とある電車は異世界へ
〜プロローグ〜
いつものように、
目覚ましが鳴るよりも少し早く目が覚める。
また、1日が始まる。
慣れって怖いな。。。
そう思いながら、携帯の画面をみる。
「まだ、水曜か、、、」
そう一言呟き、僕は会社に行く準備を始めた。
社会人になって、5年目。
新卒で入社した会社はいわいるブラック企業で、回りの同期が辞めていく中なんとか3年は耐えたが、それ以上は無理と思い、退職。
その後の就職活動で、今の会社に入社した。
前職での成績もまぁまぁだったこともあり、それなりの企業に勤める事ができた。
残業は基本なく、土日も休み。
まさにホワイト企業とはこの事かと。しいて悪い点を挙げるのであれば、出社時間が早い事くらいだろうか。
そのおかげで、平日は飲みにも行かなくなったし、寝るのも早くなった。そして何より起床が早くなった。
そんな感じで、生活していたらいつの間にか、会社まで片道約1時間の電車に毎日揺られながら、会社と家を往復するだけの毎日になっていた。
たまにいくパチンコ屋が唯一の趣味。何にも考えずに楽しめるから、休日暇だとよく行ってしまう。
まぁ、そんなんだからなのかはわからないけど、彼女もいなければ、誰かと遊びたいと言う思いすらなくなってきている。
今日もまた、いつもの電車に乗り会社に向かおうとして最寄駅のホームについた。
「まもなく、○○線 運転間隔調整の為10分程遅れて到着いたします。」
いつもの電車じゃないのか、、、
毎日同じ電車に乗るので、大体乗っている人も一緒なので、誰の前にいれば早く座れるなどがわかっている。
「まぁ、たまには立ってもいいか。」
心の中で独り言を言い、本来であれば、10分前に来るはずだった電車に僕は乗り込んだ。
いつもより10分早い電車。
会社と家を往復する毎日が、徐々に変わる事になった。