表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
2章-4 錬金術師試験と今後の計画
95/457

みんなとの入浴とエリーゼのお願い

「…兄様……気持ちいい?」


「あぁ、丁度良い位だよ」


「ほらほら、尻尾まだ残ってるよ、お兄ぃ早く」


「焔、泡が飛ぶだろう?わかったから、尻尾を揺らさない」


 雪に背中を洗われ、俺は焔の尻尾を洗って居た。


 湯槽には、カミナ、渚、沙耶、桂花(ケイファ)達が、その豊満な胸を隠すこと無く浸かっている。


「胸もここまで育てば浮くんですわね?」


「私達も大きくなるかなぁ?」


「そこもですけど、スタイルもすごいですよね」


「ム?胸などありすぎても困るぞ~、肩が重くなるしな、まぁ油断させたり視線を誘うのには役に立つがな」


「そうですね~、渚も妹様の身体と殆ど同じ体型ですけど、体型維持が大変ですよ」


「あぁ~、渚ごめんね。私の血から人体情報取り込んだんでしょ? 今の私、身体の変化が殆ど無いから」


 今は子供だけど、一応男なんだから、そういう話は止めて欲しいが、彼女達は気にした様子がなかった。


 俺は無心で、焔を洗い終えると、雪を洗い始める。


 背中と頭を先に洗い、尻尾の毛を解しながら洗っていると、背中に柔らかいものが当たっていた。


 そのまま、手が俺のお腹や肩に確かめるような手付きで触ってきた。


 こういったイタズラは、大半が、カミナか焔なので、湯槽にいるカミナを確認して、


「今は雪を洗っているんだから、焔は邪魔しない」


 といって振り替えると…そこに居たのは、エリーゼだった。


「どうした?いきなり?」


「ムフフッ、中々良い具合の筋肉ですね、もう少し大きくなったら……楽しみです」


 身体の筋肉を確かめ終えたのか、手を離すとエリーゼは浴槽に入ってから、先に入っていた三人に何か話していた。


「…兄様……終わった?」


「あぁ、流すよ」


「……ん~、気持ち…良かった…」


「肩まで浸かってから出ような」


「……うん」


 のんびりとした時間を過ごし、浴室から出た。


 何時もより長風呂になったが、皆の着替えを待って、1人また1人と出てくる。


 全員が出て来たので、俺は異空間収納から、瓶を取り出す。


「みんな、お風呂上がりにこれ飲んでみて」


「これは何ですの?」


「フルーツ牛乳だよ」


「ルーク、牛乳は無いのか?」


「カミナ用の牛乳もあるよ」


 フルーツ牛乳をカミナ以外が受け取り、カミナは牛乳を飲んだ。


「美味しい、甘いけどあっさりして飲みやすいね」


「これも、新商品ですの?」


「まぁその予定、『保存』と『冷却』が付与出来る容器は出来たんだけど、大きさと重さが問題でね、フューネラルデさんに相談してる所なんだ」


「そうなんですか?」


「いやぁ、以外と『冷却』と『保存』の魔術を維持し続ける容器を造ったら、魔鉄使うことになって、重さが増えてね、そのまま注げる様にコック着けたら酒樽みたいになったから、どうしたものかなと」


「ちょっと良いかな?ルーク君」


「エリーゼ、どうした?」


 興奮しているエリーゼは、魔術の用紙を取り出すと、魔術式の図面を描いて見せた。


「これは『保存』と『冷却』の複合型魔術式、対象術式が同一の方向合わせて循環するように描いてあるの。これならそこまで大きな物にしなくても……この片手で持てる花瓶位の大きさね、軽い素材で作れば、中身を含めて1.5㎏の重さですね」


「おぉエリーゼちゃん凄い」


「流石は錬金術と付与魔術に特化していた家の人ですわ」


 エルザとリーフィアが、エリーゼの両脇に立ち、術式を見ながら誉める。


「実はこれ、昔作ってた二重循環魔術式の試作だったの。失敗作で、一方向にしか循環出来ないんだけどね」


「内側と外側の逆循環をしようとしたんだな?」


「そうなの、上向きと下向きの循環を違うものにして、長期保存と冷却スピードを上げた、保冷が出来る持ち運びケースを作る予定だったんだよね暑い地域行き専用の」


 長期間持ち運びの出来るクーラーボックスを作る。


 暑い地域に寒い地域の物を持っていくときに役立つアイテムだな。

 似たようなものは、幾つか見たことがあるが、性能がイマイチな物が多く、俺自身が異空間収納を持っているから、たいして気にしなかったが、確かに作れれば、神龍皇国などの暑い地域でアイスや冷たい飲み物が持ち運べる。


「よし、エリーゼ。作ろうよ」


「あぁ、やっぱりそう言ってくれた。実は欲しい素材があったんだよ。ただAランク相当の魔獣の素材だから、しかも中々新鮮な物が手に入らなくてね」


「何の素材が必要なの?」


 Aランクの魔獣の素材が必要と言うエリーゼの言葉に、尋ねると返ってきた言葉は、想定外なものだった。


氷結亀(フローズンタートル)の甲羅と生き血だよ。甲羅はともかく、血の方は錬金術と魔術に使うから、貴重だし生き血になると『異空間収納』とか『保存』のスキルか魔術が無いと採取出来ないしね」


「氷結亀だと、帝国領かこの辺だと……砕氷の古代湖辺りだっけ?」


「王都から6日くらい馬を走らせたところのダンジョンだな、私ならルークを乗せて2日あれば着けるが……フィールドダンジョンだから直ぐに見つかるか分からんが、『索敵』が使えれば問題もない」


「なら、久々にダンジョンアタックする?」


「そうだな、特殊訓練とやらは、遊んだくらいでもの足らんかったしな」


「エリーゼ、明日行って来るよ。エリーゼ達はどうする?」


 砕氷の古代湖に行くことを決めて、皆どうするか尋ねると、


「勿論、御願いするのだから、私は行きますよ」


「氷結亀自体はCランクの魔獣だし、素材の採取部位がAランクってだけだから、カミナとご主人様が居たら問題ないよ」


「沙耶さんがそう言うなら……学院でも戦闘の授業が有りますし、私達も行きますわ」


「…私も着いていく、ルーク君良い?」


 婚約者4名+メアさんが、同行する事になった。


 ソフィアとリーフィアは、俺の伝書鳥(トトル)を使い手紙を飛ばした。


 エルザは、プレア様に許可を貰いに行くと、OKの許可を得たと同時に、部屋に戻って、メイドさんと準備をしていた。


 エリーゼ達はそれぞれ準備をする為、解散していった。


「ルーク、今回のダンジョンアタック、4階からはお前がやれ」


「何かあんの?」


「ちょっとした相手が4階から出るのでな、ルークに丁度良い。何ならテイムか、式神化しても良いかもしれんな……さて館に戻るか」


 カミナはニヤニヤと微笑みながら、俺達は1度館に戻ったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ