第五話
めっちゃ遅れた。ごめんなさい
ここは教室。新美先生は明らかに疲れた状態でノートパソコンの画面を見つめため息をつき、
「はぁ。4時間しか眠って無いのに……さてと、生徒たちの能力をまとめていきますかね―」
そう言った。しかし「喧嘩」により意識がVR空間に入れられた生徒たちは誰も返事を返してこなかった。
ふう、ついにバトルが始まったか。おそらく意識が腕輪の中に取り込まれここはVR空間だろう。そして今の状況なんだが……非常にまずい。俺は身体能力が低く「変幻自在の物体」で銃を作り戦うのだが相手、「村川風矢」との距離がなんと4メートル程。この間合いは銃使いにはとてもまずいしさらに相手は長さ1メートルぐらいのロングソードを持ちこちらに構えてきている。とりあえずジェットブーツ「J.B.T」で飛ぼうと思った。が、使い方がわからない。飛べ!と念じてみるが反応なし。と言うかそうこうしてる間に村川はこちらに来て斬りかかってくる。俺はそれを間一髪で避け、相手の気をそらそうと
「あんれえーそんな剣じゃぁ僕にはかてないよぉ?」
と、挑発してみる。当然相手は怒るわけで
「なるほどそうかい。なら、今すぐ殺してやる!」
剣の太刀筋が鋭くなる。うん、失敗だった。しかし相手から緑色の魔力がふきだしている。なるほど、緑色の魔力……風魔法か。そう思い観察しているとスパっと学ランの右肩あたりが斬られる。そろそろ捌き切れないと思い
「『変幻自在の物体』、ロングソード!」
そう言って相手に斬りかかってみたが剣で弾かれて吹き飛ばされる。そして斬りあっていたビルから落ちてしまう。今度は飛べ!と念じるのではなく足、即ち「J.B.T」に魔力をこめる。するとようやく飛べた。まるで空中でスケートをしている気分で動きは自由自在だ。俺は相手の一個向こう側のビルに乗る。場所も場所だ。相手はここまで来るのには時間がかかるだろう。
「『変幻自在の物体』、L96A1!」
そう叫ぶと全長1.1メートルの狙撃銃が出てきた。俺はすぐさま寝ころび狙撃態勢に移行し相手の頭を狙い撃つ。パーンと乾いた音が鳴り響く。確実に、当たったはずだ。そう思いスコープで相手をのぞいてみる。が、相手は無傷で立っていた。ありえない。俺は自慢じゃないがあるVRFPSでは日本代表と戦って勝ったと言う記録もある。しかしそんな俺が銃を外すだなんてありえない。と言うかもうビルから移動をしていて屋上にはいない。これではまずいと思い
「『変幻自在の物体』、手榴弾&ワイヤー!」
そう言うと今度は手榴弾とワイヤーが出てくる。この今出したものはドアノブに付けて効果を発揮する。ドアノブをひねった瞬間、即、ドカーン!だ。おそらく相手はこれで死ぬだろう。なぜなら手榴弾は単純に銃より威力が高いからだ。俺はそろそろ相手がここに来ると思いもう一つ向こうのビルに向かう。……遠くからビルを見ているとついに相手がドアを開けた。その瞬間相手ははじけ飛んだ。これで勝った!俺の勝ちだ。そう思ったが何やら不気味な音を立てて相手の体いや吹き飛ばされた場所ごと治されてくる。そして相手は
「割とやるじゃねーか!これでもくらえ!『ブーン!ブン!ブン!ブーン!』」
相手がそう言うと風の刃がこちらに飛んでくる。もちろん当たったらまともな状態ではすまされないためジェットブーツを使い逃げる。今のブンブン言っていたのはおそらく魔言だろう。
魔言は魔法を使うために必要な言葉でたとえば俺の『変幻自在の物体』、○○がそうだろう。ブンブン言っていたのにはツッコまない。
さて、どうしようか……俺お得意の銃は効かないどころか跳ね返されるし……手榴弾を使ったらなんか時間まきもどされたし……
ん?まて、時間が戻るということは相手の魔力は相当削られるのではないか?一般的に時や空間、それに創造に破壊と言った魔法は消費する魔力が大きい。まあ俺の魔力の量はかなり多いと思うが。だとするなら相手は風+時間?風の弱点は大きな質量をもつ物、つまり重い物だ。なら…………
まず移動し相手の約100m程上に行った。これなら魔法が届くはずがない。
「おいお前!そこまで行ってどうするつもりだ!『ブ――――ン!』」
相手がおそらくありったけの魔力を込めて風の刃を放ってきたが当然届くはずがない。
「おいおいどうしたぁ?そんなんじゃ届かねえぞボンクラ野郎!」
自分の思いつく相手をイライラさせる言葉を言い、こちらも次の魔法で終わらせようと魔力を溜める。
完全に溜まったところ魔法を放つ
「これで全部終わりだ!『変幻自在の物体』、An-225 ムリーヤ!」
An-225 ムリーヤとは世界で一番重い航空機で世界に一機しかない。ちなみにロシア製。おそらくこれだけの質量があれば死ぬだろう。
相手は600tもの超質量に押しつぶされて原型をとどめずして死んだ。
『勝者、西原岳流 戦闘終了』
ようやく念願の戦闘シーンが書けた。初戦闘シーンだから心配。