いざ、王都へ
月日は流れて、俺は4歳になっていた。
再来月の誕生日は王都で行うとの事、その後貴族のパーティーに参加するので、ラーゼリア領の貴族服と礼服を仕立てた。
3年間でしてきたことは多く、お母様や父様による一般教養や、錬金術や武術、魔術といった習い事をこなし、魔力量とスキルを少しずつ《隠蔽変換》を使い表示していった。
この世界は、前世と同じく四季があり、それぞれ四大精霊の名で、ひと月30日3ヶ月で区切られている。
ベルフォートの月⇒ 日本の月
冬 ウンディーネの月 12,1,2
春 ノームの月 3,4,5
夏 イフリートの月 6,7,8
秋 シルフの月 9,10,11
となっていて気候も日本とあまり変わらなかった。
次に貨幣についてだが、以下の通りで
銅貨 ⇒1
大銅貨 ⇒10
銀貨 ⇒100
大銀貨 ⇒1,000
金貨 ⇒10,000
大金貨 ⇒100,000
白金貨 ⇒1,000,000
となっている。
基本的に金貨はよく見るが、大金貨や白金貨は、冒険者がダンジョンで手にいれた魔道具やモンスターの素材等の売買、国からの報奨等でしか見る機会が無いらしい。
そして、現在のステータスがこうなっている。
【名前】ルーク・フォン・ラーゼリア(4歳)
【体力】45,000/45,000 ⇒900/900
【魔力】100,000/100,000 ⇒1,000/1,000
【筋力】S ⇒C
【知力】S ⇒C
【器用】SS ⇒B
【対魔力】SS ⇒B
【スキル】
自己回復力Lv7 自己回復速度Lv7 成長力促進
フル・エレメント⇒オール・マジック(隠蔽変換)
(6属性修得時に統合、消費魔力が半分になる)
ウェポンマスター⇒剣術Lv6、双剣Lv4、刀術Lv5(隠蔽変換)
錬金術Lv6 隠蔽変換(隠蔽)鑑定 生活魔法 翻訳変換
異空間収納 創造神の加護(小)(隠蔽変換) 式神作成 式神使役 創造(小)(隠蔽変換)
召喚術Lv5(new)契約(new)
そして、俺の足下には、一匹の白い中型犬位の狼が居た。
ようやく、カミナを呼ぶ事が出来たのである。
3歳のウンディーネの月に魔力量が6万を超えた為、試したら喚べた形で、カミナ曰く、
「神界からの招来なら、2万位の魔力があれば喚べた。まぁ神が説明してないから仕方無いな」
との事らしい。
なお、カミナの件はすぐにバレた為、召喚術を覚えた際の結果となった。
反応だけ見ると、召喚術は後天的に得るスキルの為、珍しくは無いが呼び出した相手と契約出来ない場合、術者が喰われる事もあるらしい。
大半は魔力量に応じて喚ばれる為、自分よりも魔力が多い相手は滅多に来ない。(例外として、ドラゴン種や大型の魔獣の子供が現れる事がある)
今回の場合、例外のパターンだろうと皆が納得していた。
因みにカミナのステータスがある意味チートだったが、皆、ただのホワイトハウンドの子供だろうと思っているみたいで、鑑定はしないらしい。
ホワイトハウンドは、白い体躯と灰色の尻尾を持つカミナと、似た色合いをした大型の狼型魔獣で、ウンディーネの月には子狼がウロウロしている姿を見かける事がある。
【名前】カミナ【種族】魔神狼マーナガルム
【体力】9,800,000
【魔力】6,750,000
【筋力】SSS
【知力】SSS
【器用】SSS
【対魔力】SSS
【スキル】
自己回復力Lv10 自己回復速度Lv10
フル・エレメント ウェポンマスター
鑑定 生活魔法 翻訳変換
変化(姿を人・獣人・犬型の三種に変えれる)
陰影(影の中に入り、移動・攻撃を行える)
魔力爪・魔力刃(爪や武器に魔力を薄く纏わせ魔力の刃を付加する)
受肉・解放(自身の魔力が尽きかける、深手を負った際の緊急措置、神霊化して神界に戻る)
恐らく、この世界で負ける事が無い能力だろう。
俺の錬金術や魔術は、ある程度のレベル表示を行いながら、オール・マジックと一緒に上げて行く事になり、お母様と物作りで上げていった。
中でも、錬金術を使い、創造で作り上げた魔道具は、レベルがよく上がり、《中級錬金術師》になっているレベルだ。
武術訓練は、執事長と父様の稽古により上達していった。
ウェポンマスターがあっても、身体の捌きかたは、体感しなければわからない為、役に立つ訓練が多い。
今年の誕生日は、先に品物が届くのみで、貴族パーティーに参加した際に顔を見に来ると言われた。
誕生日の品物は、リッツバーグ家から深紅魔鉱石のインゴット10本と防具加工用のワイバーンの革6枚。
ラーハス家からは魔獣の卵と飼育用の魔力ケージだった。
魔獣の卵は、従魔が欲しい場合に、卵へ魔力を込めて育てることで孵化させる。
魔力ケージは注いだ魔力を卵に無駄なく与える物だそうでかなりの魔力を溜め込めた。(全魔力を入れることはできなかった為今回は使用せず)
また、魔力の量や質で孵化する時間や強さが変わる為、貴族等は専属魔術師を大量に呼んで、孵化に当たるらしい。
一般的な卵も、魔獣の生態によって様々な色や大きさがあるが、ラーハス家から来た卵は、鈍い銀色に、薄く蒼い筋が入る卵で大きさはラグビーボール位ある卵だった。
そして、来月の誕生日が終わると王都の迎賓館に行き、主催の貴族パーティーが行われる。
今回のパーティーは、子供たちの顔合わせがメインだが、公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵が集まる為、礼儀作法やマナーを覚える必要があるらしく、必死で覚えた。
そして、パーティーの当時が近づいて来た為、一月前に王都レシアスに向かう事になった。
この時の俺は、この先に起こる出来事が、とんでもない事態になるとは思ってもいなかった。