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幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
2章-12 領地開拓の為の準備
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思わぬ拾いもの

【ルークの屋敷 錬金術部屋】


「ここを詰めて━━良し、次は、コレだな」


 テストが終わり、今日は休みの日だったが、俺は、朝から魔導具を弄っていた。


「休みなのに何を朝から作っているのだ?」

「おはよ、カミナは今からギルド?」

「あぁ、定期的に討伐依頼が指名で入るのでな。今回はカンテボの街からだ」

「あぁ、あそこか」


 カミナは、学院に通う俺の代わりに影狼のランクの維持や、本来なら俺が、しなければならない手続きを引き受けてくれているので、大変に助かっている。


(まぁ、食事とブラッシングが報酬代わりだから、何とも言えないけど)


「今日は泊まり?」

「いや、日帰りで帰ってくる。ギルドの方には、帝国領のクラーケン討伐依頼に向けて準備を始めると伝えたから、今日だけの仕事だ。何、天界経由なら5分も要らん」

「また、チートみたいなズルい事をする」

「特権は使わねば損だぞ?」

「はいはい、所で、討伐依頼って何を狩るの?」

「畑に現れるゴブリンの討伐だ。序に巣の発見と間引きだな」

「また懐かしい名前だな?」

「だが、巣穴は宝があれば、ダンジョン攻略よりも面白いぞ」

「……悪趣味な」


 ゴブリンといえば、醜悪な見た目で知恵が回る個体もいれば、脳筋の様な個体も居る。繁殖力が高く、総じて人を襲い女性や子供を攫う所までは、共通の存在だ。

 この世界で違うのは、攫った後の行動だろう。

 女性の場合は言わずもがな。そして、子供に至っては貪り食う為に攫う奴等にとっては餌でしかない。

 だが、奴らは殺す過程で、自らの衣服に血を染み込ませ誇示する様な行動を行う為、赤帽子(レッドキャップ)へ進化する過程での行動では無いかという人も居る。


 そして、この世界のゴブリン達は、穴を掘るのが上手い。その為、しばしば大きな鉱脈に当たる事もあるから、ワザと完全な殲滅をしない地域も在るらしい。


「心配せずとも大丈夫だ。今回は、別のチームが取り零した残党狩りの様なものだからな、それ以外に死に穴の調査をするだけだ。面白いものが見つかれば、持って帰ろう」

「期待しないで待ってる。はい、今日のご飯」

「うむ、渚の飯も美味いが、やっぱりお前の飯が一番好みだ」


 カミナはそう言うと、姿を消した。どうやら、本当に天界に行った様だ。


「さて、俺もコレを完成させますかね」


 再び魔導具に手を付けるが、今回の魔導具は売り物では無い。


「……緋緋色金とミスリルが魔力の反発するかと思ったけど、対魔力も意外と上手い具合に馴染むんだな?」


 魔力を通しやすくするミスリルと、対魔力の塊の緋緋色金。作用が違う為、馴染みが悪いかと思ったが、緋緋色金の量が少ないのもあってか、そこまで相性が悪い訳ではなかった。


 出来た物をよく見ると、所々薄っすら紅色を纏わせた青銀色の製錬魔鉄が完成していた。通常なら、インゴットに整形したりするのだが、量が少ない為、そのまま加工して行く。


 此処から先の作業は、ハンディライト(コッチの世界ではハンドライトで売ったが)を作っていた時とあまり過程の変化は無い。違うのは、“核”だ。

 神珠の欠片を核として扱うのだが、それだけでは無く、以前ノートリアスのアジトで手に入れた勾玉━━()()()()()を、力を纏める補助として利用する事にした。


 この世界に()()()()()()()()()が発現し、此方でも霊の存在が分かってしまう様になった。

 まぁ、それ自体は問題ないのだが、この霊力、どうやら他の力と違う様で、特性の1つとして現れたみたいだ。


 学院の図書館で見た本で知ったのだが、この世界には特性と呼ばれる能力開花が在るらしく、これは何時、どうやって、何が原因で起こるのか解らないらしい。


 他にも見える人がいるらしいが、それ自体さほど珍しくも無く、魂を見分ける能力に付随する物で、死霊術師や巫女と言った人が持っているが、視えるだけの能力だ。


 俺の場合、会話や手に霊力を纏わせれば触れる事も出来る。その上で、霊体に直接干渉する事が出来る為か、ゴースト等の死霊系統の魔物や魔獣を、問答無用で天界に送れるオマケが付いていた。


 要は、霊的存在に今後は苦戦する事無く戦える能力を手に入れたらしい。

 そこで、霊力を使った戦闘も視野に入れた武器を作っているのだが、当初は弾にして撃ち出すつもりで居たのだが、他の魔弾と違い威力減衰が離れる程に大きくなり、最後はただの弾でしか無かった。


 最大でも放って60cmが限度で、結果として無手か魔刃の様に武器に纏わせるのが一番高い威力だった。

 そこで考えたのは、収束させて密度を上げた霊力自体で斬り裂く事。


「試しに起動してみるか……」


 霊力を持ち手に纏わせ、神珠と勾玉に霊力を溜める。

 薄っすらとした透明に近しい光が、レンズの位置から刀の刃の様に(イメージ通りに)伸びている。そのまま触れてみるが特に触れられる物では無い様だ。

 試しに霊力を手に纏い触れると、形に合わせて触れる事が出来た。触った手の霊力が消えてしまったが。


「次は、鎧だな」


 次は、適度な強度に作られた鎧と兜を、霊力を込めた低級魔石と共に、それぞれ台座に置いて試し斬りを行う。上手く行けば、中の魔石だけが破壊される筈だ。


「すぅ……シッ!!」


 一息おいて頭部から胴部に向い縦一閃に振り降ろす。予測通り、鎧や兜に傷も無ければ破損も見られないが、中の魔石はどうだろうか? ━━そっと鎧と兜を台座から外し中身を確かめる。


「……あれ? 割れてない?」


 中の魔石は無傷のまま存在していた。━━霊力のみが掻き消された状態で。


(つまり、霊体のみを斬り裂くのか、若しくは消失させているのかも知れないな)


 そのまま霊力のみを霧散させ、魔力と神力を別個に試したが、神力は淡黄色の刃、魔力はそれぞれの属性に近しい色味を帯び、コチラは難無く鎧と兜を切り裂く結果と成った。


 結果として切替可能なビームサーベルとも呼べる武器が完成した。けれど、コレをヴェストリ先生に提出したらなんと言うだろうね?


 なんて事を考えながら、他の課題とポーションの作成を始め、渚の昼食を食べた後から本格的に集中し、気が付けば夕方に成っていた。


「そろそろカミナも戻ってくる頃だろう」と渚達と話していた矢先、「今戻った」と聞き慣れた声が聞こえた。

「お帰り」といいに向かったカミナの腕には、見覚えの無い毛布が抱かれて居た。どうしたのか聞こうとした矢先、カミナはバツが悪そうな顔をして一言。


「すまん、拾って来た」


 そう言って包まれた毛布を渡してきたのだが、中を見た瞬間俺の頭の中は考えるのをやめた。


「魔獣の子供? 何コレ、メッチャ可愛い!?」


 毛布の中に居たのは、全身がモコモコとした毛で覆われた見たことの無い魔獣の子供だった。


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