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幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
2章-1 新たなる季節、学院生活の準備
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学院入学試験1

 やって来た、入学試験当日。


 俺は、王都魔術学院『ドラムシアス』の貴族受験者の受付前に居た。


 その敷地は大きく、中央商業区から北東に660m、俺の屋敷予定地からは約2kmの位置にあった。


 敷地面積は広く、王都の中で王城を除けば、一番の大きさを誇る。


 技術棟、訓練場が二棟、校舎が西・北・東で別れており、西棟 一般棟 北棟 貴族棟 東棟 総合学術棟と、パンフレットに書いてあった。


 一般棟は、貴族以外の合格者が、勉強の為に通う校舎


 貴族棟が、貴族の合格者が返事をする場所で、各能力の総合でクラス分けをされる。


 総合学術棟は、特殊な講義を行う時に使う校舎だ。


「「お久しぶりですわね、ルーク様」」


 後ろから声が掛けられた。


「久しぶりだね、エルザ、リーフィア…ソフィアは、一緒じゃ無いのか?」


「そうなのです、ソフィアは、帝国の学校に入学していたので交換留学として、入学試験はパスしたらしいですの!!」


「エルザ、少し落ちつきなさいまし」


 二人と会話をしていると、周りが騒がしくなっていた。


 それはそうだろう、そこに居たのは、レシアス王国の第三王女と、ダムシアン獣公国第三公女のリーフィア。


 王族がその場に居るのだから当然の事だった。


「(こういった時は、大体テンプレがあるよな)」


 内心思っていると、案の定と言った所か、厭らしい目付きの貴族が子供とやって来た。


「何用ですか? ノード子爵?」


「これはこれは、王女殿下ご機嫌麗しゅう御座います。この度私共の子が、入学試験を受けますので、受かった際には仲良くしていただければと」


 と俺の方に嫌な目を向けて話す。


「その程度の話をするのに、私達の話を止めさせたのですか?」


「いえ、私の子供はそこのルーク男爵より優秀だと、言いに来たので御座います。もし男爵より優秀であれば、婚約を破棄して息子の所にと」

「「全員集合!!」」

 そうこうしていると、教師と思われる男女がやって来た。


「ただ今から、ドラムシアスの入学試験を始める。三班に別れて並ぶ様にしてあるから、カードを取り出せ」


 カードを取り出すと、光が周りのカードと同じ様に昇る。


 赤、青、緑の三色があり、俺の色は緑だった。

 赤と青のカードは先程の男女がそれぞれ引き連れて行った。


「お主達は、儂が担当じゃ」


 後ろから、声が掛けられ振り向くと、一人の老人が立って居た。


「また、この老い耄れに、重荷を持たせるのか…儂の名は、ホーエンガウ・グリムじゃよ、では第二訓練場に行くが、点呼を行う。良いな?」


「「「「「「はい!!」」」」」」


 俺のグループには、

 エルザ・ウルムンド・レシアス

(レシアス王国第三王女 婚約者)


 リーフィア・ヴァン・ダムシアン

(ダムシアン獣公国第三公女 婚約者)


 オリビア・セム・レスティオ

(神龍皇国レスティオ第六皇女 赤髪、目尻に龍鱗が着いている)


 アーサー・セム・レスティオ

(神龍皇国レスティオ第二皇子 赤髪、鋭い目付きで三白眼 何故かこちらを見ている)


 ルーク・フォン・ラーゼリア

(ラーゼリア伯爵家三男、男爵)


 ロアッソ・ヒァリ・ノード

(ノード子爵家長男、次期当主 濡れ羽色の長い髪の毛で目元も見えにくい 時折こちらを見ては、顔を反らしたりしている)


 といった王族中心のメンバーに、俺と先程の貴族の子供も一緒と言った形だった。


 俺達は訓練場に向かい歩き出すと、ロアッソが俺の前に来た。


「先程は、父様が無礼を働いた事ごめんなさい」


 と謝り、横に並んだが特に会話もなく、訓練場に到着した。

 訓練場の入り口には、直径180cm位の大きな玉が置いてあった。


「先ずは、魔力量を測るからの、一人ずつあの大玉に手を当て、全力で魔力を流すんじゃ、魔力は循環して戻るから遠慮は要らんぞ、ホッホッホッでは初めは、エルザからじゃ」


 並んだ順番で、一人ずつ流して行く。


 エルザは、濃い白光が灯り、周りを照らして行く。

「ふむ、光と聖魔術の適正が高い、他は悪くないが、闇には向かんのぅ魔力量はまぁA+だな次、リーフィア」


 リーフィアは碧と紫、少し黒が混じった。


「ほうほぅ、土木魔術と風雷、闇に適正ありか、他は伸び代があるからフル・エレメントも夢ではないな魔力量はそうでもないがギリギリAじゃ、次はオリビア」


 オリビアは、赤と青、緑が混じり合い、綺麗に纏まっていたが、玉の半分位しか包めていなかった。

「中々魔力制御は高いが、魔術は年相応か魔力量はそこそこB+次はアーサー」


 アーサーが魔力を込めると、深紅が玉を覆い尽くす。「炎熱と闇の適正が高い上、魔力量かなり高いのぅSじゃな、次ロアッソ」


 ロアッソも魔力を込める。赤青茶緑黒の五種類が渦巻いていた。

「ほぅ、その歳で五種類か、オール・マジックまであと一つじゃのぅ、魔力量はそこそこのB+か最後の子はルークじゃな」

「すみません、一つ良いですか?」


 俺は、グリムさんに一言尋ねた。


「なんじゃね?」

「どうやって、魔力量を判断しているんですか?」

「あぁ、光の濃さと、複数の魔術を扱う者は、その混ざり方に反応を見て判断するんじゃ。余程の事が無い限り玉も壊れんから、安心して行うと良い」

「わかりました、ありがとうございます」


 俺は深呼吸をして、玉に魔力を徐々に流す。

 初めの段階で既に、深紅 蒼 碧 紫 濃白色 漆黒の色が玉を覆い尽くして、玉の中を渦巻いていた。


 少し魔力制御を始めると、思うように光は玉となり大玉の中をくるくると回転した。


「これは面白いな、分裂させてみるか」


 イメージは花が咲く形を思い浮かべる。


 玉は、この世界にもある薔薇に似た花の形を作りだし、花が開いた所で、声が掛けられた。


「「「綺麗なお花ですわ」」」


 振り替えると、女性陣は花の形をした魔力玉を見ており、男性側は、他の教師含め顔があり得ない物を見た様な顔をしていた。


「ルーク君、フル・エレメント自体も驚く所でもあるが、まだ全力じゃ無いんじゃろ?」


 グリムさん一人、知っていたかの様に話してきた。

「まだ余裕がありますよ?」

「放出を止めてくれんか? そろそろ限界が来そうじゃ、このままじゃと割れてしまうからのぅ」

「わかりました」


 俺はグリムさんの指示に従い、魔力を吸収しきり元の位置に戻った。


「……SSS以上じゃ、さて次に行くとするぞ」


 グリムさんは、やれやれといった顔をして次の試験に引率者として歩いていった。


 どうやら、やらかしたみたいだなぁと思いつつ、次の試験に移動する事になった。


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[気になる点] エルザだけ君付けで呼んでいる なお、次話では呼び捨て
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