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幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
2章-4 錬金術師試験と今後の計画
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護り人 メア・シュヴァリエ と 婚約者達の邂逅 1

【メアside】

 今日聖域に男の子が来た。

 デアドラお姉ちゃんが連れてきた。

 名前はルーク君、どうやらこの聖域を統べる王様になるらしい?


 パパはルーク君が一流に成長したら、映像?のコレクションに加える予定らしい。


 でも、私はルークを見たら、よく分からないけど、とっても欲しくなったの。


 私の種族が原因なのかな? 私の種族は半吸血鬼(デミヴァンパイア)

 半分がパパと同じ吸血鬼族で、半分はママと同じ人族の血が流れている。

 身体の成長は、吸血鬼寄りらしく、もう少しすると、大人の身体になるらしい。

 そして、自分の身体に馴染む血の持ち主を探す様になるとパパが言ってた。

 馴染む血の持ち主は、バディーと言って、共存関係?になるらしい。

 ママがパパのバディーなのは知ってるから、お嫁さんなのかな?


「………自力でここにたどり着く」


 ルーク君が、ティアお姉ちゃんに聞いた質問に、つい答えてしまった。

 私は、初対面の人に対して上手く話せないから、あまり人前に出たくなかった。


「珍しいな、メアの奴が初対面にここまで近づくとは」


 デアドラお姉ちゃんの一言で、今ルーク君の真後ろにいつの間にか立っていたことに気が付いた。


 恥ずかしくなってきたのと同時に、何故か、ルーク君の血が欲しくなった。


 でも、パパがやって来て、ルーク君は駄目だって言われたから、つい嫌って言っちゃった。


 そのまま、パパが、ルーク君に自己紹介をするみたいだから、ルーク君の所に行こうとしたら、いつの間にかパパの腕に抱えられていたの。


 その後は、パパの腕の中で寝ていたから、あまり覚えてないけど、分かった事がある。


 わたしの身体に、ルーク君の血が適応している事と、もしかしたら、ルーク君以外のお友達が出来るかも知れないという予感があった。


 私のスキル『予知夢』で、3ヵ月間、私は4人の女の子と、狼の耳を持った女性と一緒に楽しそうに笑っている姿を、見続けていたから。


 だから、パパには悪いけど、同い年のお友達が私は欲しいから、少しの間だけど離れるね。


 私は、デアドラお姉ちゃんの『霧転移』を邪魔しないように、私1人分の隙間を開けて、ルーク君に着いて行くことにした。


 流石はデアドラお姉ちゃん。

 かなり難しいけど少しだけ穴が開いた。

 その穴に飛び込むと、理解した。

 この穴は、お姉ちゃんが開けてくれたのだ。

『ありがとう』と言う隙もなく、霧が辺りを包み込んだ。


 デアドラお姉ちゃんの魔力に干渉しない様に、魔力制御を行うのは、体力的にも魔力的にも厳しかったので、私は、目の前にあるベッドに倒れ込むと、そのまま、眠ってしまった。


 ━━━━━━━━━━━━━━━━


【ルークside】


 さて、この状況どうするか?

 取り敢えず、デアドラさんがゼノさんと知り合いで、フューネラルデさんとも知り合いみたいだから両方に連絡をして、デアドラさんに来て貰う様にしてもらう。


 問題は、メアさんをどう説明するかだ。

 時計を見ると、今は14時を少し過ぎた位。

 商会から出たのが13時半頃だからだいたい30分聖域に居た事になる。


 明日はソフィアとリーフィアが、転移鏡でエルザの部屋に来るからと手紙が来ていた。


 どうしたものかと、頭を働かせていると後ろの扉が開き、誰かが入って来た。


「あれ?ルーク様、ここで何を?」


「丁度良かった。渚、この娘を頼む。ちょっとゼノさんとフューネラルデさんに手紙を書くから、あの二人の知り合いの所から戻ってきたら、着いて来たみたいなんだ。だから、保護者を呼んでもらうよ」


「畏まりました、ルーク様。また誑かしたのかと思いましたよ?」


 カーテシーを行い、渚は、怪しむ表情でこちらを見ていたが、今回俺は何もしていない筈だ。


「あぁ、そうでした。先程連絡がありまして、この後、15時にこの館に、婚約者のお嬢様方が全員でお茶会を開くそうです。なにやら、他のお友達を連れてくるそうですので、戻られ次第、連絡をして欲しいと言われてましたよ」


 そう告げて、渚は別の客間の掃除に向かった。


 俺は急ぎトトルを使役し、同じ内容の文を綴った。


 10分後に四人からの手紙が返ってきた。


 内容はソフィアとリーフィアからが、

『お茶会に呼んでください』と1枚


 エルザからは、

『新しいお友達になれそうかな?どんな娘か会いたい』といった物が3枚


 エリーゼからは、

『5人目?どんな娘?聖域の話は出来るの?』

 といった、聖域関係の事について6枚


 返ってきた返事は、どれも興味があるようだが、ソフィアとリーフィアの手紙はそれしか書いていない為、ある種の恐怖があった。


 普段の手紙では、4から5枚の手紙を書いている二人が、他の二人とは違い1枚にそう書いていた。


「ルーク様、サンルームにソフィアお嬢様とリーフィアお嬢様が到着致しました。御越しくださいませ」


 約束の時間より、少し早いが、何時も早めに来る二人だ、おかしい事は無い。


 俺は二人を歓迎する為、サンルームに向かった。


「いらっしゃい、ソフィア、リーフィア」


「「この度は、サンルームを御貸しくださり、有難う御座います。少しお話にお付き合い下さいませ?」」


 と二人は、にこやかに返事を返してきたが、怒りの感情ではなく、心配の表情だった。


「ルーク君に着いて来た娘は、吸血鬼だったのでしょう?大丈夫なのですか?」


「まさか眷属に成ったりなどしてませんわよね?」


 尋ねられた質問に、俺はアーカムさんが言っていた事を思い出しながら説明した。


「「そうでしたの知らなかったです(わ)!!」」


 二人は大変に驚いた。


「では、そのメアさんは、半吸血鬼族なんですわね?」


「あぁ、そうだよ。なんなら話してみる?」


「大丈夫?寝てるのでは?」


「多分もう起きてると思うよ。なんなら後ろに居る二人も会うかい?」


 部屋に桂花の眷属を忍ばせ、状態の確認をしていたから、起きている事は既に確認していた。

 そして、エルザとエリーゼの二人が扉の外に居る事もだ。


「だから言ったでしょ? 既に気付いているから、驚かないって」

「残念、もう会えるのなら会いたいな?」


 その言葉が出たので、俺達はメアの居る部屋に向かうことにしたのだった。


 行きながら、お友達について尋ねると


「アナハイムさんが、連れてきてくれるから後のお楽しみだよ」


 とエリーゼに言われたので、楽しみにする事にした。

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