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幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
2章-1 新たなる季節、学院生活の準備
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魔剣市場

【フューネラルデ・サンバリュー商会魔剣市場】


「「おぉ!!凄い(な)」」


 俺と父様は、魔剣市にやって来ていた。

 商会の販売用の馬車等が置かれていたスペースも、全て魔剣や魔杖等を売る商人達で埋め尽くされていた。


「中級魔双剣あるよ!!」


「帝国領のダンジョン産魔剣、神龍皇国領のドワーフ産魔剣もあるぞ!!」


 様々な声が飛び交い、すれ違う中を俺は歩く。


「「アラ、御二人ともいらっしゃいませ」」


「おはようございます、フューネラルデさんサンバリューさん」


「今日は魔剣市を見に来たが、凄い数の魔剣だな」


「えぇ、我が商会の各店舗から、代表して出しているのと、有名商人の個人売りがメインになっているワ」


「中には掘り出し物もあるみたいネ」


 受け付け作業をしながら、会話をしていると


「ハイ、これが参加者の登録リング」


 父様と俺にリングを渡した。


「これは?」


「簡単に言うと、防御結界付の位置確認装置ヨ、魔剣を扱うなら対策も必要でね、この鍵がないと外れないのと、犯罪行為をした際に、結界で拘束できる様に作って貰ったのよ。」


 と言っていた。


 登録リングを装着して、俺と父様はそれぞれ見て回る事になった。


 暫く見て歩くと、気になった店舗があった。

 商品に値段がなく、見た目もガラクタの様な物が並んでいた。


 その中で、一つ気になった物があった。

 昨日、俺が創り出した魔剣と同じ形で、重さも変わらない一降りのタルワールがあった。


『鑑定』を使用すると、何とか読める文字が刻まれたかなり古い物だった。


 持った瞬間、アグニシャガが共振し出した。


「ほぅ、それに対して何か気になったか?」

 店の店主が、俺に声を掛けた。


「気になったので見てました、値段がありませんけど、いくらですか?」


「何故気になったか教えてくれないか?」


「俺の魔剣がこいつを持った瞬間、共振したんです」


 店主は目を丸くし、驚いた顔をした後に深く被った帽子を取り素顔を表した。


「そうか、共振したか……坊主、名は?俺はゼノンだ。ゼノさんと呼べ」


 その素顔は、商人と言うより貴族、それも最近見た、陛下達の様な気品さがある30代の男性だった。


「ルークです」


「ルークだな、お前にその魔剣を譲ってやる。その代わり、もしその魔剣が力を取り戻したら見せてくれないか?今のそいつは本来の姿では無いから」


「わかりました。何時になるかわかりませんが、力を取り戻したら見せに行きます。その時は、どこに行けば良いですか?」


「俺は神龍皇国に住んでいるから、その時が来たら、こいつを教会の前にある宿の主人に渡してくれ、そしたら会える」


 ゼノンはそう言って、青い結晶を渡してきた。


「え?」


 受け取った結晶を、異空間収納に入れて前を見た瞬間、そこにはただの空き地しか無かった。


 ━━━━━━━━━━

「あれが、ジーク達の話していた子供か……人の子が持つ力ではないぞ、旧神の加護を持つとはな、まあ良い…あの様な聖なる輝きの魂なぞ初めて見た。悪意を持つ者でないなら俺は手を出す必要は無いしな……次に会えるのが楽しみだ。そうは思わんか今は亡き友(リヒト)よ」


 ゼノンは懐かしそうに昔の友人の名を呟いた後、空間を飛び越えた。

 ━━━━━━━━━━━

 狐に化かされた様な出来事の後、俺は受け取った結晶と魔剣を見て、現実だと理解した。


 他の店舗を見回ったが、特に良いと思った物は無く、リングを返しに商館に戻った。


 父様は、既に戻って来ており、双剣を一組持っていた。


「ルーク、戻ったか何か良いのはあったか?」


「はい、とても良い物が手に入りました」


「アラ、ルークちゃんは何を買ったのカシラ?」


「これを貰いました」

「「「………」」」


 譲り受けた魔剣を見せた途端、三人はそれぞれ反応が違った。


「魔剣…かなり古い物だが…駄目だな、俺の鑑定は弾かれるな…」


「これ商品登録されて無いワ」


「どこで貰ったノ?」


「西側の赤い屋根があるテントの先です」


「そこは今日空き地のはずなのヨ、店主の名前とかわかるかしラ?」


「ゼノンと名乗っていました。後はこの青い結晶を貰いました」


 俺は、ゼノンから貰った青い結晶を見せた。


「神龍皇国産のアズライトクリスタル!?」


 驚いた三人の顔を見た俺は、厄介事の気配を感じた。


「ねぇ、サンバリュー?」


「えぇ、間違いないワ、フューネ」


「本物か……またか…ルーク、頼りなさいとはいっても、行き過ぎた事は対処できんぞ」


「???」


 何が問題なのかわからないので不思議に思ったが、父様の次の言葉は、分かりやすかった。


「これは、おそらく、神龍皇国レスティオの龍帝ゼルガノン・セム・レスティオ様の持つ魔剣の一つだ」


「何でそんな物がこんな状態になっているんですか?」


「何でこんなボロボロなのかはワカラナイ、でも多分この魔剣は、ゼルガノン様の持つ魔剣の中でも最も古いとされている【魔剣 レヴィアシェル】だと思われるワ」


「初代レシアス王が創ったとされる魔剣ヨ」


「神龍皇国は龍人族が暮らす国だからな、そもそも長寿の種族だ、初代レシアス王の創った魔剣を持っていてもおかしくはない」


 譲り受けた魔剣が、とんでもない物だと言う事だった。


 こっそり鑑定をすると、確かにレヴィアシェルだった。


【魔剣 レヴィアシェル】

 本来の力を失っている。それ以外の詳細不明


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― 新着の感想 ―
[一言] 【魔剣 レヴィアシェル】本来の力を失っている。それ以外の詳細不明 直せるものが、自国にいなかったので、ただで直させ、持ってきたところを取り上げるつもりでは、ないでしょうね。悪辣過ぎる予想か…
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