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幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
1章 -2 呪術人形と勲章と
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【野菜嫌い】王都レシアス到着【魔法のソース】

 翌日俺達はカンテボの街を出て、王都レシアスに、王女達と移動を開始した。


 途中で広い湖があるので、そこで昼食になった。

「ほぅ、ルーク様はお料理を嗜まれるのですね」


「えぇ、ルークちゃんは私が料理をする時に、お手伝いしてくれるのですわ」


「錬金術で、高品質の砂糖や塩を作られては、奥様とお菓子作りをされていましたね」


「素晴らしい才能ですなぁ、ルーク様は」


 そんな会話をしながら、ルークとトリアナ、ダリウスとデービルの四人で調理をした為、早く準備が終わったのだが、問題が一つあった。


「「私達は、お野菜いりません(いらないですわ)」」


 エルザとリーフィアが、野菜を食べないと言い始めた。


 今日の昼食は、スクランブルエッグ、レタスとトマの実のサラダ、(レタスの他に同じ名前の野菜や果物があった)ピーマ(ピーマン)の肉詰め、パンかライスだった。


 しかし二人は、サラダと肉詰めのピーマを食べなかった。

 二人が言うには、レタスやピーマが苦くて苦手との事で、貴族の中には苦手なものは食べない者が多いのだと言う。


 デービルさんもこれには困っており、


「ソフィア様は苦手なものは無いため、苦労はなかったのですが、姉君であらせらるローザ様が苦手でして、未だに食べない野菜がありますな」


 そう言って二人を見ながら、ため息をついていた。


「いくらルーク様が作ってくれた料理でも、苦手な物は苦手なのです」


「ごめんなさい、ルーク様、これだけは無理ですわ」


 そこで、俺は、『ケチャップ』『マヨネーズ』2つの瓶と空瓶2つを空間から取り出した。


 空瓶にマヨネーズに黒胡椒、レモの実(レモン)の果汁、カウチーズ、塩を入れ蓋をして、中に威力を調整しながら、ウインドの魔術を使いかき混ぜ、『シーザードレッシング』を作成し、もう1つの瓶には、マヨネーズとケチャップを同じ様に混ぜた『オーロラソース』を作成した。


 出来上がったソースを、それぞれのサラダと肉詰めにかける。


「二人共、騙されたと思って、食べてみて。美味しくなかったら、出来る範囲でお願いを聞くからさ」


 エルザとリーフィアは、ルークの『お願いを聞く』に反応し、しぶしぶ食べてみた。


「「……美味しい」」


「それは良かったです」


「「この白いソースは何?(ですの)」」


「シーザードレッシングと名付けました」


「シーザー……ドレッシング…?」


 肉詰めとピーマ単体も食べる。

 結果はもちろん完食だった。


「ピンクのソースはオーロラソースと言います」


「おぉ、この赤いソース、スクランブルエッグによく合うな」


 不思議そうな顔をしてソースを見ている二人をよそに、父様は、ケチャップをスクランブルエッグにかけて食べていた。


 野菜嫌いの二人がサラダや残したピーマを食べきる姿を見たデービルは、


「ルーク様、このソースを売り出しましょう、必ず売れます」


 と興奮しながらルークに対して、話しかけてきた。


「そんな、大したものじゃないですよ」


「とんでもございません、味も良く、色合いも良く、野菜嫌いの二人が食べられるとなれば、えぇ、幾らでも買い手が着きますとも」


「そうよねぇ〜、私の知らないうちに、ルークちゃんたら凄い物を作るんだもの」


「ウチみたいな田舎の領内は、野菜嫌いが居ないが、王都に近くなる程、増えてくる。確かに売れるだろうな、ルークお前が決めなさい」


「では、グランツ父様、クックバードの飼育とカウの飼育ができる土地と人を、集めないと行けませんけど、どうしますか?」


「人は王都で奴隷を買えば良い、土地は丘側の牧草地帯を使うとしよう」


「デービルさん、売り出しましょう」


 そんな感じで、ルークは新しい『ソース』を売り出す形になった。


 ―――――――――――――――――――――――――――――

「王都の外壁が見えてきましたよ、カイン兄様」


「あれが王都の外壁か、やっぱり大きなぁ」


「やっと着いたか、長かったなぁルーク?」


「ルシアン兄さんは、半分寝てたじゃないか」


「仕方ないだろ、カイン兄様やお前みたいな体力してないんだから」


「ほらほら、ケンカしてないで、おとなしくするんだよ」


「「はい、父様」」


ルシアンとのじゃれ合いをやめて、ルークはデービルに別れを告げようと近寄る。


「それではデービルさん、ここでお別れですね、私達は、西区にある別邸に居ますので、ソースの件とかで、何かあれば連絡をください」


「はい、ルーク様、確実にお嬢様関係の手紙が届きますのと、同じ関係では無いとは思いたいのですが、厄介な事が起きるかもしれません」


 デービルさんは口角を少しだけ上げ、困った顔でそう言って馬車を、王族専用の門に向かって行った。


 お姫様三人とデービルさんを見送って、俺達は受付の列に並ぶ、途中グランツ父様から


「ルーク、おそらくだが、近い内にレシアス王様から登城の命がくるかもしれん、覚悟するように」


「(デスヨネー)ハイ、父様」


 しかしこの予測は、大きく外れる事となる。


 しかし、ルークは気づいていなかった。


 デービルさんが言っていた『厄介な事が起きるかもしれない』とフラグじみた言葉を言っていた事。


 自分と同じ年、または近い年である三人が何故この時期に王都を目指していたのかを。


 そして忘れていた、グランツが助けた事にしてもらい、自分が三人の姫達を助けたという、事実を隠してもらう事を。


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