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幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
2章-20 従魔レース開催
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冒険者達

「ん゛、ん~~」

「教授……そろそろ時間です」


 そんな男性の声に笑みを浮かべたまま頷くと、教授は転移陣を起動させ姿を消した。そして残された男にこう呟いたのだ。


『さようなら、憐れな道化師よ』


 その言葉を最後に辺り一面が炎に包まれたのだった。

 ━━━王都レシアスでは阿鼻叫喚の地獄絵図とかしていた。

 恐怖のあまりその場に留まる者、逃げ出そうとする者達で溢れかえり混乱を極めていた。そんな中でも冒険者達は冷静に行動し人々の避難誘導や魔物達との戦闘を行なっていた。


「おい!そっちは任せたぞ!」

「ああ、分かった」


 そんな言葉を交わしながら冒険者達は次々と魔物達を討伐していく。だが、無尽蔵とも思える数を抑えるには到底足りていない。


「クソ!倒してもキリがねぇぞ!」


 そんな声が聞こえた瞬間、新たな魔物達が姿を現す。


「おいおい……勘弁してくれよ」


 そう呟く冒険者だが、次の瞬間にはその首が宙を舞ったのだ。そして首を失った身体はその場に崩れ落ちるとそのまま動かなくなったのだ。

 その光景を目の当たりにした他の冒険者達は怒りに震え一斉に攻撃を開始するが、焼け石に水とはまさにこの事だろう。

 ただし、それでも彼等は諦めず戦い続けた。

 何故なら王都には守るべき者達が居るからだ。


「うぉぉお!!」


 そんな雄叫びと共に一人の冒険者が魔物達を薙ぎ払うと彼はこう叫んだのだ。


「てめぇら!俺達が何としても食い止めるんだ!いいな!?」


 レシアスのギルドマスター、ドレアムの物だ。その言葉に呼応するように他の冒険者達も声を上げたのだった。

 そんな様子に笑みを浮かべた教授は次の行動に移ったのだ。それは他の転移陣を起動すると同時に、その転移陣を起動させる事だった。


「さぁ……これで準備は整いましたね」


 そう呟くと教授は指をパチンと鳴らした。その瞬間━━━━━ 王都レシアスの中心に巨大な魔法陣が浮かび上がったのだ。そして次の瞬間には火柱が立ち上ったのだった。


「な!?何が起きた!!」

「竜よ……イヤァァ!!」


 そんな声があちこちから聞こえる中、一人の女性が悲鳴を上げる。それは先程冒険者達に指示を飛ばしていたドレアムの声だった。


「フレアドレイクだ!! アレは味方のようだ」

「本当か!?」


 ドレアムがそう叫ぶと、フレアドレイクは王都の上空を飛び回りながらブレスで次々と魔物達を焼き払っていく。そして冒険者達はその隙に魔物達との戦闘を再開したのだ。

『死せし英霊よ、今一度、黄泉帰りて守護者となせ』そんな言葉が響き渡ると、地面から次々とスケルトンが現れた。それはまるで召喚されたかのように次々と現れるのだ。


「死霊術師か!数があるのはありがたい」


 そんな声があちこちで聞こえ始める中、フレアドレイクは更に上空へ飛び上がるとブレスを吐き出したのだった。その威力は凄まじく魔物達が次々と焼き払われていく。そして冒険者達は勢いを取り戻し始めたのだ。

 そして、冒険者ギルドの前にある広場までの魔物達を片付けると、フレアドレイクはそのまま上空へ飛び上がり王都の外へ飛んで行ってしまったのだ。


「ふぅ……これで少しは楽になるな」


 そんな安堵の声が聞こえた瞬間━━━━━ 街の中心に巨大な魔法陣が浮かび上がったのだった。


「おいおい!今度は何だ!」

「まさか……転移陣か!?」


 そんな声があちらこちらから聞こえる中、一人の男性が声を上げた。


「あれは何だ!!くそっ!敵なら最悪だ!!」


 その叫びと共に冒険者達は一斉に行動を開始した。

 だが、心配はすぐさま安堵へと変化した。

 現れたのは巨大な大剣を二本背に担いだ男だった。


「吾が主ルークの名の下、助けに来たヴォーパルだ……」

「おい!あんたが来てくれたならもう大丈夫だ!」


 そんな声があちらこちらから聞こえる中、一人の冒険者が声を上げたのだ。


「いや待て!何か様子がおかしいぞ!!」


 その言葉と共に彼の視線を辿るとそこには信じられない光景が広がっていたのだった。

 なんと巨大な魔法陣が現れその中から次々と魔物達が現れたのだ。その光景は現状の悪化とも思える物だが、先頭を歩く人の姿を見て安心した者は多かった。


「山本五郎左衛門、百鬼夜行と共に推参ってな!!」


 元冒険者ギルドグランドマスターであり、数少ないSランク冒険者を育てた最強の男が叫ぶ。


「サンモトさん!来てくれたのか!?」

「ああ、だがこれは一体どうなってるんだ?その姿は一体……」


 ドレアムと共にそんな疑問を浮かべる冒険者達に山本はこう告げた。


「まぁ良い、話は後だ!!今は目の前の敵に集中しろ!!」


 Sランク冒険者である彼の言葉に納得した冒険者達は一斉に行動を開始したのだった。そして彼等の活躍により魔物達の勢いが徐々に弱まっていく……そんな時だった。

 再び魔法陣が鈍く光を放ったのだ。


「あの魔法陣も無尽蔵じゃねぇ筈だ!! 各個撃破を優先しろ! 陣は此方で始末していく」


 山本の言葉に冒険者達は頷くと、迅速に行動を開始した。

 何故、山本五郎左衛門が魔法陣について知ったのか、其れはルーク達の表彰が終わり、カミナがルークを連れて行こうとした所まで遡る。

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