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幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
2章-6 日常篇
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婚約者達とのデート リーフィア篇2

貰い事故をした為、更新が大幅に遅れました。

次回の更新は早めに出来るようにします。

 次にリーフィアの案内で向かったのは、この街の名所の1つ古代湖の水が染み出て出来た湖『ジヴェルニー湖』だ。


 極めて透明度も高く、魔力の含まれた水は水の妖精や精霊、天馬が好むと言われる程の水質らしく、実際に目の前には小さな幼体の精霊が揺蕩う様に群れを成していた。


 時おり吹く風が、リーフィアの髪の毛をさらさらと靡かせる。


「初めて見ましたけど……、聞いていたよりも素晴らしい景色ですわ!!」


 外壁から見た湖も綺麗ではあったが、確かに、近くで見る湖の景色は息を飲む程の美しさがある。


 暫く遊歩道を歩き、ベンチに座るとリーフィアは左腕に身を寄せる様にして抱き着いてきた。


「ルーク様、1つ謝りたい事がありますの、良いですか?」


「どうしたの、リーフィア?」


「貴方は、何時も私達が思いもしない方法で、驚かせたり、喜ばせたりしてくださいます」


 リーフィアはそう言って俺の前に立つ。


「恥ずかしながら、私達はルーク様の誕生日を知りませんでしたの」


「そう言えば言ってなかったっけ?」


「そうですわね、私達の誕生日はどこから聞いたのか知りませんけど、少なくとも私達はルーク様の誕生日は聞いていませんわ……ですから」


 少しだけリーフィアが視線を落として近づく。


「これを受け取ってくださいますか?」


 着ていたコートのポケットから、リボンが付いた小袋を取り出すと俺の方に上目遣いで渡してきた。


「見ても良いかな?」


「喜んでもらえるか分かりませんけど……」


 中に入っていたのは、腰に巻ける黒色の革製ポーチだった。


「……これは?」


「あの……何時も魔導具の整備工具等を異空間から取り出していたでしょう? 学院では少し目立ちますので、使って貰えたらと思って作らせました。ボタンで止める事も出来ますのよ」


 そう言った彼女をよく見れば、尻尾がゆらゆらと揺れ、何かを期待している様な眼差しが向けられている。


「そうか、リーフィアありがとう。大事に使わせてもらうよ」


 お礼を言って額と頬にキスをする。


「━━━~~~~っ!!」


 顔を真っ赤にしながら、尻尾が良く動い居る所がなんとも言えないが、期待に沿う事は出来たようだ。


 転生して居るため総合年齢は30後半だけど、最近では体に心が引っ張られているのか、何て無いことが楽しく感じる事が増えていた。


 彼女達と共に成長するのが楽しいのは、多分壊れた心が埋まってきているというのもあるのだろう。


「それでは、まだ時間もありますので今度は私にお付き合いしてくださいますかお姫様?」


「もちろんですわ」


 手を取り向かうは広場の写し絵、人の目につかない場所に転移を行い列に並ぶ。


 エルザと同じく写真に驚くと思ったが、リーフィアは、カメラを構えるお爺さんを見ると、


「あら、新しい写し絵ですわね? 此方にも来ていたのですね」


「リーフィアはしたことがあるの?」


「ええ、アマツクニの場所は御存じと思いますが、私の国(ダムシアン)に近い国ですから、でもルーク様と一緒に写されるのは嬉しいですわ」


 リーフィアとのツーショットも無事に撮り終わり、俺達は天幕から離れた。


「さて、もう少しだけ時間もありますけど、先にルーク様にメモをお渡ししておきますわ」


 そう言って、リーフィアは一枚のメモを渡してきた。


「ソフィアからのメモですわ、とは言え中身は見てませんから何を書いているのかは、ルーク様が確認してくださいまし」


「分かったよ」


 そのまま例のアクセサリー店に向かう為に、リーフィアの手を握り歩き出す。


 アクセサリー店のお姉さんは、会釈をして他のお客の対応をしていた。


「ここがあの水晶のペンダントを売っていた店ですの?」


「ああ、そうだよ。このケース以外にも、トランクの中にもあるから、後で見てみる?」


「そうさせて貰いますわ」


 会話が終わった頃、お姉さんは此方にやって来ていた。


「お待たせ致しました。どの様な商品をお求めでしょうか?」


「そうですわね……ペンダントを見せてもらえるかしら?」


「それでは、こちらのケースからどうぞ」


 リーフィアはペンダントの入ったケースを見ながら、品定めを始めた。


 暫く眺めていると、3つの違う色をした同じペンダントを手に取り首に当てながら、確認をして頷く。


「このペンダントをくださる?」


「ああ、全部で銀貨9枚ね」


 リーフィアが代金を取り出す前に大銀貨1枚を手渡した。


「ルーク様!?」


「毎度ありがとうございます」


 デートなんだから、代金は俺が支払うと思っていたのだが、彼女達は基本、自腹で支払いをする事が多い。


 何でも、お金の使い方や使うことで、どの様に経済が回るのかという勉強を、今の歳でするそうだ。


 だが、俺も婚約者にプレゼントの1つでも良いから買う事が、デートの醍醐味であると考えているので、実際こういったプレゼントはデート中に幾度となく行ってきた。


 そのまま会計が終わり、リーフィアと時計台の場所に戻ると、丁度デートの時間が終わりを迎える。


「残念ですわね、もう少し時間があれば良かったのですけれども……」


「俺は楽しかったよ、リーフィア」


「私もですわ……ペンダントありがとうございました。エルザ達にも渡しますから、ここでお別れですわ」


「誰か迎えに来るのか?」


「ええ、もう少ししたら、沙耶さんが来ますから……そうでしたわ、ソフィア、手料理を振る舞うと言っていましたので、しっかりお腹を空かせておく事をオススメしておきますわ」


「お~い、リーフィアちゃ~ん!!」


 リーフィアが話終えると同じ位で、沙耶の声が、空から聞こえる。


「『空から墜落せよ、沙耶』」


「えっ……ひにゃぁぁぁぁ~~~~!!」


 テイマースキルの1つ『命令』で、空を飛んでいる沙耶を目の前の湖に墜落させた。


 勢い良く湖に着水した沙耶は、そのまま浮かんで俺達の前に流れ着く。


「ひっど~い、何をしたっていうのさ」


「ルール違反、夢魔としての正体を晒さないこと」


「うぐっ……ゴメン」


「……クスクス。最後まで楽しませてくださいますのね、ルーク様は」


 リーフィアは、俺と沙耶の流れを見ながら、面白そうに笑う。


 人の姿に戻った沙耶が、リーフィアを連れてエリーゼと合流すると聞いた所で、俺はソフィアの待ち合わせ場所に向かうのだった。



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