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幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
2章-1 新たなる季節、学院生活の準備
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魔剣

 翌朝、朝食を食べた後、俺は温泉館からラーゼリアの屋敷に戻った。


「ルークちゃん、お帰りなさい、魔力枯渇したって聞いたけど、無理してないのね?」


「ルーク、楽しめてるか?無理だけはするなよ、今の所は何でも出来るようだが、まだ5歳の子供なんだ、頼りないかもしれんが、何かあれば言ってくれ」


 屋敷に帰って直ぐに両親から心配の言葉を掛けられた。


「心配させて、ごめんなさい。無理はしないようにします。父様も、頼りないとか言わないでください、僕は尊敬しているんですから」


 流石に心配させたのは申し訳なく思い謝罪を行った。


「「ルーク(ちゃん)」」


 二人は俺を優しく抱きしめてくれた。


「失礼します、ルーク様、王都魔術学院からの封筒が届きました」


 昼を過ぎ、のんびりしていると、ライザがやって来た。


 手には封筒を持っており、俺宛ての物だった。

 内容は、入学試験の書類と白紙の受験票の二つが入っていた。


 入学試験の準備について登録をする必要があったので、登録の準備を始めた。


 受験票と説明用紙を見ると、不正を防ぐため、受験票に髪の毛を置き、魔力を流す様に書かれていた。


 髪の毛を一本抜き、魔力を流すと受験票に髪の毛は吸い込まれて行くと、光を放ち受験票が、様々な色に変化する。

 受験票の色が再び、白くなり見ると髪の毛を置いた面に、魔術学院の紋章、名前と受験番号が表記された。


「受験番号は5か」


 俺の番号は5番と受験票に記載された。

 書類を確認すると、色々書いてあったので、まとめると次の通りだった。


 ◎受験者は、受験の際に、それぞれの番号に従い移動を行う事


 ◎受験者は、各試験終了時に、担当教官へこの受験票を渡し、次の試験に移る事


 ◎試験開始日時の厳守

(ノームの一月目 貴族入学希望者:入学試験日 シルフの二月30日または、シルフの三月1日)

 午前7:30までに受付で登録する事


(ノームの二月目 一般入学希望者:入学試験日 シルフの三月30日または、ウンディーネの一月1日)

 午前7:30までに受付で登録する事


 と書いてあった。


 こちらの世界は、アーティファクトや、他の世界の異物が時々流れて来る為、時計や眼鏡のレンズなどは、ある程度、普及していた。(地域によっては、値段が高い為、鐘を定時で打って鳴らす所もある)


 大半の準備が終わったので、空いた時間に以前創った装備を強化(創造+錬金術)を行い、相棒の『深紅の魔爪(クリムゾン・ネイル)』の改造を行う事にした。


 装備強化は、一時間で終わり、改造を開始した。

 使うのは、藍白魔鉱石(アニールブラン鉱石)

 と蒼月(ブルームーン)魔鉱石だ。


藍白魔鉱石(アニールブラン鉱石)

 魔力の親和性を高め、魔力浸透率を上げる特殊な魔鉱石。

 相反する属性も纏める事が出来るが、制御にかなり高い技術が必要になる。


 まずは、この二つと深紅の魔爪を合わせて一降りの魔剣を創る。


 形はそのまま、タルワールの形状で創り直す事にした。


 魔剣の元の色は深紅であったが、二つの魔鉱石を合わさせて、作成したインゴットの色は、綺麗な竜胆色のインゴットになった。


【竜胆魔鉱石】

 竜胆色の魔鉱石、魔力の親和性と対魔力が異常な程高く、魔力鍛造を行い創った物は、破壊が難しい強度と軽さも合わせ持つ。


「よし、これなら火力を上げれるな」


 そう思いタルワールの作成に取り掛かる。


 想像した形を創造していく…魔力を徐々に増やして形を成していく。


 数時間後、一降りのタルワールが完成した。


 刀身は、薄い青紫色の片手剣だが、魔力を流すと、徐々に刃先が青白く輝き、焔を纏う。


 青い炎は、試し切り用の鉄鋼板を、何も無かったかの様に斬る。


 魔力を流さず同じ様に振ると、少し金属音がして難なく斬る事が出来た。


 この魔剣は、炎、風、雷の魔刄と相性が良く、他の属性は、イマイチ効果が薄い感じがした。

(とはいっても中級魔剣レベルはある)


 まだ時間が余ったので、対になる魔剣を作成しようとした時、窓に一羽のフィンバードが止まり木に居た。

 足に紙を結んでいた為、外して広げるとそこには、こう書かれていた。


『シルフの二月23日から26日まで、魔剣市開催、ダンジョン産の物から、エルダードワーフの打った一品物まで、様々な魔剣が購入出来ます。詳しい詳細はフューネラルデ・サンバリュー商会へ』


 内容を見た瞬間、俺の明日の予定が、決まった。


 早速資金の確認を行う。

 現在の手持ちは、大金貨6 金貨5 銀貨5枚


 ギルドの口座に入っているのが、先月の売り上げで、白金貨2枚と大金貨8 大銀貨1枚分だった。


 フューネラルデ商会の、新たなドレッシングとして売り出され、今までの物よりも更に美味しさがパワーアップしたドレッシングであったため、たった数日で人気商品になったそうだ。


 今の残金 白金貨3枚 大金貨4 大銀貨1 銀貨5枚分。


 俺は、冒険者ギルドに向かって、口座から全額引き出すと、そのまま異空間収納に入れてから、ラーゼリア家の屋敷に戻った。


 そして、両親に明日はフューネラルデの魔剣市の話しを行い、見に行く事を伝えると、グランツ(父様)と一緒に行く事になった。

 他の家族は、それぞれ


 カイン兄様 ⇒ アメリア義姉様の所に行きデート


 ルシアン兄さん ⇒ アイネさんの所で魔術の勉強


 トリアナお母様 ⇒ 俺の温泉館にカミナ達と入浴

 といった予定になっていた。


 カイン兄様に関しては、プレゼントを買うので商会へ来るらしい。


 俺は、明日の魔剣市を楽しみにして、ベッドに入るのだった。


 因みに、何故か今回作成した魔剣は、鑑定した際、既に名前がついていた上に詳細不明と出た。


【魔剣アグニシャガ】

 詳細不明

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― 新着の感想 ―
[一言] 温泉には、入れるよう完成したのだから、両親を招待してあげたら良かったのに。
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