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1/6

始まりはいつだって何かを願うことから。

 ──俺は人間が嫌いだ。


 ──人間はいつだって他人を無意識に傷付ける生き物で、しかし同時に無意識に誰かを救うこともある。


 ──人間の見る現実はいつだって夢がないのに、人間が創り出すものにはたくさんの夢が詰まっている。


 ──両方の性質を持っている故に、人間という存在を完全否定も完全肯定も出来ないからこそ大嫌いなのだ。


 …………これは俺が非リアのコミュ障である事を他人のせいにしているだけに過ぎないのだが、まあそれは置いておくとして。


 ……いや、そっとしておいてくれや。人間はどいつもこいつもクズだって思わなきゃやってられないような環境で生きてきたんだよ! 悪かったなメンタルが脆弱で!


 ……しまった思考が完全に負のスパイラルに突入してしまった。


 話を戻そう。


 俺は人間が嫌いだった。


 だからこそこんな世界から抜け出したくて、わざわざ自殺という行為をしたのに──


「ハロー」


 俺は目の前にいるスライムに向かって叫んだ。


「なんで異世界転生イベントなんて発生してるんだよ!? しかもスライムだと!?」


 ──そう、俺は今、真っ白い空間でスライムと対峙していた。


◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆


「なんで異世界転生イベントなんて発生してるんだよ!? しかもスライムだと!?」


 俺の心からの叫びに対して、スライムがコロコロと笑った。……いや、実際にはプルプルしていただけなのだが、笑い声がそんな感じだったのだ。


「ま、君の気持も分かるけどね~っていうか君なかなかノリがいいね?」


 声は女性のそれで、自然と染み渡るような感じがする。ついでに調子のいい感じだ。


「…………あれだよ、自殺するやつらなんていうのはある程度精神が振り切れてないとやってられないんだよ。──個人的な見解だけど」

「なるほど」


 スライムがふむふむと頷く。いや、実際にはプルプル以下略。


「ま、それは置いておくとして、そろそろ話を進めようか」

「……やっぱり異世界転生するのか?」

「そうだよ──っと自己紹介がまだだったね。私は主に自殺した若者たちに対しての転生案内を担当しております女神ライムです。よろしくね」


 ……スライムの名前がライム? 狙ってるのか? というかなんでスライムが女神なんだよ。


「ああ、なんでこんな格好をしてるのかっていうとね。最近ネット小説なんかで異世界転生ものがとんでもない数出てるじゃん?」

「あ、ああ、そうだな」


 ……心を読まれているんだろうか?


「それでさ、最近の作品は女神とか神とかがたいてい残念なパターンと適役のパターンが多いでしょう?」


 確かにそうかもしれないな。駄女神とか最近の流行りの1つだし。


「だから警戒されちゃってね。昔は普通に綺麗な女性の姿で案内しても問題なかったのに今じゃ一番警戒されないのがスライムときたもんだ」

「なるほど」


 確かに最近は主人公がスライムになったりする話もあるしスライム=ファンタジーの定番=可愛い或いは有能っていうイメージがあるな。


「しかもスライムって私の名前に似てるから他の奴らに笑われるし! なんか思い出したら腹立ってきた!」

「それは……大変なんだな、女神も」

「まったくよ! ──ってごめんなさい話が逸れたわね」


 スライムがコホンと咳払いをする。正確にはプルプル以下略。


「じゃあ説明を始めるわ。貴方達のように、最近では若者の自殺者が続出しているのだけど、これだと色々と問題があることがわかったの」

「問題?」

「そ、自殺する若者たちっていうのは大抵来世やさらに次の生でも自殺をする確率が高くなるの」

「ふうん、どうしてだ?」

「精神が弱すぎるからよ。確かに自殺の理由の筆頭である学校という場所でのイジメはなかなかエグいのは認めるのだけれど、だからと言って自殺しない人だっているわけだし、神としても与えられた生をちゃんと全うできるようにして欲しいのよ」

「なるほど」

「だから私たちは、そんな自殺した若者たちの性根を叩き直して、防弾ガラス並みの強度を誇るハートを持った魂をより多く作り出そうという考えに至って、私たちの作り出した世界で強制的に頑張ってもらう事にしたの」

「へえ、強制的にか……」

「そうよ。そして、気になっているでしょう私たちが作った世界の名前は【トランスミグレイション・オンライン】!」


 スライムが体をプルプルさせながらババーンという効果音が聞こえてきそうな感じで宣言した。

 ……ゲームかよ。


「その通りよ!」


 ……やっぱり心を読まれてるよな。

 俺はジト目でスライムの女神ライムを見つめるも、ライムはそれに気づかずプルプル体を震わせながら説明を続ける。


「略して【TO】と呼ばれるこの世界は、あなたの思った通りゲームのような世界になっているの。『ステータスオープン』!」


 ライムの最後の言葉によって、俺の目の前に透明な板のようなものが出てきた。


 その透明な板にはこう書かれていた。


――――――――――――――――――――――――

ライム

《種族》神族

《性別》女

《年齢》?歳

《職業》転生者サポート課平社員

《レベル》 ???(称号と含めて、ステータスに影響する)

《能力》

HP ?????(生命力、体力などの数値、なくなると死ぬ)

MP ?????(魔力量の数値、なくなると気絶する)

STR ????(物理攻撃力を主に表す。筋力なども上昇)

VIT ????(防御力を主に表す。筋力なども上昇)

AGI ????(速度、回避力、瞬発力を表す)

DEX ????(器用さなどを表す)

INT ????(知力、魔法攻撃力を表す)

LUK ????(幸運値を表す、レアドロップが増える)

《技能》(行動を補助する役割、必殺技などもある)

多数あり(詳細はここをタップ)

《ボーナスポイント》000ポイント

《称号》女神、ショタコン、彼氏いない歴史=年齢

――――――――――――――――――――――――


「こんな風に、まさしくゲームのプレイヤーのような感じで新たな世界での日々を過ごしてもらうわ」

「かなり定番どころを抑えてきたな」

「ええ、分かりやすさを重視したからね」


 確かにこれは詳しく表示されるタイプのステータスの中での定番だから分かりやすい。

 ボーナスポイントはおそらく能力値や技能なんかに割り振ることが出来るのだろう。これが鍵だな。

 となると気になるのは、転生者サポート課平社員というところと……


「……この『?』はなんだ?」

「ああ、それは測定不能っていう意味ね。私も一応神だし、全ての能力が人外ということなのよ。ある意味で無限と同義ね。ま、神は全員こんな感じになってると思ってくれればいいわ」

「ふうん、じゃあこの称号のところにある──」

「そ、そんなことよりもあなたもステータスを開きなさい!『ステータス』と言う、あるいは念じると自分だけ見える形で表示されるわ。『ステータスオープン』が相手にも見えるようにする言葉よ。ほら、ステータス開いて開いて!」


ライムが絶対に触れて欲しくないであろう2つの部分に俺が触れようとしたら話題転換をしてきた。


「……了解」


そう言いながら睨み付けるとスライムがそっぽを向いた。

仕方ない、後でいじめるとして今は先に進もう。


「『ステータス』」


――――――――――――――――――――――――

__

《種族》__

《性別》男

《年齢》__歳

《職業》__

《レベル》000

《能力》

HP 00000

MP 00000

STR 0000

VIT 0000

AGI 0000

DEX 0000

INT 0000

LUK 0000

《技能》

なし

《ボーナスポイント》020ポイント

《3つの願い事》願い事の回数3/3

《称号》__

――――――――――――――――――――――――


ん? 名前がない? あれ? そういえば俺の前世での名前はなんだったか……


「そりゃそうでしょ。新たな生を受けるんだから新しい名前になるのは普通よ」

「そうなのか」

「そうなのよ。今回は自分で名前を入れなさい。名前のところをタップしたらキーボードが出てくるからやって見て」

「お、出てきた……なんか、本当にゲームって感じだな」


 俺はそんなことを言いながらキーボードに向き直る。……このキーボードも透明なんだな。まあ、アルファベットが淡い青に光ってくれているのでそこについては問題ないが。


 しかし、名前か……どうしたもんかな。

 ゲームとかで俺どんな名前をつけてたかな……

 …………やばい、どのゲームもヤバイ名前だ。†とか普通に入ってたし。これはあかんやつや。


 はあ、ま、適当でいいか。


 俺はもはやどうでもよくなって、キーボードを適当に打ち込む。

 打ち込んだのはHARU──ハルだ。


「ハル? 随分と無難な名前ね。ま、いいわ、じゃあキャラメイクをして行きましょう」

「キャラメイクってこの《ボーナスポイント》のことか?」


 無難と言われてじゃあどういう名前があるんだよと聞きたくなったが、先に進まないのでそう尋ねるとライムがプルプルしながら頷いた。


「そういうことよ。じゃあ《ボーナスポイント》のルールを説明するわね」


 そうして俺はライムから《ボーナスポイント》についての説明を受けた。

 概要は次の通りだ。


 ・《ボーナスポイント》はレベルアップや新たな称号を取得した時などに手に入る。

 ・レベルアップ時に獲得する《ボーナスポイント》は10ポイント

 ・称号を取得した時に獲得する《ボーナスポイント》はその称号により適宜変化する。

 ・《ボーナスポイント》1ポイントで、HP、MPは100増える。HPとMPの最大値は99999。

 ・《ボーナスポイント》1ポイントで、STR、VIT、AGI、DEX、INT、LUKが1増える。それぞれの最大値は9999。

 ・《ボーナスポイント》1ポイントで技能を1つ獲得できる。

 ・技能はその技能を使い続けることにより熟練度が上昇するが、《ボーナスポイント》を消費することによってもその熟練度を上昇させることができる。なお熟練度は数値化されないし、上限はない。最終的にはこの技能の熟練度で勝負が決まるらしい。


「なるほど、これは本当にゲームって感じだな。そう言えばレベル上限は?」

「上限は999レベよ。ちなみに昔は今の段階で《ボーナスポイント》を消費したら別の種族になれるっていうものにしてたんだけど……」

「それってエルフとか?」

「そ、エルフとかドワーフとかね。そしてそのエルフっていう種族が大人気で危うく全員エルフになるところだったから、今はランダムになっているわ。称号も日々の行動の中で得るものだからボーナスポイントで獲得は不可能よ」

「よくできてるな」

「ありがと。まあ、《3つの願い事》を使えば種族を選べるし、称号も一部は獲得出来るのだけどね」

「そういえばそんなのあったな。これは一体なんなんだ?」


 俺は話題に上がった《3つの願い事》という項目を見つめる。


「基本的に自殺する人は精神が脆弱だからね。さっきのゲーム的制度で公平な感じをとって、さらに願い事を叶えるくらいのことをしてあげる必要があったのよ。それがこれってこと」

「つまり俺みたいな奴らは全員3つの願い事が叶うということか。至れり尽くせりだな……いや、それくらいやらなきゃ自殺者が進んで次の世界に進みたいとは思わないからか」

「そういうことよ」


 俺とライムは思わず苦笑していた。いや、ライムはもちろんプルプルしてたぞ。


「あとはあなたが暮らす世界についても話しておかないとね」

「ああ、頼む」


 それがないとキャラメイクのしようもないしな。

 まあ、実はすでに少し面白い(・・・)ことを思いついたりしていてるのだが、それでも必要な情報には変わりない。


 説明を聞いたらこんな感じだった。


 ・【TO】の世界は予想通り剣と魔法の世界である。ただし銃なども存在するそうだ。

 ・全員0歳からスタート。ただし生まれてくる場所は違う。これは、世の中は不平等なことが当然なので、ゲーム的な設定だけでも十分なものだから。ただし能力は10歳の時に引き継ぐことになる。

 ・この世界は様々な種族がいて、様々な国がある。その中には種族によって差別をする国もあるので注意。

 ・モンスターがいるため命の危険が現在の地球よりも高いので、死なないように注意すること。


「ふむふむ。って産まれる場所が分からないんじゃあどうキャラメイクすればいいかわからないな」

「そりゃあそうでしょ。というか本来なら自分の能力値だって選んで決められないんだから。それくらいはあ許容しなさい」

「ま、それもそうか」


 前世の世界よりもなりたい自分になれる可能性が高いわけだから、本当にありがたいことだよな。


「……あと質問なんだが、どうして10歳から能力を引き継ぐんだ?」

「じゃあもし3つの願い事の影響でSTRがバカ高い状態の赤ん坊がいたとしたらあなたはどう思うわけ?」

「……危ないなそれは」

「そういうことよ。そもそも赤ん坊の成長スピードが速いっていうチートはこの世界に適用されないから意味ないでしょ」

「ふむ、確かにその通りだ」


 ──さて、じゃあちょいと面白い(・・・)ことして見ますか。


「──っとその前に確認しないと行けないことがあるな」

「確認?」

「そ、まず聞きたいのはこのステータスってさ数値が上がることによって身体能力が上昇するのか?俺の身体能力が上昇すると数値が上昇するんじゃないんだよな?」

「ん?どういうこと?」

「そうだな……例えば、《3つの願い事》でSTRの数値を600増やしたいって言ったらちゃんと身体能力が上昇するのかってことだ」

「え、ええまあそうだけど。実際そういう願い事があったしね。あ、願い事は『世界最強』や『魔法や技能を生み出せるようになりたい』とか、『不死』や『全ステータス最大』なんていうのは不可能になってるから」

「まあ、そんな願いが叶っちゃったら全員が魔法生み出せたりしてしまうし、全員死ななくなっちまうしな。世界最強とか全ステータス最大なんて全員が願ったらみんなで1位タイみたいな感じになっちまうし、納得だな」

「そうね。魔法や技能の創造については、あっちの世界でちゃんと研鑽すれば自ずと特別なスキルが出来るようになってるから、何か特殊なスキルが欲しかったら頑張りなさい。本当に特殊なものについては願い事をした方がいいけどね」

「なるほど。これは自殺者を鍛えるためのものだものな、魔法や技能をお手頃に疲れてしまったら努力なんてしないだろうし」

「そうね、それも狙いよ」


 だとすると、俺の願い事がもし可能なら、このスライムは驚いてくれるだろう。


「じゃあまず1つ目の願い事をしようかな」

「え? 先にやるの? 全ステータス最大は無理だけど全ステータス500までならオーケーなのよ?」

「いや、やって見たいことがあってな。もし不可能ならそうするよ。で、願い事をするにはどうしたらいいんだ?」

「そ、それは《3つの願い事》の項目をタップすればまたキーボードが出てくるわよ」

「お、ほんとだな」


 そうして俺は1つ目の願い事を打ち込んだ。


 その内容は、


 ──俺のステータスの数字を全て?に変換して欲しい。


 次の瞬間には俺の体は光に包まれていた。


◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆


体を覆うようにしていた光が治ると、俺はステータスをみてニヤリと笑った。

俺のステータスはこんな感じだ。


――――――――――――――――――――――――

ハル

《種族》__

《性別》男

《年齢》__歳

《職業》__

《レベル》???

《能力》

HP ?????

MP ?????

STR ????

VIT ????

AGI ????

DEX ????

INT ????

LUK ????

《技能》

なし

《ボーナスポイント》???ポイント

《?つの願い事》願い事の回数?/?

《称号》__

――――――――――――――――――――――――


「これで、もし俺の予想が正しいのなら……うおっ!」


 試しに軽くジャンプしてみると、とんでもない百メートルくらいはあっさりと跳べてしまった。俺自身の感覚としては十センチほどの高さに跳んだくらいだったので、その能力たるや恐ろしいものがある。


「………………あ、あんたいったい何をしたの?」


 俺がその後も身体能力についての測定をしていると、スライムのライムが口をあんぐりと開けて(いるように見えた)聞いてきた。


「ん? 見ての通りだけど?」

「いや、ありえないでしょ!?」

「……何がありえないんだ? 今現在事実として起こっているだろ? っていうかそういえばお前には俺の能力値見えてるのか?」

「え、ええまあ神だし。というか技能の中に[鑑定]っていうのもあるからそれを持ってるやつは大抵そうよ──ってそれよりもなんであんたが弱い方の神と同レベルの力を手に入れてるのよ!」

「ふうん。これでも弱い方の神レベルなのか。というか神にもやっぱり上下関係あるんだな」

「そりゃそうでしょ。じゃなきゃ仕事を仕分けられないじゃない。頑張って仕事して、やっと出世できるのよ」

「じゃあお前はまだ下っ端ってことか」

「そうね。平社員だし──ってだからそれどころじゃないでしょ!なんでそんなことになってるのか説明しなさいよ!」


チッ、流されなかったか。


俺は黙って俺が考えた面白い(・・・)ことの説明をする。

ま、実は簡単なことなのだ。


「ライムはさっき『?』は測定不能、無限みたいな扱いだって言ってて、さらにステータスの数値がそのまま自分の身体能力に直結するとも言っていただろ。だから俺はすべての数字を『?』、すなわち無限に変更するように要求したんだ」


そう、最近のネット小説では、自分が体を鍛えることによって数値が上がるもの、すなわち自分の力量を数値化したものと、ステータスの数値を上昇させることによって身体能力が上がるものの2つのタイプがある……はずだ。そこらへんあんまり明記されてないしな。


それはともかく、今回はステータスの数値が上がることで身体能力が向上するタイプだったので、全ての数値を測定不能、無限を意味する『?』に変更しろと言って願って見たのだ。


「もしかしたら全ての数字を9にして欲しいっていう願い事したら余裕で能力をカンスト出来るかもな」

「なっ! まずい! 上に報告しないと!」


ライムが慌てて誰かと会話し始めた。声が小さいためあまり聞こえないな。


ま、放っておいて能力値以外のものについても検証するか。


まずは???ポイントとなったボーナスポイントを消費してみたが、???から動くことなくどうやら無限に使えそうだということがわかった。

そういえばポケ◯ンでこういうのあったよな。マス◯ーボールを無限に使えるバグとか。あれは今思うととんでもないよな。


次は《?つの願い事》となった項目。

これも予想通りなら無限に願いが叶うはずだからな何個か願ってみるか。

その後俺はいくつか願い事をして見たが、全て滞りなく実行された。


ちなみに願い事は次の通りだ。

・種族はハーフエルフにして欲しい。

・出来るだけ差別のない平和な国に生まれたい。

・複数の思考を同時に出来るようにしたい。

・ステータスを整理する能力が欲しい。

・脳内百科事典のようなスキルが欲しい。

・無限収納が欲しい。


ここまでのことをした結果、俺のステータスはこのようになった。


――――――――――――――――――――――――

ハル

《種族》ハーフエルフ

《性別》男

《年齢》__歳

《職業》__

《レベル》001(???)

《能力》

HP 00200(?????)

MP 00200(?????)

STR 002(???)

VIT 001(???)

AGI 003(???)

DEX 002(???)

INT 003(???)

LUK 002(???)

《技能》

 〈武術系統〉[剣術](投擲)

 〈魔法系統〉[風属性魔法](雷属性魔法)[水属性魔法]

〈便利系統〉(偽装)(鑑定)(隠密)

〈固有系統〉(並列思考)(知恵の書)(ステータス調整)(無限収納)

《ボーナスポイント》???ポイント

《?つの願い事》願い事の回数?/?

《称号》__

――――――――――――――――――――――――


 ステータスは[偽装]の技能を使って変更したものだ。()内にあるのが偽装によって隠したものである。


「……それで? どうだったんだ?」


 色々やっている間にどこかとの通信を終えたライムに向き直る。


「取り敢えずあんたのステータスは変更しないってさ」

「そうか」


 ふう、これは助かった。

 これは明らかにバグの類だ。もしも神サイド、ゲームで言うところの運営サイドがダメだと言ったらアウトなので、実は緊張してたのだ。


 俺が内心ホッとしている間に理由を説明してくれた。


「簡単に言えば神の不手際なので、あなただけ例外として認めるそうよ。まあ、この願い事の力は神々の力の集合体みたいなもので、容易に戻すことが出来ないってのが本音みたいだけど」

「なるほどな。なかなか頭の柔らかい運営だな」


 まさに神運営だと言えるな。あ、神が本当に運営してるんだもんな。


「ただ、願い事はあちらの世界ではできないようになっているから注意してね?」

「む、そうか。まあ当然の措置と言えるか。じゃ、今のうちにいろいろといじっておきますか」

「そうした方がいいわね」


 むー。あとは何を願おうか……

 俺はその後いろいろと今後必要になりそうなを願い事していく。


「……まあいい、最後にもう1つ確認したいことがある」

「なに?」

「前世の記憶は持ち越せるのかどうか?」

「!」

「……やっぱり、持ち越せないのか。予想通りだな」

「あら?気がついてたの?」

「そりゃな。輪廻転生は前世の記憶を持ち越せないのがデフォルトだし。それに魂を鍛えるために前世の記憶なんていらないだろうしな」

「そ、その通りよ。それに記憶が無い方が良い人もいるからね。というか自殺するような記憶持ち込む必要もないでしょ」

「それも同意だな。じゃあ記憶を残すにはどうすればいいんだ?」

「願い事をすればいいのよ」

「あ、そう」


 俺はさらに願い事を打ち込む。


「あとはまあ、10歳になった時に自由にしようかな」

「そう?じゃあ転生させるわね」

「ああ、よろしく頼む」

「全く、トンデモナイやつだったわねあんた。あっさりこっちの手違いを突いて世の理を外れちゃうし。気がついてないかもだけど今のあんたは努力次第で無限に強くなれるのよ?わかってる?あんたほんとトンデモナイのよ?」

「まあ、俺の自殺理由を知ってりゃわかるだろ」

「…………そうね、頑張りなさいよ。あ、記憶も10歳の時に引き継ぐようになってるから」

「そうか。じゃあ行きますか」

「はいはい、あとがあるから早く行きなさい」


 こうして俺は【TO】の世界に転生した。


 あ、ショタコンについていじるの忘れてた。

次は1時間後に出そうかと。

それとさらに次の話は明日中には出したいかなと思います。

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