3話 結婚式の前に 3
引き続き妹視点。
姉さんとお兄さんが離れてまた合流するまでの間に変わったこと……。
話の中にありましたね。レベルが下がったことと若返ったこと、そして呪いが解けたこと。
この中のどれかが今回の相談に関係するはず……。
この3つのうちに関係するものとは……?
……そう、若返ったことだ。
レベルが下がったとしてももう魔王退治はする必要もないからお兄さんとの関係も変わらない。
呪いが解けたこともお兄さんは喜びこそすれ問題になるようなことはないはずだ。
そうなると若返ったことで何か影響があったはず。
妹「姉さん。一つ質問いいですか?」
幼「いいよ」
妹「姉さんが若返って、お兄さんのところへ戻ってから、何か今までとは変わったことがありましたか?」
その言葉を聞いて姉さんの目が光る。
幼「そう……だね。あったかもしれないね」
俺「あ……」
お兄さんがなにやら思いついたようだ。
妹「お兄さん、何か思い当たることがあるんですか?」
俺「うー、あー。その、でもなー」
なんだか煮え切らないことを言っている。
妹「私には言えないことなんですか?」
俺「言えないってわけじゃないけど。ちょっとここで言うのは…」
お兄さんはあさっての方向を向いている。
私は机をバンッと叩きつけて言う。
妹「姉さんの相談事がわかるんですよ!」
俺「しかし…」
お兄さんには珍しく煮え切らないままだ。
これでは仕方ない、自分で考えるとしよう。
私には言いにくいこと……。そしてお兄さんが言葉を濁す……。
……なるほど。わかりました。
そして私はお兄さんの方へ指を突き付けて言う。
妹「ズバリ! 夫婦生活のことですね!」
俺「ブッ! いや、そうだけど、指をつきつけないで!」
幼「正解だよ。妹」
満足そうに姉さんが言った。
妹「でもそうすると相談の内容というのは夫婦生活が若返ったせいでうまくいっていないということですか?」
幼「そう、私が誘ってものってくれない。俺君はもう私のことを愛してないのかも」
よよよ、とわざとらしく姉さんは泣き真似をする。バレバレである。
それに誘っている? それは襲っているの間違いではないのだろうか?
俺「異議あり! 違うし! ちゃんと愛している。ただ、あんまりにも若すぎるんで身体が心配だったんだ。それに結婚式の後はちゃんとするつもりだし! そう幼馴染にも言ってるし!」
ちなみに姉さんの外見の年齢はおよそ8~10歳ぐらい。勇者曰く小学生低学年だそうな。小学生ってどんな意味なんでしょうね?
妹「姉さん」
幼「ん?」
妹「たたないんですか?」
幼「たたせるから大丈夫」
俺「異議あり! 俺のプライバシーがぁぁぁぁぁ!!!!!」
お兄さんは机に頭をガンガンと叩きつけている。羞恥心に悶えているようだ。
男の人ってなんだか大変そうですね。
ただ……。これで解決じゃないんですよね。
夫婦生活が問題だとしても、もうじき結婚式だからその後は問題ないわけですから。
他に相談になるような問題があるはず……。
いったいそれは……なんだろう?
そう。ここまで出て来てるんです。
あと少しヒントがあれば……。
そんなとき、私は前にいる娘ちゃんが視界に入った。
妹「あ……」
瞬間、電撃が走ったように閃いた。
そうか、若返っただけじゃないんだ。
そして、これならお兄さんに相談するのも難しいはずだ。
私とお兄さん、二人がいる場所で言うからこそ、お兄さんはちゃんと間違えない答えを言うはずです。
姉さん……。こんな秘密を抱えていたんですね。
大丈夫です。もう大丈夫。私が解決しますから。
おかしい。まだ解決しないぞ?
このペースだと…あと2話ぐらいかかるか?w