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幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
2章 -2神龍皇国レスティオ
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明日の用意を忘れずに

 渚の話を聞き、俺は渚とエリトリアに対して、

「とりあえず話しはわかった。明日俺は龍神皇国に行くから、渚達も一緒に行けば良いよ、ゼノさんからは、何人でも良いって言われてるし」

「了承しました。では準備をしてきます。何日位ですか?」

「とりあえず、1週間分俺のは要らないよ、収納してるから」

「では、私共の分を用意しますね」


 渚とエリトリアは二人で部屋から出て行くと、部屋に残されたのは、焔と雪、カミナと俺の四人、ゼノさんが迎えに来るのが、明日の昼頃と言っていたので、火山対策を用意する事になった。


 火山地帯と言われていたから、鎧の下に着るインナーに『耐熱耐寒性能』『体感温度調整』ができる様に細工をする。

 今回ばかりは、材料がないので創造と錬金術の合わせ技を、全力で使う事にした。


 高い耐熱性を持つのは【ファイアードレイク】や【フレアワイバーン】等、火の亜竜種で特に火山内部に居るものが持っており、耐寒性能は逆に、氷の竜種【ブリザードドラゴン】や魔鳥種【スノーレイブン】等の雪山や極寒地に住む魔物や魔獣が持つ。


 しかし材料費が高く、手持ちにもないのでインナーに、創造を使用した。

 魔力を圧縮して強制的に素材を変換する。

 ワイバーンの革に『フレイム・エンチャント』

 を高魔力の圧縮と魔石を使い、耐熱性を持たせていく……ゆっくりと赤い色が抜けて革が赤黒く変色していった。


 鑑定する『ワイバーンの黒革(耐炎)』と表示され失敗した。


「んーと、こうじゃないなら、どうしたものか?」

「ルーク、焔と雪、私の毛を使え」

「え?」

「私達は、神獣に天狐だぞ?そこら辺の素材より、質も性能も高くなる筈だ」

「あぁ、忘れてた。確か収納してたっけ」

 カミナに言われて、収納してあった毛玉を取り出した。

 ブラッシングして抜けた毛玉を、カミナに言われて収納していた。

 カミナ曰く、「何かに使える事があるかもしれんからな」と言っていたので収納していた物だ。

【魔神狼の毛】【天狐の毛】を触媒にして先程と同じ工程で、錬金術と付与を行う。

 先程よりも少ない魔力で、変化が始まった。

 出来上がったのは、グレーの立派な布で鑑定をしてみると、中々の一品に仕上がった様だ。


【神威の防護布】

 魔神狼の毛を使い天狐の毛で紬合わせた糸で出来上がった布。纏う者を守護する力を持つ。

『耐熱耐寒』『体感温度調整』『多重結界』『バッドステート無効化』『空脚』

 が完成した。


 気になったのは『空脚』のスキルで、解析すると、滞空中に任意の足場を作り跳ね回るスキルだった。


 早速インナーに錬金術で融合させ、鎧裏や他の防護にも仕込んでいく。


 早速インナーを着て、『空脚』を試すと、中々にピーキーな能力だった。

 どうやら脚力も強化されるらしく、館から修復中の屋敷を通り越え、反対側の壁に一蹴りで着いた。

 空中で軽く試すと、縦横無尽に飛び回り、落ちそうになれば、跳ねるを繰り返して館の屋根に到達する。


 魔力消費が無いので、何とも言えないが、戦闘技能に昇華するには訓練する必要があるのが確認できたので、さっそくメニュー表に加える。


「とりあえずこれで準備出来たな。後は渚達の準備だな」

「ルーク様、お待たせしました。二人分の用意が出来ました」


 トランクを二つ持って渚は部屋に戻ってきた。


「じゃあ収納しておくね、他に収納してほしい物があったらまた持ってきてね」


「わかりました、その時はお願いしますね、ルーク様」

 渚が礼をして下がると、ノックが鳴った。

「ルーク、入るぞ」

「どうぞ、父様」

 父様(グランツ)が何かの包みを持ってやって来た。

「ルークに届け物だ、さっき届いたみたいだ」

「ありがとう、父様大き目の箱だな、なんだろう?」


 包みを開くと、中から現れたのは、手紙と黒く光る首飾りが別の箱に梱包されて入っていた。

 送り主は、サンバリューさんからで内容を要約すると、


『一週間後に、エリトリアを迎えに来るハーピーの女性に、エリトリアを会わせて商会に来てほしい事。隷属契約の解除を行う事。また同封された首飾りは彼女の物で証明になる物だから渡してほしい事。一週間後に迎えが来たら、商会に来てほしい事。』

 といった事が書いてあった。


 意外にも早く、解決しそうな問題だった。

 ただし、契約と隷属の首輪の外し方に問題が残っている。


 契約に関しては、俺の持つ契約で何となると思っていたのだが、根本的に違うスキルらしく、奴隷商人が持つ『隷属契約』というスキルで契約する場合、掛けた相手より高いレベルの同スキルでないと、他者が解除出来ないらしい。


 隷属の首輪に関しては、さらに厄介で、一度装着すると、同じ鍵でないと外す事が出来ないのに加え、無理に外すと首輪に仕込まれた毒薬が、後ろから注入されて、激痛を与える、下手をしたら廃人になる事もあるような代物だった。


 隷属契約に関しては、サンバリューさんが連れてくる人が、何とか解除出来そうとの事で、心配はないが、首輪に関してはサンバリューさんもお手上げらしい。

 何故なら手紙には、捕まった奴隷商人が鍵を破壊した事が書いてあったからだ。


 一応模倣した鍵を使う事も考えているが、錬金術で分解した方が、確実に外す事が出来ると思われる。

 これは、サンバリューさんに相談してから行う事にした。(下手に行って、失敗する事を防ぐ為にね)


 その後、各城に帰っている婚約者達に伝書鳥の式神(トトル)を飛ばしてエルザとリーフィア、ソフィアの所にそれぞれ龍神皇国に行く事を綴った手紙を届けてから、焔と雪に魔石を与えるといった何時もの流れを行った。

 一応手紙を届けるのは、前からやっていたのだが、前世も含めて、基本的に手紙を書く事が無い生活だったので、回数が少なかった。

 そこに、今回のカミナの件が重なったので、これからは、些細な事でも良いから手紙を下さいと婚約者達から言われ、彼女達からも手紙の回数が増えたのだ。

 今では、『届けたデザートがおいしいかった』

『可愛いアクセサリーがあった』等の些細な日常の話や、今回の様な何処かに遠出する話し等(機密性のあるものは無しの方向だが)するようになっている。


 最後の確認をして、チェックシートに書いていき、終わったので俺は明日に備えて眠りに就いたのだった。


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