという事実に浮かれているのかもう既に楽しそうである。


 「私も分かってないし、楓だって分かってないよ。分かってるのはどうせコイツだけだから心配するようなことじゃない」


 「うん。楓ちゃん野球良くわかんない。インフィールドフライとかゲッツーとかエンドランぐらいしか分からないや」


 「おい。お前それだいぶ野球知ってるだろ」


 そんなツッコミを入れながら買ったチケットを4人に渡し、球場に入る。

 内野席の見やすい席に座る。

 ウチの学校の吹奏楽部は応援で駆り出されているらしく色んな楽器を持って歩いている。

 対戦相手の遅米畑種業(ちねたしゅぎょう)の生徒らしき人物もそこらをうろちょろしており、更にただの高校野球ファンもいるのでぶっちゃけ誰が誰なのか分かったもんじゃない。


 相手チームの選手たちはノックを受けたり、キャッチボールをしたりしている。

 とても人間とは思えないような規則正しい動きをし、声を出す。

 ノックでミスをしたらまた声を出し鼓舞をする。

 背番号1を付けているエースらしき人は端で2番を付けている人と話し、キャッチボールをし、また話し、次はセットポジションで投げる。


 ノビのある直球に圧倒されているとベンチで見ていた悟たちからも「うぉー」とか雄叫びに近い声が聞こえてくる。

 思ったより緊張せずノビノビとやれているんだなと感心した反面そんなのんびりしてて良いのかよという気持もある。

 まぁ、今更足掻いたって何も変わらないという意見を持ち出されてしまえばそれまでなのだが……


 「ゆーくん試合っていつ始まるの?」


 「あー。どうだろうな。でも、そろそろだとは思うぞ」


 「へー。そうなんだ。こういうスポーツ観に来るの初めてだからちょっと楽しみ!」


 「楓も初めてだから楽しみだなぁ」


 「お前は違うだろ。このインフィールドフライ野郎が」


 「ちょっと待って。それは酷くない!?」


 それぞれ話しかけてくる2人とスマホを弄っている夏海、律儀に高校野球の冊子を持ってきて読んでいる雪たちと一緒に俺も何もせずただボーッと電光掲示板を見つめていた。

いつもありがとうございます!

ブックマークや評価もありがとうございます。


私生活で色々ありまして投稿ペースおかしくなりますが土曜日にそれも終わりますので土曜日まで不規則な投稿ペースにお付き合いよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] お疲れ様です。100話到達ですね。おめでとうございます。 今後も頑張ってくださいませ。
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