告白への答え
「だからね、ルーク。私のバディーに、私を貴方のお嫁さんに、してくれませんか?」
その言葉を聞いて、俺は考えていた。
婚約者の事に関しては、ソフィア達に任せてあるからだ。
既に顔を合わせているし、エリーゼの茶化した事もあるが、正式な婚約者には、なっていない。
何と返事を返そうかと悩んだ瞬間、メアは手を握ってきた。
「皆からは、婚約者になるか考えて欲しいと言われたの、だからね……ルークが決めて?」
そんな事を、メアから言われ、他の婚約者候補と言っていたメンバーを思い出しながら、どうしたいのかを考えるが、心は既に決まっていたのだろう、言葉はすんなりと出てきた。
「メア・シュヴァリエ、君が欲しい。婚約者になってくれないか?」
「はい。ルーク。喜んでお受け致します」
メアはそう答えると、鞄からナイフを取り出した。
何をするのか分からず、見ていると、おもむろにメアは自身の人差し指の指先に、刃を当てる。
血が滲み出し、プックリと血の玉が出来た。
そのまま指先とナイフを、俺の前に出している。
「ルークも同じ様にして、今から『融血の義』を行うから」
その言葉に従い、俺も人差し指に刃を当て血を出した。
互いの指先が唇の前に差し出された状態になり、メアは指先を合わせてきた。
その瞬間、俺とメアの血が交わり、互いの身体に吸い込まれるのが分かった。
そのままメアは、俺に抱きつく様に身体を擦り付け、首筋をチロチロと舐める。
ゾクゾクとした感覚が、背中に感じるが、受け入れた。
「頂きます…」
カプッと噛まれ、血が吸われている感覚が、良く分かる。
『融血の義』については、以前エリーゼから聞いていた。
適応血液を持つ者とバディーになる為の儀式で、互いの血を融合させて結び付きを強めると同時に、吸血鬼以外の種族に関しては、寿命を長くしたり、肉体の強化が微弱ながら行われるらしい。
吸血鬼側には、血の渇きの減少や、日中でも外で活動する事が出来る様になる、能力値の底上げと言ったメリットがあるが、当然デメリットも存在する。
『血の渇き=吸血衝動』を抑える事が出来る代わりに、魔力の最大総量が、融血の義の時に飲んだ相手との魔力総量で止まるため、魔力総量が少ない者とはしない事が多い。
(人族の魔力総量は、スキルの組み合わせ次第で5万が最大値となるが、獣人族で8万前後、龍人族で20万前後が普通。吸血鬼や夢魔などの魔族で15万前後が魔力の成長限界とされる)
俺は、枷が無いのか、15万を超えても成長の限界に至っていないようだ。
カミナ曰く、スキルの能力が壊れているらしい。(どう見ても神の肉体使った潤滑剤のせいだと思うが‥‥)
一方で、メアは半吸血鬼ではあるが、基礎魔力量は多く、既に7万程保持している。
つまり合わせて22万の総魔力量があるのだが、メアの場合、半吸血鬼であり、減算されるが種族の魔力量を超える位になるので、今回の場合はデメリットにならない。
ただし、他のデメリットに関しては、枷になるものがある。
半吸血鬼であるメアは、吸血鬼の持つ『超再生』『蝙蝠化』『眷属支配』が無くなったらしい。
吸血鬼の本来の能力も半分の状態になっているため、通常なら『再生』『霧化』『眷属支配【弱】』くらいになるのだが、メアの場合最初から、半分の状態で行うの為、それすら無くなる。
因みに、以前見せてもらったステータスを俺と比べた結果、尚更守護魔導人形が必要になると思ったのだが、今回のステータスを見て、補助でも良いかと思ってしまった。
その時と今回の融血の義の後のステータスがこうなっていた。
《before》
【名前】メア・シュヴァリエ(6歳)【半吸血鬼】
【体力】19,000/19,000
【魔力】70,500/70,500
【筋力】C
【知力】SS
【器用】B
【対魔力】A
【スキル】
フル・エレメント 吸血 再生Lv5 霧化Lv5
眷属支配【弱】 糸使いLv9 身体成長Lv9
日光散歩
《after》
【体力】24,000/24,000
【魔力】3000/190,500
【筋力】B
【知力】SS
【器用】A
【対魔力】A
【スキル】
フル・エレメント 吸血 糸使いLv9 身体成長Lv9 日光散歩
精密魔力操作Lv3
に変貌を遂げていた。
これ以上メアは、魔力は伸びなくなったが、種族の壁は超えているので、問題も無さそうだ。
身体を震わせてメアは、吸血をし終えた様だ、顔を赤らめながら、ニコニコ微笑んでいた。
ふと時計を見ると、既に5時になっている。
今から寝れば、2時間くらいは寝れるだろう。
布団に潜り込み、寝ようとしたのだが、その前にメアから再び押し倒された。
「……一緒に、寝よ?」
「良いよ、メア」
手を握り、そのまま同じ布団で寝る事になった。
彼女の雰囲気が、夜と朝で違うのは、吸血鬼の力の増減からだと思うが、大事な婚約者になったのだから、その辺も含めて解決していこう。
新たに決意をし、俺の思考は微睡みの中に落ちていった。




