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幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
2章-3 違法商人摘発とロアッソの秘密
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ノード子爵家の末路

【シルフの3月20日 王城・謁見の間】


「以下の証拠を判断材料として、ノード家の取り潰し、現当主、グロース・ヒァリ・ノードの処刑を決定とする!!」


 謁見の間に、レシアス王の言葉が響き渡る。


「(━━何故だ…何故あの書類が陛下の手元にあるんだ……)」


 グロースは、今起きた事に困惑していた。

 陛下の提示した書類の数々、ノード家の焼き印が押された手紙、それらの品は、本来この場にある物ではなかった。


 しかし、現実は違い、違法な薬物の実験記録、違法商人との裏取引の証拠が、そこには並べられていた。


 しかし、分からないのは、焼いた筈の書類までもが、そこにあったのだ。


 グロースがロアッソに渡し、目の前で焼かせた筈の書類がそのままの状態で、配られていた。


 時空間魔術の大元が『原初の魔導書』には、記載されていた。


 その名は『回帰(リカージョン)


復元(レスト)』とは違い、無機物の変質状態を元の状態に戻す魔術だ。


 今回、ルークは、地下下水道とノード家に残っていた灰に対して、この魔術を試した結果、更なる証拠の発見に繋がった。


 しかし、そんな事をグロースが、知るよしもない。


「陛下、罠です!! 私は違う、やっていないんです……」

「見苦しいぞ、グロース……お前のしてきた事など些末なものだ、今からはこうした悪事等、働く事すら出来なくなるぞ?」


 隣に立つ髪の毛が金髪の男は、薄眼を開けて、グロースに告げた。


「くっ、リアス大臣……ロアッソは、ロアッソはどうなる?」

「貴方の息子さんなら、周りの眼を気にして屋敷に軟禁してましたよね?」

「あぁ、まさか不貞の子とは思わなかったのでな」

「フン…貴様らしい最後で善かったではないか?」

「どういう意味だ?」


 疑問に思ったグロースは、リアスに尋ねる。


「貴様を売ったのだよ、貴様の領民達はな」

「何?」

「貴様が手にかけた実験体の娘の一人と処罰した家族は、私の友人とその娘だったのだよ…腐れ外道が!!」


 リアス大臣と呼ばれた男は、穢い物を見る眼をして、グロースを蹴り飛ばす。


「こら、リアス、まだこいつを処刑するなよ? 罪を償わせなきゃならんのだからな」

「おっと、申し訳御座いません陛下、ついカッとなってしまいました」

「皮肉なものだな、実験を行い、方や人を救う物と、方や食い物にする者の差か?」

「陛下!!薬師と異常者を一緒にしないで頂きたい。それに、私が行うのは魔獣に対してだけです」


 リアス大臣は、グロースと同じ様に薬を使う実験をするが、主には魔獣避けや、毒の抗体を創る事を主としている薬師の職人である。


 ハーフエルフである為、人族よりも長い時間を生きる彼は、己の仕事に誇りを持っている為、何人たりとも馬鹿にすることを許さない。


「言い方が悪かったな、リアス大臣には何時も助かっていると云いたかっただけだ。地下牢に連れていけ」


 最早、抵抗も出来ない状態で、グロースは衛兵に地下牢へ連れていかれた。


「では、贖罪内容を決めますか?」

「ダングイス大臣はどう思う?」

「私ですか?そうですね……ベマルドと同じ事にはするのはどうでしょうか?」

「フム、同じ物があるから出来なくはないですな」

「その際の費用算出はどれくらいだ?」


 ダングイス財務大臣は、処刑の日迄の最低限かかる費用と贖罪により予想される利益率を計算して書き出す。


「費用としましては、これくらいかと」


 提示した金額は、大銅貨1枚であった。


「これは1日分か?ダングイス大臣?」

「いえ、一月分ですよリアス大臣」

「あの採掘場に送るんだ。それくらいになるだろう。採用とする」


「元ノード子爵家当主、グロース・ヒァリ・ノード並びにベマルドの贖罪は、ベルモース鉱山の最下層採掘とし、処刑の日までを贖罪の期間とする。異議の有るものは無いか?」


「「「「「「「異議無し!!」」」」」」」


「本日の判決は、これで終わりとする!! 13時には、中央広場に掲示するよう広報に伝えよ!!……解散」


 こうして、ノード家は歴史の舞台から幕を閉じた。


 ━━━━━━━━━━

【同時刻・王城内 エルザの部屋】


「いよいよですわね、エルザ、ソフィア」

「うん、ロアッソ君の姿からどうなるのかな?」

「元の姿が細いですしぃ、目が隠れるくらい髪の毛も長かったですからぁ、どうなるでしょうねぇ?」


 王家・皇帝・大公の娘達は、ロアッソの登場を待ちわびていた。


「━━お待たせいたしました。着替え終わりました」

「あら、まぁ」

「ふぇ~」

「うふふ」


 そこに現れたのは、ロアッソと同じ濡れ羽色の髪の毛を、目元はそのまま隠れた状態で、サイドを軽くウェーブさせ、うしろ髪を肩口まで少し長目に流している、同年代にしては、やや発育の良い少女が居た。


「「「はい、駄目!! (ですよぉ)」」」

「何で目が隠れた状態で、出てくるのですか?」

「もう、リー姉様が言ったけど、顔を見せなきゃ、誰か分からないでしょ?」

「時々、目が見えるからぁ、綺麗めな顔立ちなのは分かるけどぉ、前髪はやり直しねぇ」


 登場直後の駄目出しは、総じて『前髪をどうにかしろ』といった内容だった。


「わかった、前髪を顔が見える位に整えるわ━━これでどう?」


 前髪を眉の少し下くらいでカットをした彼女は、3人とは違うタイプの雰囲気を持つ美少女になった。


 切れ長のアーモンドのような目は、知的な雰囲気を持つ印象を与える物だった。


「「「合格!!」」」


「やっぱり、目が見えないと視線が分かりにくいのは駄目ですわね」

「知的美人さんだね、エリーゼちゃん」

「あらあら、エリーゼちゃんはぁ、改めて見るとやっぱり、綺麗な顔をしてるのねぇ」

「ありがとうございます?」


「じゃあ、次は服を選ぶわよ。ルーク様がここに来るまで、後三時間位しかないんですもの」


 リーフィアはそう言って、着替え用の服を取り出した。


 そこからはエリーゼの着せ替えが続くと、リーフィア達から、ドレスを渡された。


「これで、今日からエリーゼ・ル・ステンノとして、生きれます」

「先ずは、ルーク君に見せて、私達からも話してみるね」


 この日、ロアッソ・ヒァリ・ノードは、服毒死をした事になり、ノード家の取り潰しが決定したのだった。

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― 新着の感想 ―
ノード子爵のロアッソはどうなるかの問いの答えが、領民達が領主を売ったとはどういうことですか? ロアッソの処遇は、子爵家取り潰し当主のみ処刑で、軟禁され血縁がないにしても次期当主にも関わらず、公的にはお…
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