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幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
2章-20 従魔レース開催
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蛇の目と後始末

「坊主、お前さんはどうする?」


 ヴェニスの言葉に俺はこう答えたのだ。


「俺もアンタを見逃そう」


 俺の言葉にヴェニスは笑みを浮かべるとこう言ったのだ。


「そうかい……じゃあな坊主、また会おうぜ」


 そんな言葉に俺は頷くとジークリッド陛下に視線を向けたのだ。するとジークリッド陛下が頷き口を開いた。


「では、ごきげんよう……」


 そんな俺達のやり取りを見てヴェニスは笑みを浮かべたままお辞儀をすると、その場から煙のように消え去ったのだった━━。

 その後、俺達は広場へと戻り治療や壊れた建物の修繕を他の魔術師と共に行い、治療が終わった頃には既に日が昇り始めていた。

 そんな中、俺はジークリッド陛下に呼び出されて王城へと戻っていた。


「失礼致します」


 そんな俺の言葉にジークリッド陛下は頷きこう告げたのだ。


「ご苦労だったな……ルークよ」


 その言葉に俺は頭を下げると口を開いた。


「いえ……それよりも今回の件ですが……」


 俺がそう切り出すと、ジークリッド陛下は苦笑いを浮かべながらこう答えたのだ。


「あぁ……バーゼルシュタイン卿の事だがな……今回の一件でラードーン卿が死亡した事により、新たな統治者として暫くの間、彼が兼任する事になった」

「そうですか……それは良かったですと言えばよいのでしょうか?」


 そんな俺の言葉にジークリッド陛下は苦笑いを浮かべながらこう告げた。


「あぁ、そうだな……悪くはない」


 それから暫く沈黙が続いた後、俺はある事を思いだし口を開いた。


「そう言えば陛下……ヴェニスの件ですが……」


 俺がそう切り出すと、ジークリッド陛下は頷きながらこう告げた。


「あぁ……分かっている。ラードーン卿のした事や、蛇の目のした事は犯罪だが、ヴェニス・ガーランド当人の件に関しては今回の件だけの話だ。他の証拠が無い以上は罪に問えん」


 そんなジークリッド陛下の言葉に俺は思わず苦笑いを浮かべた。


「そうですか……」


 俺がそう呟くと、ジークリッド陛下は頷きながらこう告げたのだ。


「あぁ……それにラードーン卿が死亡した事により、ノートリアスの企みも潰えただろう」

「そうですね……」


 そんな俺の言葉にジークリッド陛下は真剣な表情を浮かべながらこう告げた。


「ルークよ……今回の件で分かったと思うがヴェニス・ガーランドはかなりの手練れだ。そして彼のように表や裏で暗躍する者達がいる……」

「はい……今回の一件で身に染みて理解しました」


 俺がそう答えると、ジークリッド陛下は頷きながらこう告げた。


「奴の言っていた通り、宝物庫からいくつかの品が紛失していた。恐らく教授とやらの狙いはそれだったのだろう……」

「はい……ですが、ヴェニスが何故その情報を?」


 俺がそう呟くとジークリッド陛下は頷きながらこう答えたのだ。


「それは分からん……だが、今回の件で奴に貸しを作った以上、此方も警戒せねばならぬだろう」

「そうですね……ですが、ヴェニスが何故ラードーン卿を唆した犯人を知っていたかは……」


 そんな俺の言葉にジークリッド陛下はこう答えたのだ。


「それは分からんが……恐らくだがラードーン卿はノートリアスと繋がりがあったのだろう。そして、蛇の目とノートリアスも雇用関係にあるが、利害関係次第では離れるのだろうな」

「成る程……確かにそう考えれば辻褄が合いますね」


 そんな俺の言葉にジークリッド陛下は頷くと、真剣な表情を浮かべながら口を開いた。


「ルークよ……今回の件で分かったと思うが、裏で暗躍する者達は危険だ。そしてそんな者達から市民を護る事も貴族の仕事だ。だが、決して無理はするな……お前には仲間がいる事を忘れるな」

「はい!」


 そんな俺の返事にジークリッド陛下は笑みを浮かべるとこう告げたのだ。


「うむ……では、下がって良いぞ」


 その言葉に俺は一礼すると部屋を退室したのだった━━。


「ハイマート、お前さんの娘を楽にさせる奴を見つけた。お前さんの仇も取ってやれるだろう」


 そんな言葉にハイマートは思わず笑みを浮かべた。


「ほう……それは本当ですか?」


 ハイマートの問い掛けにヴェニスは頷くとこう告げたのだ。

「あぁ……だが、ルーク子爵だ。楽にすると言っても恐らく命を刈り取る事になるだろうがな……」


 そんなヴェニスの言葉にハイマートは頷く。


「構わない……これ以上ファズに食べさせる魂が私にはありませんからね……こんな呪いに娘を使われた怨みは晴らさせて貰います」


 その言葉を聞いたヴェニスはニヤリと笑みを浮かべると口を開いた。


「あぁ……任せておけ。だが、少し準備が必要だ」


 そんな言葉にハイマートは首を傾げるとこう告げたのだ。


「準備ですか?」

「あぁ……ルークの坊主がラードーン卿を唆した教授とやらを探しているらしくてな……」


 そんなヴェニスの言葉にハイマートは思わず目を見開いた。そして真剣な表情を浮かべながら口を開いた。


「まさか……ノートリアスの事を知っているのですか!?」


 その言葉にヴェニスは頷くと、ニヤリと笑みを浮かべたまま答えたのだ。


「あぁ……そうだぜ? 護衛に俺と同格……それ以上だな、剣の手練れの姐ちゃんが居た。ありゃ底が見えねぇ化物だったぜ」


 ヴェニスの言葉にハイマートは目を見開きながらこう告げた。


「それは……本当ですか?」


 そんなハイマートの問いにヴェニスは頷く。


「あぁ、間違いねぇな……身体強化なんざ使ってもいない様子だったからなぁ」


 ヴェニスの答えにハイマートは思わず笑みを浮かべた。そして真剣な表情でこう告げたのだ。


「分かりました……ですが、その者達と敵対するつもりは無いですね?」


 その言葉にヴェニスはニヤリと笑みを浮かべると頷いたのだった━━。

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