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幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
1章 -2 呪術人形と勲章と
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【産地直送】商会と提携する事になりました【sun値直葬】

 翌朝、フューネラルデ・サンバリュー商会へ向かう準備が終わったので、デービルさんに着いていき、用意してくれた馬車に乗ろうとした時にデービルさんが一言。


「ルーク様、誠に申し訳ございません。商会へ向かうのですが、……お嬢様方にバレましてご一緒する事になりました」


「フューネのお店に行くのでしたらぁ、私達も小物の新作を見に行きたかったので、ご一緒させていただきますねぇ、ルーク君」


「許可が有るなら構いませんよ、ソフィアさん」


「もう、呼び捨てで構わないのですよぉ」


「そうですわ、ルーク様とは知らない間柄でもありませんのに、あくまで一人の女性として扱って下さいませ、私達は皆そう思っていますわ」


「「「ねー」」」


 こうした女性の強さは、前世から共通するものがあるので、ルークは諦めて、商会に出すソースを確認した。


『ケチャップ』『マヨネーズ』『シーザードレッシング』今回の商品はこの3点で行く事にしている。


 本当ならウスターソースや和風ドレッシングを作りたかったのだが、この世界に醤油や味噌が有るのかわからない事。


 有ったとして金額がどれくらいかと言った不安材料しかないので、商会で話を聞いて安ければ作ろうとも思っていた。


 馬車を走らせてから約10分くらいで、目的地に到着した。


 《フューネラルデ・サンバリュー商会王都本店》と看板が入り口の横に立て掛けてあり、中に入ると馬車や馬の商品等がある場所や、大型の竃を置いたスペースがあった。


 そして、魔鉱石や珍しい素材のバザーも開かれていた。

 待ち合わせの時間まで余裕があったので俺は、少し見ていく事にした。


「凄いな!この馬車サスペンションがしっかり付いてるし、荷物も乗りそうだ。…おっ!!この魔鉱石は視たこと無いやつだな…『鑑定:月虹水晶(げっこうすいしょう)品質:最上級』安いし買っておこう、おっちゃんこの月虹水晶(げっこうすいしょう)の塊一つね、大銀貨4枚」


「丁度だな、落とすと危ないから箱にいれる。少し待て……ほら落とすなよ」


 少し仏頂面な白髪の商人から品物を受け取ると約束の20分位前に建物の入り口に戻った。


 ━━━━━━━━━━━━━


 ルークが買い物をしている間、三人の王女とデービルは、建物内のテラスでお茶をしていた。


「あらあらぁ、何時も冷静なルーク君も男の子なんですねぇ、はしゃいでる姿を初めて見ました…うふふっ」


「ルーク様は錬金術を行われておりますから、ああいった素材には目がないのでしょう」


「はぁ~、魔術を創る錬金術も行うって、初代のレシアス王みたいですわね、(わたくし)のお母様が「絶対にものにしなさい」と言われたワケですわ」


「セラス叔母様、初代様の伝説好きですものね」


「えぇ、私の所はお母様も御父様も賛成してくれましたから、何も問題有りませんわ。むしろ御父様から勧められたくらいですもの」


「良いなぁ、ワタクシの所はお母様とお爺様達が賛成してくれて、御父様達は何も言って来なかったんですの」


「私の所はぁ、御父様以外全員賛成でしたわぁ」


「ソフィア様、レイ様はそろそろ子離れしなければならないので、これで良いのです。えぇ」


「「アラァ、アノ子が王女様達の王子様なのねぇ」」


「あら、お邪魔してるわよ、フューネ、サンバリー」


「構わないのよぉ、今日は何を求めに来たのかしら?」

「小物の新作か、新しいドレスかしら?」


「「「全部見せてもらえる?」」」


「「えぇ、モチロンよ」」

 店主の二人は笑顔で頷き、お互いに品物を異空間から取り出す。


 そして、丁度出しきったのと同じくらいに、ルークがサロンに入って来たのだった。


 ━━━━━━━━━━━━


 俺は最初に自分の目を疑った。

 テラスで、お茶をすると言って離れた4人の所に戻ったのだが、そこにはピンクと白のゴスロリ服を着た、二人の身長が恐らく2.5~3mくらいあるスキンヘッドで筋骨隆々な同じ顔の大男がオネエ口調で話をしていた。


「おや、ルーク様戻られましたか」


「はい、此方のお二方は?」


「フューネラルデ・サンバリュー商会の拳神フューネラルデ・ラマンとサンバリュー・ラマンです」


「「マァ、カワイイ!!家に持って帰りたいワ」」


 近くまで二人の同じ顔が迫り、頬擦りするかしないくらいの距離まで近いてきた際に、威圧を感じ一瞬気を失いかけた。


 そして、俺はふと思い出した。


 フューネラルデ・サンバリューをスペイン語の表記にすると 〔funeral de san value〕⇒

 サン値の葬儀⇒sun値直葬になっていたのだ。


 店の見える範囲を改めて確認する。

 ルークが買い物をした店の反対側には、店主と同じ様に、ゴスロリでは無くフリル付きエプロンなどを着た、同じ筋骨隆々な男達がいた。


 そして、この二人は冒険者の中でも、恐れらている上位Sランクモンスター、ヒュドラを素手で討伐した、『拳神』の異名を持つ冒険者でもあった。


「アラァ、本当に凄いワネ、私達の威圧に耐えきれたワ」


「普通なら、気絶する位の威圧をかけたつもりなのにネ」


 二人は、ルークから離れると頭を下げて、改めて挨拶をした。


「「この度は、私共の商会にようこそいらっしゃいました。」」


「アタシが本館担当、フューネラルデ・ラマン。巨人族の末裔ヨ、担当はこの商会全般ネ」

「ワタシが別館担当、サンバリュー・ラマン。奴隷や従魔等の担当ヨ」


「「宜しくお願いいたしますワ」」


 二人の挨拶が終わり、俺はデービルさんを見た。


「申し訳ありません、お嬢様達がルーク様の実力を試してみたいと言う話になりまして」


「成る程ね、わかりました。宜しくお願いしますフューネラルデさんとサンバリューさん」


 状況が分かったので、そのまま商談に移る事にした。


 そこからはスムーズに行う事が出来た。

 今回のソース三種は好評で、一般家庭用と貴族用の二つを売り出す形となり、此方から手を出す事は全く無かった。


 材料と商品に関しては、商会にレシピを売り商会が作成、材料も商会の牧場と提携する形で纏まり、俺への支払いは売り上げの4割で決定。

 支払いは各月の30日に商会ギルドから冒険者ギルドの口座に振り込まれる形になった。


 一般家庭が銀貨1枚と大銅貨3、貴族用が大銀貨1枚での販売になり、一般のは通常の材料を使い作り、貴族用は最高級の材料のみを厳選して作る事になるそうだ。

 こちらとしては、何も手を出さなくても良くなったので、ありがたい話だった。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] sun値とありましたが、クトゥルフ系などの正気度とするなら、SAN値では?
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