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VRMMOの道化師《ピエロ》  作者: 4代目天然水
5/6

勇者の妬み、ヘリオスの選択ミス

—皆さんはこんなうたい文句のCMを見たことは無いだろうか—

『これぞVRの真骨頂!本物の異世界を体感せよ!』

VIRTUALかそうREALITYげんじつなのにほんものってどういうことだよ(笑)—

少なくとも俺はそう思っていた。今日この時までは,,,

「こりゃ確かに本物だよ…」

気温や湿度、吹き抜ける風、目の前の噴水のしぶきまでもリアルに感じられる。

「すげぇ,,,これ、ほんとにゲームかよ。」

『本物の異世界』の衝撃は凄まじく、俺はしばらくの間その場で呆けていた。


「ちょっとアンタ大丈夫かい?」

「えっ?俺のことですか。」

「そうだよ、ずっとその場で仁王立ちしてたら、不審に思うだろう?で、どうしたんだい?大丈夫なのかい。」

少し笑いながら頭をかくと声をかけてきたおばさん(NPC)は少し納得ようだった。

「なんだ、あんた異邦人かい。じゃあ驚くのも無理はないか。なら、ようこそセントリアへ!どうだいこの街は?」

「この広場しか見てないんですけど、すごく綺麗でびっくりしました。そういえばこれからこの街を見て回ろうと思っているんですけど、おすすめの場所ってありますか。」

「そうさねぇ~やっぱりおすすめは王城かねぇ…夜になったら別の場所もオススメできるんだが、昼間はそこくらいだね!」

「わかりました。ありがとうございます。じゃあ早速行ってきますね!」

「ああ、ちょっと待ちな!」

おばさんに従い王城に行こうとした俺に5本の液体が入った瓶が手渡された。

「HPポーションだよ。この街の探検が終わったら西の草原でも行ってきな!」

「…ありがとうございます。大事に使わせて頂きます。」

「馬鹿だねぇ、ポーションは使ってこそだろう?それを使い終わったらうちの店に来な。アンタ名前は?」

「ヘリオスといいます。」

「あたしはレスタ。レスタ商店に来たら少しは安くしてやるからね!」

「,,,。ありがとうございます。」

早速、いい人に出会えた。幸先がいいなぁ!


 王城に向かって歩いていると途中に、羽亜うーあに言われたことを思い出した。

「…そういや、コールしろって言われてたな…」

忘れない内に、コールしようと思ってフレンドリストを開くと羽亜うーあのアバターネームが表示されたんだけど…

『フレンドリスト

 白狼 ―ログイン中―  』

これ…だよな?うん、これしかないからかけてみるか。

「コール」

『prpガチャ、やっと来た、遅い!』

「うっ…すまん。ちょっと時間食った。で、どこにいるんだ?」

『今?今は王城付近にいるけど?』

「そうか、ちょうどよかった。俺今そっち向かってるから。ちょっと待っててくれ。」

『んー、分かった。じゃあ特徴だけ教えとくね。種族は狼人族ワーウルフで髪は、白銀色だから!』

「りょーかい!じゃっ切るぞー」

『わかった。』

さて、急ぎますかね。早くいかないと怒られちまう。


  ―王城前—

さて着いたはいいが人が多いな…見つけられるかなー。そう思っていた時期が俺にもありました。なんで羽亜うーあの周りだけ人が居ねぇんだろうか?…まあいいけど

「ごめん待たせたか?」

「いや、そんなに、ってか早く行かない?ここ周りに見られるしさ!」

「ん、じゃあ行くか。どこ行くんだ?」

「とりあえず草原か山に行く?それとも街を探索する?」

「街探索したい!」

「即答だね…まあいいけど…とりあえずステータス交換しよ!」

「いいけd…「ちょっと待ってもらおうか。」ってえ?」

そういって俺たちの会話に割り込んできたのは、金髪碧眼の『THE・勇者』っていう感じの男だった。

「えっと…どちら様で?羽…白狼の知り合い?」

「まーね…何しに来たの?あんたのPTパーティーは性に合わないからやめるって言ったはずだけど?アーサー。」

「それを許可した覚えはないし、許可するわけないだろう?特に二つ名持ちの君は。なぁ、『孤高の白銀狼』?」

「うるさいわね、『勇者』アーサー。二つ名ばかり集めたパーティーで魔物モンスターを虐殺するのは嫌だって言ってるの。あとしつこい。行こ?よu…じゃなかった、ヘリオス!」

「んー。了解。」

「おい話はまだ…「終わったって言ってんでしょ。うっとおしい。」…チッ、後悔するぞ?白狼?」

「するわけないでしょ!あーもー時間無駄にした。早く行こー。」

「はいはい。」

 なんか訳分かんないこと言ってたけど、話は丸く(?)収まったみたいだな。良かった良かった。

~二人が立ち去った後、『勇者』は二つ名とは裏腹に残忍な表情をしていた。

「ククク、ここまでコケにされたのは初めてだよ。覚えておけよ、白狼?ヘリオス?」

この件はどのように復讐してやろうかと腹の中で考えるのであった。~

「で、あれ誰?」

先程の男が気になったので白狼に聞いてみると、ある程度予想していた答えを聞かされた。

 やはりあの男も元βテスターでそこそこ腕が立つらしい。しかし、最前線でプレイしていたのは最初だけで、後半は安定した狩りを続けていたらしい。βテストも終わったのでPTパーティーを抜け、フレンドコールをしてからずっとああなのだとか。

「めんどくさい奴だなぁ。」

「ホントだよ、全く…ってあんな奴の話じゃなくて楽しい話しよっ!ヘリオスはどんなスキルとったの?教えて。」

「別にいいけど、とったのは〔調教テイム〕〔鑑定〕〔錬金術〕〔料理〕だけど。」

「…え?本当にそれだけ?」

「?うん、そうだけど…」

どうしたんだろう。白狼の顔色がちょっと悪くなってきてるな、なんでだ…

「ヘリオス、あなたもう一回スキルを確認して?」

「?分かった…って、え?なんかスキルが増えてる。」

「本当に⁉どんなスキル!〔剣術〕?〔属性魔法〕?それとも…」

「いや、アルカナスキル?っていうのだけど…あ、称号も増えてる…なんで?」

「そりゃそうだよ…」

なぜか呆れた様子の白狼は次の瞬間大声で叫んだ。

「だって、ヘリオス…戦闘系スキル一つも持ってないじゃん!」

,,,あっ(察し),,,,,,,,,


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