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幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
2章-20 従魔レース開催
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選手救出

 俺は教員達と共にゲートに駆け込むと、モルテを喚び出した。

「モルテ!アーサーの下へ!!」

 そう命令すると、モルテは一気に加速しゲートを駆け抜ける。そして俺もその後を追ったのだった。

(これは……まずいな)

 洞窟コースに入った瞬間、目の前に広がる光景を見て俺はそう思った。何故なら巨大な岩石竜が暴れており、その足元には何人かの生徒と従魔がいるからだ。

(さて……どうするかね?)

 そう考えながらも俺はモルテを先行させる。そして、従魔達に攻撃が当たらない様に岩石竜に斬り掛かった。

「ルーク!?」

 アーサーの驚く声を聞きながら俺はモルテと共に岩石竜の前足を攻撃する。すると岩石竜の意識がこちらに向いたので、更に攻撃を畳み掛けた。

(さて……どうするかな?)

 そんな事を考えつつ攻撃を続けると、突然岩石竜の頭がこちらを向いたかと思うと口から魔力弾を放ってきた。


「させません!!」


 オーレルカ先生が、最小限の結界を作り出すと、放たれた魔力弾の軌道を逸らす。

 続け様に大きな岩が岩石竜の頭に直撃した。

 その放たれた先を見るとダルガイア先生が岩石を作り出し投げ続けている。


「ルーク!アーサー!!今のうちに!!」


 そんなオーレルカ先生の叫び声に俺は頷き、モルテと共に岩石竜のから逃れている生徒を守りながらゲートに誘導していく。

 アーサーもボルクと共に撤退すると、雲水先生が巨大な鎖鎌を使い岩石竜に攻撃を繰り出す。


「ハァ!!」


 そんな叫び声と共に岩石竜に鎖鎌が巻き付き、その巨体を拘束した。


「今だ!逃げろ!」


 雲水先生の声に促され撤退する選手達全員が無事に抜け出す事が出来たが、それと同じく拘束も外れてしまった。

 そんな中で俺は落ち着いていた。

 何故なら近くに知った魔力があったからだ。

 その魔力の持ち主は天井の穴から飛び込むと、腰の得物を引き抜き岩石竜の首へ一閃の斬撃を放つ。

 その一撃は岩石竜の首を切断し、岩石竜はその巨体を地に沈めたのだった。


「ふむ、コレで依頼は達成か……なんだ?」


 飄々と得物の血を拭いそう言い放った魔力の持ち主はカミナだった。


「カミナ!!」


 俺がそう言うと、カミナはこちらに顔を向けた。そしてニヤリと笑みを浮かべるとこう言ったのだ。


「朝食ぶりだなルーク」


 そんなカミナを見て俺は苦笑いを浮かべるのだった。


(しかし……相変わらずだな)


 そんな事を思いながらも俺はアーサー達と共にゲートから脱出すると、他のコースで残っていた選手達も続々と脱出してきていた。


『さて!波乱の幕開けとなったレースですが、無事に全員が脱出したところでレースは終了となります!皆様、此の洞窟コースに関しましては、途中結果を元にエネオス選手と次点でアーサー選手を代表とします』

 実況がそう言うと、ゲートからエネオスとアーサーが出てきた。


「ルーク!無事か!?」


 そんなアーサーの言葉に俺は頷く。すると他の選手達も続々とゲートから出てきたので、オーレルカ先生の指示の下怪我人の治療が行われた。そんな中でカミナは岩石竜の死骸を収納する準備を始めていた。


「カミナ、岩石竜の死骸はどうするの?」


 そんな俺の問いにカミナはこう答えた。


「ん?ああ、コイツか……確か魔獣の素材は買い取って貰えるんだったな?」


 そう言いつつニヤリと笑みを浮かべると、収納魔法を使い岩石竜をしまう。そして俺の方を向くとこう言ったのだ。


「さて……ルークよ」


(なんだ?)


 俺がそう思っていると更に続ける。


「この後の予定はどうなっているんだ?」

(予定……?)


 本来ならば決勝戦は翌日になる為、今日はこれで解散となる流れだ。


「確か、明日が決勝戦で今日は自由だったと思うけど?」


 俺がそう言うとカミナはニヤリと笑みを浮かべこう聞いてきた。


「そうか……なら少し付き合え」

(付き合うって……何処に?)


 そんな俺の疑問に答える事無くカミナはそのまま歩き始める。そんなカミナの後を俺は追うと、アーサー達も付いてきた。そして俺達がやって来たのは学園の闘技場だった。

 観客席には殆ど人が居らず閑散としている為か、そこには何故か教員達の姿もあった。


「さて……ルークよ、早速だが模擬戦をしよう」


 そんなカミナの一言に俺は驚く。


(いやいや、何でそうなる?)


 俺がそう思っているとアーサー達も驚きの声を上げた。


「え!?カミナさん!?」


 そんなアーサーの声にカミナはニヤリと笑みを浮かべるとこう言ってきたのだ。


「なぁに……ちょっとした腕試しだ」そう言いつつ腰にある刀に手を添える。

 そんなカミナを見て俺は苦笑いを浮かべたのだった。

 結果として、10合打ち合う流れで話は纏まるのだが、俺は更に岩石竜の肉の調理をさせられる事になったり、岩石竜が何故あの場所に居たのかを冒険者ギルドに依頼する事になったりと、かなり異例なレースになったのは言うまでもない。

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