表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
2章-17 祖父母との初顔合わせ
361/457

バーミスト領での最終日

 ゾフィアさんは、元々家族が薬師で、自身も手伝いを行える程度の簡単な薬を作っていたらしい。

 その頃に立ち寄ったバーミスト領が気に入り、引っ越して来たそうだ。

 その頃に、ゾフィアさんがユーディットお祖母様の近所に引っ越し、友達になったらしい。

 しかし、数年後にゾフィアさんの家族が流行病で亡くなった。

 その時に、ゾフィアさんも流行病を患っていたが、両親が残した試験薬を飲み続けた結果、病は治ったが体組織が変質してしまったらしい。

 そんな中でも、ユーディットお祖母様がゾフィアさんの家を訪れて、色々と面倒を見た事が切っ掛けで、ゾフィアさんはユーディットお祖母様と友達から親友になったという。

 お祖父様との出会いも、その頃に領地の視察をしていた際、ユーディットお祖母様と一緒に魔物から護られてといった内容だった。


「成程……でも、どうしてお祖父様はゾフィアさんを好きになったのに、ユーディットお祖母様と結婚したの?」

「それは……彼女が年を取らない……取れないが正しいか。それを理由に振られ続けたからだ」

「えぇ。私は不老不死じゃないけれど、普通の人間よりは長生きする身体に成ってしまったし、子供が産めない身体にも成ってしまったからね……多分、二人は私を遺して逝ってしまう。そして、子供や孫が産めたとしても、見送る側に成ってしまったら……そうしたら、私の心は間違い無く、死んでしまうもの」

「……」

「あぁ。ワシはそれでも構わなかったんだが、ゾフィアそれは駄目だと言って拒んだんだ。そして、ユーディットもワシに話を持ってきた」


 ザリウスお祖父様曰く、最初は自分の気持ちを伝えていたが、徐々にゾフィアさんは自分が居なくなった後の事を考えて、結婚出来ないと断ったらしい。

 そして、それから世継ぎが居ないのも駄目だと言う事もあり、ユーディットお祖母様の家から婚姻の話が出たそうだ。


「それで、結局ユーディットと結婚したのよね?」

「うむ。だが、最初から後悔しておらんよ。グランツが産まれたのもあるが、ユーディットには色々と感謝しているからな」

「フフ……私も同じよ。アナタと結婚して、本当に良かったと思っているわぁ」

「そうか……」


 二人の夫婦愛を垣間見た気がするが、俺としては少しだけ気恥ずかしかったが、同時に、こう在りたいと言う理想的な夫婦だとも思った。


「さて、そろそろ帰るぞ!……ん? ルークどうしたのだ?」

「いえ、何でもありません!」


 それから話を聞いていたのだが、バーミスト領は一夫多妻制を行っていないと言う事もあったらしく、もし一夫多妻制を行っていたとしても、子供が産めない上に不老の身体になってしまった為、ザリウスお祖父様に迷惑を掛けてしまうと思ったらしい。


「ふふふ、ザリウス君。ユーディットは、貴方が思っている以上に、貴方の事を愛してるのよ?」

「うむ……分かっておるよ」

「あらあら? 随分と素直ねぇ?」

「ふん。お前こそ、後悔しても知らんからな、今のワシはユーディットを愛しておる。初恋はお前だったが、今は思い出だからな。それに、ルークの事も孫として可愛く思っておる」

「はい! 僕もザリウスおじい様とユーディットお祖母様が大好きですよ!……ところで、この魔導書って何なんですか? お二人共知っていたみたいですけど?」


話も終わった所で、俺は先ほど貰った魔導書について尋ねたのだが、ザリウスお祖父様は首を横に振り、ゾフィアさんは微笑みながら教えてくれた。


「この魔導書はね、様々な魔法陣が描かれた本なのよ。ただ、描かれているのは古代文字で書かれているから、今の人では読めないし、そもそも存在すら知らない人が多いと思うわ」

「そうなんですね」

「えぇ。この本に描かれている魔法陣は、本来なら私が解読する予定だったものだけど、残念ながら解読出来なくて、使えなかったのよぉ。だから、ルークちゃんが使っても良いの」


ユーディットお祖母様は、解読が出来無いと言っていたが、俺の場合スキルを使えば読めるかもしれないと思う。

もし、安全な物であるならば、披露しても良いだろう。


「ありがとうございます。大切にします」

「うむ。大事にするんだよ?」

「はい。それと、ゾフィアさんもありがとうございました」

「いいえ。また何かあったら、いつでも相談に来てね?」

「はい。その時はよろしくお願いいたします」

こうして、俺は目的の本と予想外の魔導書を貰えた。

「よし! 早速帰って試したい事があるんだけど良いかな!?」

「あぁ、構わないとも。ユーディットもそれでよいか?」

「そうね。じゃあ、帰りましょうかぁ?」

「それでは、此処でお別れですね。ルーク、ザリウス様、ユーディット様ありがとうございました。ザリウス様から教えて頂いたお店は、明日にでも訪ねさせて頂きます」

「まぁ、厄介な品は特別な店にしか許可を与えて居ないからな。そこなら渡した手紙で取引する筈だ」

「ギルバート、またな!!」


そうして、ギルバートと別れ俺達はお祖父様の屋敷へと戻る事になった。

屋敷に戻ると、既に日が暮れていたので夕食を済ませてから、自分の部屋に戻ろうとした時だった。


「ルーク、ちょっと話があるから私の部屋まで来てくれるかしらぁ?」

「はい。分かりました」

ユーディットお祖母様に呼ばれ、部屋へと向かう事に。

「失礼しま……す」

「あぁ、来たか。そこに座りなさい」

「はい」


中に入ると、お祖父様が椅子に座るように促してきたので、そのまま腰掛ける。すると、向かい側に二人が並んで座った。


「さて、今日はどうだったかしら?楽しかった? それとも疲れたのかしら?」

「はい。とても充実した一日になりました!」

「ふふっ。それは良かったわぁ……此処は遊ぶ場所が殆ど無いし、子供が喜ぶ物も少ないから、退屈させてしまったんじゃないかと思ってたのよ?」

「そんな事無い、どちらかと言うと、鍛錬も魔術教養も錬金術に彫金、色々したいことがあるから、そういう本を読み漁るのが好きだから、お祖父様の書庫も楽しいです」

「うむ。そうかそうか」

「そう言ってくれると嬉しいわねぇ」


俺の言葉を聞いて二人は嬉しそうだが、俺としては嘘偽りの無い言葉だ。


「さて、ルークが楽しんでくれたのなら良かったが、明日はワシ達全員で一緒に皇都に行くぞ?」

「え? どうしてですか?」

「お祖父様がルークちゃんに、会わせたい人が居るのよぉ?」

「お祖父様が会わせたい?」

「うむ。ワシの友人なのだが、ルークにも一度紹介しようと思っての」

「そうなんですね……どんな方なんですか?」

「一言で言うならば、変わり者だが悪い奴ではない」

「ふふ……ザリウス君、その言い方は酷いんじゃなぃ?」

「むぅ……確かにな。しかし、本当の事だろう? 良く言えば一途、悪く言えば頑固。興味が湧けば四六時中引き籠もって、飯も食わずに作業に没頭する。変わり者と言わずに何と言うのだ?」

「フフ……ザリウス君は、昔から彼に厳しいからねぇ。でも、彼のお陰で私も助かった事が何度もあるから、感謝しているのよ?」

「ふん……お前は優しすぎるのだ。それで、何度騙されたか……」

「あらあら、ザリウス君の嫉妬ね? 大丈夫よ。私は貴方のものだからぁ」


二人の会話を聞く限りだと、お祖父様のお友達は相当な変人らしい。


「あの、僕が行っても良いんですか?」

「あぁ。ルークには是非とも紹介したいのだが、嫌なのか?」

「いえ、ただ、僕がお邪魔しても迷惑じゃないかと思いまして」

「何を言っているんだ。ルークは孫なんだから、遠慮する事は無いだろう?」


面白そうな話ではあるし、アーサー達との約束の日はもう少し先だが、一足早く向かうのも悪く無いだろう。


「はい! ありがとうございます! では、明日の朝出発しますね?」

「うむ。では、朝食後に迎えに来るとしよう」

「はい! よろしくお願いします!」


こうして、俺は明日からバーミスト領を離れて、皇都に向かう事になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ