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おまえ追放(以下略)後日譚  作者: すらぇむ
俺君の結婚式
4/16

4話 結婚式の前に 4

ずっと妹のターン!

 妹「多分。わかりましたよ。姉さん」


 私は姉さんの様子をうかがった。


 姉さんは身体がこわばっている。緊張しているのでしょうか?


 妹「お兄さんの前で、このことを暴いてしまって、本当にいいんですね?」


 幼「……。うん。頼んだことだから……。よろしく」


 俯きながらもはっきりと姉さんは答えた。


 俺「ええ? 暴くって? 一体幼馴染に何が?」

 

 お兄さんは心配そうに聞いてきた。


 私は目を閉じて少しの間、考える。


 …………大丈夫。お兄さんならきっと大丈夫。姉さんがお兄さんを信じているように私もお兄さんを信じる。


 そして顔を上げ、机をバンと叩いた。


 妹「姉さん! 若返ってから変わったこと! 他にもあるはずです!」


 幼「……!!」


 妹「姉さんが若返って変わったこと。それは…………。





 ()()が来なくなったのではないのですか!?」


 幼「!!!!」


 俺「ええええええ!? じゃ、じゃあ、もしかして子供ができたのか?」


 妹「異議あり! それなら姉さんは喜んで真っ先にお兄さんに言ったはずです!」


 俺「ということは……。俺に言えなかったってことは……。」


 妹「そう、姉さんは若返り過ぎた。そして生理が来なくなった。つまり!」


 私は机をバンと強く叩き、指を突き付ける!


 妹「子供が産めなくなったのです!!!」


 幼「!!!!!!!」


 姉さんは今にも泣きだしそうだ。


 妹「だから、姉さんはお兄さんに相談することができなかった! 子供が産めなくなったなんて知られたら、お兄さんにどう思われるか、不安になってしまったんです! 勿論、これは今だけのことで将来はわかりませんが」


 俺「…………本当に……。本当にそうなのか?」


 真剣な顔をしてお兄さんは姉さんに問いかけた。


 幼「……ごめん。あんたに言えなかった。……私はあんたを信じてる。でも……。それでも私が子供を産めなくなったって知ったら……。グス……あ、あんたに嫌われて……あ、あんたに捨てられてしまうと想像してしまって……グス」


 俺「……俺がおまえを捨てるだなんてあるわけないだろう? おまえと今までどれだけ付き合ってきたと思っているんだ」


 幼「うううううう……。あ、あ、あんた~~~~~~!!!」


 姉さんは泣きながらお兄さんに飛び込んで抱き着いた。


 俺「大丈夫だ……。大丈夫だから……」


 お兄さんは姉さんを優しく抱きしめている。


 すごくアツアツですね。うん。私もここにいるんですけど。すっかり二人の世界ができあがっているようだ。


 やはりお兄さんは大丈夫だった。姉さんも信じていたけど、それでも不安だった。


 だからもしものために第三者がいる場面で知られる必要があった。


 そういうことだったわけですね。


 俺「それにな? もう俺たちには可愛い娘がいるじゃないか。十分すぎるほどだ」


 お兄さんは娘ちゃんを見て言う。


 幼「それでも。それでも私はあんたのためにももっともっと子供が産みたかった。いや、この先に絶対産めるようになって見せるよ!」


 俺「そうか。うん。そうか。じゃあ、早く大きくならないとな」


 お兄さんは優しい顔をして笑っている。


 ああ、悔しいほどにお兄さんは姉さんを愛しているんですね。






 ……これで……。


 これで相談は解決したとみていいのでしょうか。


 姉さんの秘密は私によって暴露された。だけどそれはお兄さんに許された。


 姉さんの不安は取り除けたわけです。


 これで私のお役は御免……。




 しかし、そう思ったその時、私はある疑問に囚われた。


 …………本当にそうなのだろうか?


 姉さんが私に相談といったのはこのことだったのか?


 確かにこのことも相談のうちだったのだろう。


 じゃあ、なぜ”私”でなければならなかったのか。


 お兄さんが姉さんの秘密を暴くのでは駄目であったのか?


 お兄さんのことだ、自分で暴いたとしても結論は同じだったろう。


 それは姉さんもわかっていたはずだ。


 じゃあ、なぜ……。


 

 私は目をつぶって今までのことを考える。


 



 …………そしてある結論に達した。


 そう、()()()()()()()()()()()


 姉さん。あなたという人はひどい人です。


 でも、姉さんがそうしたいというのであれば、私はもう、我慢しなくてもいいのですね……。


 ……私は覚悟を決めた。


 さぁ……。最終局面を始めましょうか!

つ、次で終わるはずです。


幼馴染の妹への本当の相談とはいったい何なのか?


わかる人にはもうわかっているでしょうね。

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