1話 結婚式の前に 1
おまえ追放されたんだろ?俺たちとパーティ組まないか?の続編となります。
みんながちっちゃくなった後の話になります。
幼馴染の妹視点です。
寒さがやすらぎ、暖かい気候になりつつある今日このごろ、妹である私は姉さんの結婚式の打ち合わせで、姉とお兄さんが来るのを実家で待っていた。
待つ間、姉さんとお兄さんの娘ちゃん(私からしたら姪)を可愛がる。
泣きだしたら嵐のようだが、落ち着くととても可愛い。まるで天使だ。
私も自分の子供が欲しいと天使ちゃんを見てるとつい思ってしまう。
肌もつるっつるですべすべ、ほっぺがぷにぷにで可愛い。
超かわいい。激可愛い。語彙力がおかしくなるほど可愛い。
笑ってくれるとこちらまで幸せになる。
寝顔はまさしく天使としかいいようがない。究極の癒しだ。
ずって見ていて飽きない。
ずっとこのまま時間が止まってしまえばいいのに、とも思ってしまう。
しかし現実には時間が流れていて、お兄さんたちがやってきた。
妹「ようこそ、お兄さん、姉さん」
俺「やぁ、今日はよろしく」
幼「妹、娘を抱かせて」
姉さんは挨拶もそこそこに私の天使である娘ちゃんを抱き上げた。
幼「ママとパパでちゅよー。大人しくしてたかなー?」
姉さんがだらしない顔をしている。私も娘ちゃんを相手にしているときはこんな顔をしているのだろうか?
姉さんとお兄さんは幼馴染であり、私にとっても幼馴染でお兄さんともいえる人だ。
普段は澄ました姉さんがお兄さんが関わるといつもキャラが変わっていた。
姉さんと私は結構対照的だ。
姉さんは童顔で身長も低く、幼児体型であり、幼く見られる。
私は自分でいうのもアレだが大人っぽい顔でスタイルも良い。
私はモテるが特定の彼氏というものはいない。
姉さんはお兄さんを好きであり、子供の時からお兄さんにずっと求愛してたので、お兄さんが根負けしたようだ。
私も好きな人だけにモテられたら良かったのにね。
お兄さんはこういってはなんだが、平凡で地味な感じだ。
だけどとっても優しい。
そつがなくなんでも器用にこなす。
私としてはお兄さんはもっと自信を持てばいいと思うんだけど、それはお兄さんの性分のようだ。
自信がないためか色々と努力をいつもしている努力家だ。
そのためか、どの分野でも高レベルでこなせる人になった。
私から見た姉さんとお兄さんはそんな感じの人だった。
姉さんが娘ちゃんをあやして満足した後、私の方を向いてなんだか意味ありげに言った。
幼「妹、実は今日は相談があって来た」
妹「なんでしょうか? 私に相談ですか?」
俺「え? そうなの? 俺も聞いてないんだけど」
幼「あんたにもこの場で聞いてもらいたいからちょうどいい」
俺「そうなの? それならいいんだけど」
お兄さんはなんだか腑に落ちないようだったが言ってくれるということで納得したようだった。
妹「それで、その相談っていうのは何でしょうか?」
私がそういうと姉さんは考え込んでいた。
少しの間、躊躇っていたがやがて決意を固めたようだ。
幼「相談の内容は…。私の話から妹が暴いて。そうじゃないと客観的にもわからない」
妹「??? 姉さん、どういうことでしょうか?」
幼「私がそのまま話しても俺君にも妹にも納得できないはず、だから私の話から相談内容を導き出して」
俺「普通に言えないことなのか?」
幼「それも含めて陰険だけど頭のいい妹に暴いて欲しい」
その言葉を聞いた私は、ピクリとこめかみに青筋が立つ音を聞いた。
誰が陰険ですか! と憤慨したが、この場にはお兄さんもいるし深呼吸して落ち着いた。
妹「私は陰険ではありませんが、話はわかりました。どうぞ話してみてください」
そう聞き出そうとしたら……。
俺「俺が導き出したら駄目なのか?」
お兄さんが姉さんに聞いていた。確かにお兄さんがやってもいいはずだ。
幼「あんただと駄目な理由があるんだ。ごめん」
姉さんがお兄さんに対して殊勝な態度をとっている。
姉さんにとってお兄さんが特別だとよく分かる態度だ。
私に対してあんな態度を取ったことなんてないのに。
しかし、いったいどんな相談なのか。
私はこの時、自身の運命が変わることになるとは思いもよらなかった。
勿体ぶってるがしょうもない内容なのは確定的に明らか。
誤字報告機能ってのが下につきましたね。
作者的にはこれは便利。
感想で指摘されるよりこっそり個人的に具体的に知らせてもらって即、内容を直せる。