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幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
2章-1 新たなる季節、学院生活の準備
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二振りの魔剣と二匹の天狐

 ダンジョンから、王都に戻り2日目の昼過ぎ、

 俺は一人レヴィアシェルの修復を行っていた。


 カミナが昇格試験を受けてから、ダンジョンに一人で行く事になったので、その間ずっと同じ作業をしていた。


 ダンジョンで手に入れた龍眼結晶(ドラグーン・アイズ)が必要な最後のピースだったのだが、これ自体が藍魔性石(アズライトクリスタル)碧眼魔水晶(リーガクリスタル)を竜胆魔鉱石の欠片を錬金術の錬成を使用して完成する事がわかった。


 入学試験まで、後4日になったので試験前の見直しやら、最近出来なかった戦闘訓練を行う為、遠出の外出は出来ない。

 午前中に勉強を行い、つい先程、戦闘訓練を終えた俺は、急ぎ修復に取り掛かる。


 レヴィアシェルを一端、錬金術で徐々に分解していく。


 刀身は魔力回路が、複雑に絡み合い、途中無理な使い方をして出来たと思われる歪みが、数ヶ所あった為、丁寧に歪みを正して行くと、刃先から徐々に魔力の流れが伝わってきた。


 魔力回路を修復し終えると、中央に魔力が集中する場所が現れる。

 そこに龍眼結晶を置くと、魔力の流れが綺麗に納まった。


 そのまま、元のタルワールの形に戻して行くと、蒼と碧の魔力光が溢れだした。

 同時に、立て掛けていた『アグニシャガ』が呼応する様に紅と紫の魔力光を溢れだし始めた。


 俺は誘われる様に、二振りの魔剣を揃えて魔力を流した。

 魔力を7000位込めた辺りで、魔剣の特徴が変わっていく、タルワールの形は変わらずだが、刀の色が変わっていった。

 共に透明な色に成って行き、最後の光を放つと、そこにあったのは、半透明な紅紫(こうし)色の結晶の魔剣と、同じく、半透明な蒼碧(せいへき)色の結晶の魔剣があった。

 ほぼ同時に、ドタドタと階段を上がって来る音が複数聞こえてきた。


「「「ルーク(ちゃん)(様)」」」


 光を見たのだろう、父様とお母様、そして俺の元の世界で式神だった、現在俺の専属メイドの渚がやって来た。


「ルーク様、今の光と魔力はルーク様が?」

「あぁ、成る程、修復をしたのだなルーク?」「危ない事は無いみたいね、良かったわ~」


「魔剣に使った鉱石が相性良かったみたいで、魔力が溢れだしただけです」


 三人とも違う反応を示したが、説明をすると両親は部屋に戻って行った。

 何度か魔力光を発生した事があるので、直ぐに納得してくれた様だ。


 俺は、改めて二振りの魔剣を、鑑定した。

【獄嵐魔剣 アグニシャガ】

 アグニシャガの真の姿、紅龍アグニシュカと紫龍シャガールの力を模した魔剣。破壊不可能

 適応属性魔術(火(炎熱)・風(雷))の四つ

 適正者 【ルーク】【リヒト】

【凍樹魔剣 レヴィアシェル】

 レヴィアシェルの真の姿、蒼龍レヴィアスと碧龍ユグドラシェルの力を模した魔剣。破壊不可能

 適応属性魔術(水(氷)・土(樹))と変化していた。

 適正者 【ルーク】【ゼルガノン】


 試しに魔力を流すと、薄く淡い光を放ち、ほぼ魔力無しで、属性の刃を纏わす事が出来た上に、切り替えもロスが無い。


 メインにも双剣にも使える優秀な魔剣に成った。


 二振りの魔剣が完成し、安心したのか、そのままソファーで、一眠りに就いたのだった。

 ━━━━━━━━━━

「今何時だ?」


 ふと起きると辺りは一面夕焼けの色に染まっていた。


 部屋にある時計を見ると、午後4:40分頃だった。

 どうやら2時間程、眠っていたらしい。

 身体を伸ばし、解すと小気味良い音が鳴った。


「起きたか?」

「……起きた…よ?」


 頭の上から、聞き慣れた声と、知らない声が聞こえてきた。


 頭を声のする方に向けると、カミナと、その横に緋色の髪と白い髪の、今の俺と同じくらいの少女が座って居たのだが、起き上がるのを確認すると

「「お兄 (ぃ)(様)」」


 二人はそう言って、俺に飛び付いて来た。


 ソファーに再び座らされ、俺はふと考えて返事を返した。


「焔と雪か?」

「うん!!」

「…うん」


 焔は、緋色のツーサイドアップ、丸目の活発な女の子。


 雪は、白いハーフアップのやや眠そうな目付きの、物静かな女の子。


 といった、昔式神として使役していた時と同じく対照的な姿と性格だった。


 何故か兄呼びになっていたので、聞くと


「カミナ姉がそう呼べって言ってた」

「…てた」


 頭を抱える答えだったが、諦めた。

「……もう一つ質問だ」


「何、お兄ぃ」

「…お兄様?」

「何で、女の子の姿なんだ?」


「「知らない、だって、式の時点で僕(私)達、女の子だったよ?」」


「なんだ、自分が名を呼んでいたのに、知らなんだか、ルークは本当に鈍いな」


「いや、姿が違うだろ、式の時は、狐の姿だったし、下半身も胴から下が無かったろ」


「あぁ成る程な、しかし行動を見れば分かったろうに」


「まぁ、今と対して変わらんけど」


 焔は、頭を俺の肩に、グリグリと押し付けて、雪は、膝枕を堪能していた。


 甘える二人を見て、どうしたものか、と考えていると

「ルークちゃん、ちょっといいかしらぁ……あら?」


 一番見つかってはイケナイ方に見つかってしまったのだが、様子がおかしい。


「渚ちゃんが言ってた、あの狐の子達ね、またお洋服を作るか買うかしないとね、ルークちゃんの従魔になる子は、可愛い子ばかりで、お母さん嬉しいわ」


 どうも、渚のお陰で助かったらしいので、後で持ち帰った材料を使い、御礼の品物を贈る事にした。


 その後、食事と風呂を終えて品物を作る作業を行い、ペンダントを作成した。

 藍白魔鉱石と黒曜石の指輪を錬金術で合わせて創ったペンダントで、裏側にはカランコエの花を彫刻した。

 渚は受け取り、微笑むと

「ルーク様、ありがとうございます。大事にいたしますね」

 とペンダントを着けて、喜んでくれていた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 〜これ自体が藍魔性石と碧眼魔水晶を竜胆魔鉱石の欠片で錬金術して完成する事がわかった。 錬金術してってところに引っ掛かりを覚えました 錬金術を使用して〜とかにすると自然かと思います […
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