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幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
1章 -2 呪術人形と勲章と
10/457

【次回は】報酬とお肉屋さん【メシテロ?】

ブックマークが増えており、大変嬉しく思います。

していただいた読者様ありがとうございます。


 山賊を倒してから、半日が過ぎ、ようやく森林を抜けた。


「さぁ、ここまで来たら後、数日で王都に到着ですよ。今日は、この先にあるカンテボの街に泊まります」


「山賊以外は、魔獣相手だったから、何時もの訓練と変わらなかったねルシアン」


「カイン兄さんとルークは、何時もの訓練だろうけど、僕は体力無いからキツイよ」


「しょうがないわぁ、ルシアンちゃんは私と同じ、後方支援がメインのスキルなんだもの」


「でも、母様、ルークに負けるのは悔しいよ」


「いや、ルークは仕方ない、下手をしたら、数年しない内に俺だって負けるよ。だって」


「「戦闘で錬金術を使うとか誰もしない」」


 後ろの馬車から、カインやルシアン達のそんな声が聞こえていたが、当のルークは、そんな事を気にする余裕がなかった。


 何故なら、お姫様達の質問はずっと続いており、《婚約者はいるのか》の質問に《いない》と答えた辺りから、様付けを禁止された為、何が不敬に当たるのか、判らなくなって来たからだ。


(わたくし)達ばかり質問しても、つまらないから、ルーク君からは聞きたい事は無いかなぁ」


「ソフィア…さんに、質問します」


「何かなぁ?婚約者はいないよぉ」


「何故今それを?そうではなく、皇女様の馬車に王女と公女のお三方が乗っていたのですか?」


「あぁ、それに関しては、(わたくし)がお答え致しますわ。(わたくし)達三人は、継承権が低いので、割りと自由があるのです。だからお互いに遊ぶ際に、持ち回りで馬車を出して、迎えに行きつつ、遊ぶのですわ。」


「なる程、だから仲が良いんですね」


「そうだよ、因みにリー姉様の馬車は、フワフワのモコモコで眠くなるんだよ。ソフィア様の馬車は魔力で室内の温度を調整できるし、わたしの馬車は道が悪い所でも、少しだけ浮けるから揺れ無いのよ」


「エルザ、わたしに戻っていましてよ、そろそろ街が近いのだから、気をつけてくださいまし」


「判りましたわ、リー姉様」


「何故、エルザさんは、ソフィアさんとリーフィアさんの呼び方が違うのですか?」


「エルザちゃんとリーフィアは、従姉妹だからですよぉ」


「そうなんですか?」


「うん、わた…ワタクシのお母様と、リー姉様のお母様が姉妹なんですの、ですから喋り方を、リー姉様と同じ様にしておりますの」


 そんな話しを聞きながら、馬車に揺られていると御者をしていたデービルさんが


「間もなくカンテボの街に着きます」

 と言い、外を見ると大きな外壁と門が見えてきた。


 カンテボの街は、恵まれた気候の為、果樹園をメインとした街で、アプリルの実やオレミジの実(前世のリンゴやオレンジっぽい果物)等の一般家庭に出回る物や、貴族の晩餐会で使われる高級果実で収益を出している街だそうだ。


「捕まえた山賊どもを、衛兵に渡してきますルーク様、お手数ですがこちらにお願いします」


「では、我々はここの貴族宿に泊まりますので、何かありましたら何時で来てください」


「「「ルーク様、またお会い致しましょう」」」


 お姫様三人の声を聞きながら、俺は荷馬車に移り、ダリウスとデービルさんは互いに、握手を行いその場を後にした。

 ――――――――――――――――――――

「賊を捕縛した。確認と引き取りを頼みたい」


「了解した、賊は何人だ」


「30人、あとはアジトの場所に10人残っているみたいだ」


「ほぅ、コイツらバーン一家じゃないか、アジトの場所を聞きたい、こちらにどうぞ」


「ルーク様、場所の説明を」


「あぁ、コイツらのアジトは、森林の中腹にある崖を利用した物で、遠征をする時も10名程残して出るらしい、今回は遠征に出て直ぐに捕まえたから、今なら余裕を持って捕縛できると思う」


 ダリウスの合図で、アジト周辺に飛ばしておいた式神を、肩に乗せた青白い小鳥に魔力を通して確認する。


「これは一体、何を?」


「こちらの方は私の主、グランツ・フォン・ラーゼリア様のご子息、三男のルーク様です。今のは、式神と言いルーク様のオリジナル魔術になります」


 今回使った式神、名前は『トトル』と名付けている。貴族等がペットとして飼っている、フィンバードと言う鳥型の魔獣で、カナリヤの様な姿をしている。


 作り方は、フィンバードの魔石と羽を使った魔導具(今回はペンダント)に、フィンバードと自分の血で魔法陣を刻み造ったもので、これを依り代にした式神だ。


「情報提供、感謝します。直ちに捕縛に移りますので、あとはお任せください」


 衛兵は敬礼を行い、詰所と思われる建物に、走って行った。


 入れ替わる様に、別の衛兵が袋を持ってやって来た。


「今回の報酬金になります。内訳は、こちらの紙に書いていますので、中身の確認をお願いします」

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【盗賊報酬金内訳】


 捕縛者数30名

 指名手配者、3名 組員27名 内死者1名


 バーン一家頭目 バーン・バラード

 金貨6 大銀貨8


 バーン一家次席 ガリバー・インター

 金貨4 大銀貨6


 バーン一家隊長 サヤダン・パル

 金貨3 大銀貨6


 組員26名、金貨1 銀貨4


 死者+アジト情報 銀貨5


 合計大金貨1 金貨6 銀貨9 枚 也


  カンテボ衛兵長

  リーマン・テール

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 報酬を確認して、間違いがなかった為、ルーク達は兵舎を後にした。


「今回、初めて自分で稼いだから、これは俺ので良いんだよなダリウス?」


「そうでございますな、ルーク様が得たお金でありますから、私の方からは、何も言いますまい」


「ルーク、約束は覚えているな?忘れたとは、言わさんぞ」


「カミナ、忘れて無いよ、お肉屋さんに行くよ」


 影から声をかけてくるカミナに、答えて肉屋に向かった。


 ダリウスに連れていかれた肉屋は、大きな店で、高級な物を扱う店だった。


「お客様、本日は何をお求めでございますか?先程、解体したばかりのビックカウはいかがでしょうか?キングオークやクックバードの肉もオススメですよ」


「バードとカウを合わせて金貨2枚分」


「はい、バードとカウを金貨2枚分ですね。バードの卵配達はどちらにしますか?」


「配達はいらないです。異空間収納があるので」


「判りました。ではカウが2キロ,バードが10キロ分と異空間収納があるのでしたら、こちらにバードの卵20個です」


「良いんですか?」


「この店じゃ、バードの肉5キロに対して卵10個がサービス品なのさ、収納や保存が出来ない相手なら、銀貨二枚引くけどね」


 俺は、約12キロ近くの肉と卵20個を収納して店を出た。


 因みに、キングオークは豚肉、クックバードは鶏の肉

 ビックカウは牛肉であり、バードとカウは魔獣に分類されオークは魔物に分類される。


 この世界の肉は、基本魔獣か魔物の為、割りと食べ物に対する感覚が地球に近かった。(とは言え、オークは繁殖の為、人を襲い女性を拐うのでそれなりに危険性があるが)

 特に、ビックカウやクックバードは、人の手で管理出来るので、安定した供給ができているといった具合だ。

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[気になる点] >「お客様、本日は何をお求めでございますか?先程、解体したばかりのビックカウはいかがでしょうか?キングオークやクックバードの肉もオススメですよ」 >「バードとカウを合わせて金貨2枚分…
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