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幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
3章-1 鬼神祭
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酒泉の実力

 一撃を受けた男性はそのまま倒れてしまったのだ。それを見た残りの二人は慌てて距離を取ると構え直した。そんな二人に対して酒泉選手は笑みを浮かべていたのだった。


(流石に決勝ってだけあるな……)

 

そんそのな感想を抱いていると朧さんが俺の肩に手を置いたのだ。


「ほら……行くぞ俺は右の奴をやるから、お前は左の奴だ」


 朧さんの言葉に俺は頷くと構え直した。そして、同時に駆け出したのだ。


(さて……どうするかな)


 そんな事を考えていると相手の選手が拳を振り上げてきたので、その腕を巻き込んで関節を絞め上げる。そして、そのまま背負い投げの要領で地面に叩きつけたのだ。


「ぐはっ!?」


 そんな声と共に男は倒れてしまった。

 だが気絶したわけではないので、再び距離を話し居合いの構えをとる事にした。そして、朧さんはというと━━。


「おらぁ!」


 そんな掛け声と共に朧さんが拳を振り抜くと相手の顎に直撃したのだ。そして、そのまま倒れてしまったのである。


(流石は朧さんだな……)


 流石に気絶させるか場外に落とすかで勝敗が決まるので、朧さんは手加減していたのだろう。

 そして、残った一人はと言うと……俺から距離を離し酒泉選手の方へ駆けていったのだ。そして、酒泉選手に攻撃を仕掛けたのだが、あっさりと躱されてしまったのだ。


「なっ!?」


 そんな声と共に最後の一人も倒れてしまったのである。

 その結果━━朧さんと酒泉選手、俺の三つ巴となった

 のである。


「さぁ!残るは3人です!どう動くのか‼」


審判らしき人物のそんな声と共に会場からは歓声が沸き上がったのだ。そして、俺達は同時に動き始めたのである。

 最初に仕掛けたのは朧さんだった。彼は酒泉選手に向かって駆け出したのだ。それに対して酒泉選手はニヤリと笑みを浮かべると構えたのだ。


(やはり……あの酔拳みたいな技を使うのか)


 そんな俺の予想を裏付けるかのように酒泉選手がふらふらとした足取りで朧さんの攻撃を躱したのだ。そして、酒泉選手は朧さんの腕を掴むと投げ飛ばしたのだ。だが、そんな攻撃に対して朧さんは空中で体を捻ると着地と同時に攻撃を仕掛けたのだ。


「っ!こりゃ1杯呑まねば、やってられねぇな」


 そんな叫び声と共に酒泉選手は朧さんの拳を受け止めると、そのまま投げ飛ばしたのだ。


「っ!?」


 そして、地面に着地すると同時に朧さんは拳を胴に向けて放つ。だが、その攻撃に対して酒泉選手はニヤリと笑みを浮かべると腕を掴むと逆手に取り、背負い投げの要領で地面に叩きつけたのだ。


(凄い……)


 その光景を見ていた観客からは歓声が沸き上がったのだ。そして、俺は思わず笑みを浮かべたのだった。

 だが、ここで酒泉選手の行動に皆驚く事に成る。

 舞台の中央に座し徳利を手にしたかと思えば、その中

身を、そのまま徳利を口に付け一気飲みしたのだ。


「ぷはぁ……やっぱり酒はうめぇな」


 そんな声と共に酒泉選手は笑みを浮かべたまま朧さん

に向かって歩き出したのだ。


「なっ!?」


 酒泉選手は跳ぶように朧さんに攻撃を仕掛けたのだ。だが、先程までと違い、フラフラとした足取りではなくしっかりとした足取りで攻撃を躱したのだ。


「なっ!?」


 そんな驚きの声と共に朧さんは距離を取ると構え直したのだ。そして、そんな様子を見ていた俺は思わず笑みを浮かべてしまった。


(ヤバい……ワクワクしてきた!)

 

そんな事を考えていると酒泉選手が再び笑みを浮かべたのだ。


「どうした?朧、こんなもんか?」

「流石は師父、先代護人なだけあります」

「まぁな……だが、まだ本気は出してねぇぞ?」


 そんな酒泉選手の言葉に朧さんは笑みを浮かべると構え直したのだ。そして、同時に駆け出したのである。


「おらぁ!坊主も見てねぇで戦え」


 酒泉選手のそんな叫び声と共に拳を振り抜いたのだが、それを躱した朧さんがカウンターで拳を突き出したのだ。だが、その一撃を酒泉選手は受け止め、そのまま朧さんは投げ飛ばされた。

 俺はその隙を狙い酒泉選手に飛び込むと抜刀し斬りかかったのだ。

 だが、俺の攻撃を酒泉選手は受け止めてしまったのだ。そして、そのまま俺に蹴りを繰り出したのである。それを咄嗟に躱すと距離を取った。


(やはり強いな……)


 そんな感想を抱いていると朧さんが口を開いたのだ。


「おい!ルーク」

「はい!」

「今回は相手が悪い。俺達二人で同時に仕掛けるぞ」

「分かりました!」


 そんな朧さんの言葉に俺は笑みを浮かべながら答えたのだ。そして、俺達は酒泉選手に向かって駆け出したのである。


「おらぁ!来いやぁ!!」


 そんな叫び声と共に酒泉選手が拳を振り抜くと俺と朧さんは左右に別れて攻撃を躱すとそのまま攻撃を仕掛けたのだ。だが、簡単に受け止められてしまったのだ。


「どうした?その程度か?」


 その言葉を聞いた瞬間、俺と朧さんは笑みを浮かべると距離を取ったのだ。そして、構え直すと同時に駆け出すと酒泉選手に向かって攻撃を仕掛けたのだ。


「おらぁ!」

「はぁ!!」


 そんな掛け声と共に俺と朧さんの攻撃を躱すと、そのまま俺達を投げ飛ばしたのだ。そして、着地と同時に構え直したのだが……酒泉選手が笑みを浮かべたまま徳利に口をつけて更に飲み干したのである。

「ぷはぁ……まだまだ足りねぇな……もう空か」

 そんな声と共に酒泉選手は朧さんに攻撃を仕掛けたのだ。だが、先程までと違い千鳥足だが構えはしっかりとしたものだった。そして、朧さんはその攻撃を躱すと反撃に出たのだ。だが、酒泉選手はそれすらも躱したのだ。


「っ!?」

(なんだ?動きが急に変わったぞ……)


 そんな驚きの声を上げている間も二人の攻防は続いていく。そして、徐々に酒泉選手の攻撃が当たり始めたのだ。


「おらぁ!」

「ぐはっ!?」


 その一撃を受けた朧さんが吹き飛ばされたのだ。俺はその隙を見て駆け寄ろうとしたのだが、そんな俺に向かって酒泉選手は笑みを浮かべたまま徳利を投げつけた。


「なっ!?」

(しまった!?)

 俺がそう考えた時には既に手遅れだったのだ。俺の顔面に直撃した徳利はそのまま砕け散ったのだ。そして、その隙に膝蹴りで俺は吹き飛ばされてしまったのである。そのまま地面を転がると朧さんが慌てて駆け寄って来た。


「大丈夫か?ルーク」


 そんな彼の言葉に対して俺は立ち上がると答えたのだ。


「はい……何とか大丈夫ですが……」


 そんな俺の言葉に酒泉選手は笑みを浮かべると口を開いたのだ。


「どうした?若ぇのが二人して老いぼれに負けてどうする?」


 その言葉に俺達は笑みを浮かべると構え直したのだ。そして、同時に酒泉選手に向かって駆け出したのである。そんな俺達に対して酒泉選手は笑みを浮かべたまま拳を振り抜いたのだ。


「おらぁ!」


 空を切った拳からは凄まじい衝撃波が発生し、俺達を襲ったのだ。その威力は凄まじく俺達は吹き飛ばされてしまったのだ。

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