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流星とスイーツと初恋と  作者: ゆりかストロベリー
4/15

先生との外出、友達との約束

「へぇ~。そんな事があったんだ」

「うん。お陰で昨日の夜は眠れなかったよ」

翌日。中等部の女子寮から校舎へ向かう道中、愛華はゆりかに昨日の出来事を話した。普段から男子との会話がほとんど無い愛華にしては珍しい事だ。

「でも2年B組の東城君かぁ」

「うん。格好良いし、優しくてさ。きっとゆりかちゃんも直ぐ仲良くなれるよ」

「本当?・・・なら会ってみたいかな」

「じゃあ紹介してあげるね」

こうして2人の会話の中に特定の男子が出て来るのは珍しい事。それほど2人は同い年の男子を近付けなかったのだ。そして校舎に到着すると直ぐ、ファイルを小脇に抱えた一之瀬先生と出会った。

『おはようございます。一之瀬先生』

「おはよう、愛華ちゃんに、ゆりかちゃん」

「今日は宮瀬先生とご一緒じゃないんですか?」

「うん。今日は授業の用意があるって言って忙しそうだからね。確か吉澤君が手伝っていたよ」

「それで春樹と会わなかったんだ・・・」

「ここだけの話、抜き打ちテストをするみたいだね」

「・・・!愛華ちゃん、先に教室行ってるね」

「う、うん」

ゆりかの慌て様に驚いた愛華。しかしこの日の1時間目が数学だ、と言う事を考慮に入れれば、ゆりかが慌てる理由も何となく納得がいく。

「おやおや。ゆりかちゃんはどうしたのかな」

「きっと先生の眩しいオーラに参っちゃったんじゃないんですか?」

「そうかな?」

「そうですよ」

「それは嬉しいなぁ。ところで愛華ちゃん、今日の放課後は暇かな?」

「はい」

「それじゃあ昨日約束したカフェに行こうか」

「良いんですか?」

「もちろん。昨日、愛華ちゃんと別れた後で予約しておいたんだ。まだ開店して間もないから混雑しているだろうと思ってね」

「うわぁ!楽しみです!」

「それじゃあ寮に荷物を置いて、私服に着替えてから正門においで」

「分かりました」


「今日の抜き打ちテスト、どうだった?」

「まぁまぁ・・・かな。再テストにならないと良いけど・・・」

「ゆりかちゃんなりに努力したんでしょ?それなら大丈夫だよ」

「そ、うだよね」

昼休み。2年A組の教室の窓辺で愛華とゆりかの2人は話していた。校庭では同じクラスの女子たちがバレーボールをしている。しかし愛華もゆりかも自分の運動神経に不安があるので、積極的には参加しないのだ。そこに春樹がやって来た。

「あれ?ゆりか、お前外行かなかったのか?」

「うん。ちょっと気分じゃなくて・・・」

「ふ~ん。まっ、お前の場合ならいつもの事か」

「そんなに?」

「あぁ」

「ところで春樹はどうして校舎に居るの?いつもトレーニングとか言ってサッカーしてるじゃん」

「校庭に出ようとしたら宮瀬先生と会ってな。伝言を頼まれたから伝えようと教室に戻って来たんだよ」

「伝言って?」

「昨日のマンツーマン補習で出した課題を大至急、職員室に届けに来いだって」

「そうだ!すっかり忘れてた!」

「ゆりかの事だからそうだろう、とも言ってたぜ。んで、もう出せるのか?」

「うん」

「なら俺も一緒に行ってやるから職員室に行くぞ」

「分かった。じゃあ愛華ちゃん、行って来るね」

「うん、行ってらっしゃい」

「あっ、夢美園。2Bの生徒が廊下で待ってるぜ」

春樹とゆりかの2人が教室から出て行ったのを見送った愛華。それから春樹の言っていた事を思い出して、廊下に出た。そこには勇人の姿があった。

「あっ、東城君!」

「愛華」

「どうしたの?2Aに来るなんて珍しいね」

「実は新しいスイーツが完成したんだ。それで食べてもらいたくて」

「私に?」

「うん。どうかな?」

「東城君がそう言ってくれるなら・・・。試食させてもらっても良い?」

「もちろん。じゃあ行こうか」

愛華は勇人について行った。すると勇人は調理・被服室に行くには遠回りのルートばかり選ぶ。さすがに愛華は心配になってきた。

「ね、ねぇ、東城君?」

「ん?」

「こっちは調理・被服室へ行くのに遠回りじゃない?」

「こっちで良いんだよ」

「どうして?」

「今は他の部員が居て入れないから。それに天文部の友達から良い場所を教えてもらったんだ」


「此処だよ」

「此処って屋上だよね?」

「うん。でも正確には、この屋上にあるあの東屋に行くんだ」

「あそこに?」

愛華が驚くのも無理はない。屋上にある東屋は、昼寝をしたい生徒や、昼休み後の授業をサボりたい生徒で常に混んでいるのだ。そのような場所が空いているとは思えない。しかし勇人が東屋の戸を開けると誰も居なかった。

「誰も居ないなんて珍しいね」

「今週の土日に天文部で使うんだって。だから天文部の部員に申請しないと使えないんだ」

「それで誰も居ないんだ」

「そう言う事。それから良い物を貸してもらったんだ」

「何?」

「見せてあげるから愛華はカーテンを閉めてくれる?」

「分かった」

愛華は勇人に言われた通りに東屋にある窓という窓をカーテンで覆った。中に入る日光が無くなったところで勇人は友人に借りた装置のスイッチを入れた。すると満天の星空が東屋の中に現れた。

「うわぁ!」

「驚いた?」

「うん。これってプラネタリウム?」

「正解。普段と変わらない空間でスイーツを食べるのも良いけど、プラネタリウムみたいな空間ならもっと美味しいかなって思ってさ」

「こんなに素敵な場所でスイーツを食べられるなんて・・・。ありがとう、東城君」

「どういたしまして。僕もこの星空の下で愛華と2人きりになれて嬉しいよ」

「・・・!(と、東城君は友達として言ってるんだよ・・・ね。こんな事言われたの初めてだから、どう反応すれば良いのか分からないよ・・・)」

「どうかした?」

「な、何でもない。それより新作のスイーツは?」

「あぁ、これだよ」

そう言って勇人はテーブルの上に置いておいた箱を開けた。すると中には2種類の生地の違うスイーツが入っていた。勇人が作るスイーツの美味しさを知っている愛華は思わず目を輝かせた。

「これってミルクレープ?」

「うん。左側にあるのが少しバニラビーンズを加えたノーマルのミルクレープ。右側にあるのがチョコレートを加えたチョコ風味のミルクレープ」

「美味しそう!」

「食べて、愛華の率直な感想を聞かせて」

「わ、分かった」

昨日とは違って真剣な様子の勇人に驚いた愛華。しかし他の誰かでも、同じ部の誰かでもなく、愛華に声をかけてくれたのだから力になりたい。今日はスイーツの専門家になったつもりで食べる事にした。

「ご馳走様」

「で、感想は・・・?」

「どっちも美味しかったよ」

「そっか・・・」

「あっ、でも私としてはチョコ風味の方が好きだな」

「本当?じゃあ何か改善点とかアドバイスとかある?」

「えっ・・・私、東城君みたいに詳しくないよ?」

「それでも良いよ。僕は愛華の意見が知りたいんだから」

「そう?じゃあ、これは私の意見なんだけど・・・ミルクレープの間に挟む生クリームを工夫してみたらどうかな?」

「工夫?どんな?」

「例えば細かく砕いたナッツを入れたり、チョコチップを入れたり、とか?」

「なるほど。つまり何か1つ食感の変化が欲しいって事だね」

「うん。中に入ってるパイナップルの食感は良いんだけど、別の食感があったら2倍楽しめるんじゃないかな」

「そっか。良いアドバイス、ありがとう」


「でも、どうして私の意見を聞いたの?」

「ん?」

愛華は東屋の天井に映る星空を見ながら勇人に尋ねた。自分を頼ってくれるのは嬉しいが、どうして意見を聞いてくれたのか分からなかったのだ。

「私みたいにスイーツ素人の意見を聞くより、同じ部の子の意見の方が正論なんじゃない?それにずっと一緒に活動してるんだから言いたい事も言えるでしょ?」

「確かに・・・そうかもしれない」

「じゃあ、どうして・・・」

「僕の作るスイーツを心から喜んでくれるのは愛華だけだからだよ」

「えっ・・・」

「確かに同じ部の子としか共有できない話題もある。だけど昨日も言ったようにスイーツ&甘味研究会はただでさえ女子が多いし、そのせいかお互いに作ったスイーツに対して言うのはお世辞やその場しのぎの言葉ばかりなんだ」

「・・・」

「でも愛華だけは違う。思った事を素直に言ってくれる」

「東城君・・・」

「だから、これからも意見を教えてくれないかな?」

「私の意見で良ければ喜んで」

勇人からの言葉に安心した愛華。これからも頼らせてくれないか、という頼みに笑顔で応えられた。愛華が見せる笑顔につられて勇人も笑顔になった。

「でも、こういう空間でスイーツを食べると何だか特別な気分になるね」

「そうだろう?僕、こういう雰囲気が好きなんだ」

「私も好きだよ。ロマンチックな雰囲気って」

「そうだ。ねぇ、愛華」

「何?」

「今と同じような空間でスイーツを食べられるカフェ知ってるけど、行く?」

「行ってみたいかも!」

「それじゃあ今度の休み、2人で行こうか」


「(楽しみだなぁ)」

「・・・か」

「(東城君と2人でお出掛け・・・。どんな服、着て行こうかな)」

「・・・い華」

「(やっぱりシンデレラみたいなワンピースかな?どうしようかな)」

「愛華。聞こえてるのか?」

「は、はい!」

勇人との約束ですっかり夢見心地になっていた愛華。授業中にボーっとしてしまったのだ。名前を呼ばれて気付くと自分の近くに先生が立っていた。

「む、向井先生!?」

「どうした?ボーっとしていたけど具合でも悪いのか?」

「大丈夫です。すみません」

「そうか?でも無理はするなよ」

「はい」

「よし、じゃあ授業続けるぞ」

向井先生が教壇へ戻ったところで、愛華は今の状況に気付いた。今は英語の授業中なのだ。自分の得意な教科の授業中にボーっとしてしまった事に愛華はとても恥ずかしくなった。

「愛華ちゃん」

「あっ、ゆりかちゃん」

英語の授業が終わると、愛華は今日あった授業の道具を鞄に片付けていた。すると先に片付けを終えたゆりかがやって来た。

「今日はどうしたの?英語の授業でボーっとしちゃうなんて」

「あー、ちょっとね」

「?あっ、そういえば昼休みは何処に行ってたの?」

「えっ?」

「私が職員室での用事を終えて教室に戻って来たら、愛華ちゃん居ないんだもん」

「あっ、ごめんね。東城君に呼ばれちゃって屋上にある東屋に行ってたの」

「へぇ~。じゃあ美味しいスイーツ食べさせてもらえた?」

「うん。今日はミルクレープ食べさせてもらっちゃった」

「良いなぁ。私も食べてみたいよ」

「じゃあ今度、東城君に頼んでみてあげるよ。友達が食べたいって言ってたって」

「お願いね」

ちょうど話が終わったところで教室に宮瀬先生が入って来た。これで今日の1日は終わり。楽しみにしている一之瀬先生とのカフェへ行ける。帰りの挨拶をするとすぐに愛華は校舎から駆け出して寮に戻った。


「(取り敢えず約束の10分前には到着できそう)」

寮に戻って私服に着替えた愛華。お気に入りのワンピースにリボンのついたバッグを持っている。早足で正門の方に向かう愛華に通り過ぎる者は皆、振り返ったとか。

「(い、一之瀬先生、もういらしてる・・・)一之瀬先生!」

「やぁ、愛華ちゃん」

「ごめんなさい。私、時間を間違えてましたか?」

「いや、大丈夫。俺が早く来てしまっただけだから」

「そうですか・・・?」

「うん。それじゃあ行こうか」

「はい」

学園を出ると町に向かって丘を下り始めた。長期休暇で実家に帰省する時以外は基本的に学園から出ない愛華。こうして休暇以外で出る事は初めてだった。

「こうして私服の君を見るのは初めてだけど可愛いね、愛華ちゃん」

「ありがとうございます」

「もし俺と愛華ちゃんの関係が教師と生徒じゃなかったら付き合いたいくらいにね」

「そ・・・そんな・・・」

「俺は本気だよ。冗談は言ってない」

「えっ・・・と」

「でもこんな事言ったら宮瀬にボッコボコにされるかな。だからこれ以上は言わないよ。その代わり・・・」

「えっ・・・」

「学園に帰るまで手を繋がせてもらうよ」

慣れた様子で手を一之瀬先生に握られ、言葉の出ない愛華。リンゴ飴のような赤い顔で口をパクパクする様子はまるで金魚のようだ。そんな愛華を連れて先生はカフェに向かった。

「さぁ、着いたよ」

「此処が・・・」

到着したカフェは星の看板が目印になっている。可愛い外装とショーウィンドーに飾られたスイーツにキラキラと目を輝かせる愛華。するとカフェのドアが開いて1人の店員が出て来た。

「いらっしゃいませ。お客様は2名様でよろしいですか?」

「はい」

「あっと、4時半に予約しているんだけど・・・」

「あっ、2名様でご予約の一之瀬様でございますね。お待ちしておりました。どうぞお入り下さい」


店員に案内されてカフェの中に入ると甘いスイーツの香りがした。きっとスイーツが好きな東城君なら大喜びするだろうなぁ、と愛華は思っていた。

「けどまっさかアルバイトの初日に愛華と会うとはなぁ」

「あ、あの。どうして店員さんが私の名前を・・・?」

「おいおい。実の兄の声、忘れるなんて・・・ひどいな」

「お、お兄ちゃん!?」

案内された席に座ってすぐに愛華は驚いた。流星学院に入学して年2回の帰省でしか会えないはずの兄が店員だったのだ。しかし驚きと同時に嬉しさを感じた愛華。

「えっと・・・この店員さんは愛華ちゃんの知り合いかな?」

「はい。あっ、紹介しますね。私の兄です」

「お兄さん・・・」

「お兄ちゃんにも紹介するね。こちらは一之瀬先生。現代文の先生で、いつも私の事を心配してくれるの」

「初めまして。愛華の兄の夢美園聖夢です。いつも妹がお世話になっています」

「いやいや。お世話になっているのは俺の方だよ」

愛華が間に入って紹介をしたお陰で愛華の兄、聖夢は一之瀬先生と打ち解けていた。聖夢は宝生学院大学で教育学を専攻している。ちなみに数学と理科が聖夢の専門分野だ。

「ねぇ、お兄ちゃん。注文して良い?」

「あぁ。愛華は何が良いんだ?」

「このベリーたっぷりホットケーキ!それと飲み物はアイスのベリーティーね」

「分かった。先生は何になさいますか?」

「ティラミス風ホットケーキにしようかな。飲み物はアイスコーヒーを頼めるかい?」

「分かりました。ミルクとガムシロップはお持ちしますか?」

「頼むよ」

「分かりました。少々お待ち下さい」

そして兄の姿がキッチンに消えると愛華はボーっと窓の外を見ていた。一之瀬先生と2人でもお出掛けなはずが、その出掛けた先で兄と会ってしまったのだ。複雑な気持ちになっても仕方ない。

「愛華ちゃん?どうかしたのかい?」

「いえ・・・。ただ先生とのお出掛け先に兄が居たのでビックリしてしまって・・・」

「そういえばお兄さんとは何歳離れているんだい?」

「5歳離れています。兄は今、大学2年生ですから」

「そうか。随分お兄さんと仲良いんだね」

「そうですね。私の家は共働きで、父は海外出張が多くて家に居ませんし、母は看護師の仕事で忙しくて・・・。唯一、兄だけは私の傍に居てくれたんです」

「なるほど。それなら仲良いのも納得だよ」

それからしばらくして。ホカホカで良い香りのするホットケーキが運ばれて来た。ホットケーキにはこのカフェのシンボルである星の焼印がされていて、フルーツソースやメイプルシロップ、生クリームなどは小さな星型の器に入っている。これを見た愛華は終始、満面の笑みだったという。


「先生、今日はありがとうございました」

「どういたしまして。喜んでくれたなら俺も嬉しいよ」

流星学院への帰り道。愛華はカフェへ連れて行ってくれた一之瀬先生にお礼を言った。兄と会ってしまった事は想定外だったがホットケーキの美味しさで忘れられたようだ。

「今度、ゆりかちゃんを誘って行ってみようかな」

「それは良いね。女の子はスイーツが大好きだから」

「その時は先生をお誘いできませんけど・・・」

「構わないよ。俺はこのお出掛けで満足しているから」

「それなら良いですけど・・・」

愛華は次の予定をゆりかと行く、と言ったが本当は東城君に教えてあげたい、と思っていた。そしてその思いはすぐ叶う事になる。

「それじゃあ真っ直ぐ寮に戻るんだよ」

「はい。今日は本当にありがとうございました」

「愛華ちゃんは律儀だね。あぁ、それと・・・」

「先生と出掛けた事は誰にも言わない、ですよね?」

「うん。それじゃあ、また明日」

「さようなら、一之瀬先生」

一之瀬先生と別れた愛華は出来るだけ他の生徒に見つからないように寮へ向かっていた。普段からあまり学園の外に出ないので、私服姿を見られたくないのだ。しかしちょうど中等部の校舎にさしかかった辺りで勇人と出会った。

「あれ?もしかして・・・愛華?」

「あっ、東城君」

「どうしたのって言うか・・・何処か出掛けてたの?」

「ちょっとね。東城君は今、帰り?」

「うん」

「じゃあ途中まで一緒に帰らない?」

「良いよ」

愛華は自分の私服姿を本当は誰にも見せたくなかった。けれど出会った相手が勇人なら話が変わって来る。むしろ会えた事が嬉しいのだ。

「今日は何処に行ってたの?」

「先週、町に新しくできたカフェにね」

「あっ、スイーツ&甘味研究会でも行こうかって話になってるんだ」

「へぇ~。じゃあ先取りしちゃったかな」

「ちょっと感想、教えて」

「えっ?そうだなぁ・・・あっ、ホットケーキが美味しかった!それからお店の中はお洒落な雰囲気で、ゆっくりとした時間の流れる大人の空間って感じ」

「それは良いね。僕の部にはピッタリな場所だよ」

「なら絶対楽しめると思う」

そのカフェに行って、すぐ東城君に合うと思っていた愛華。スイーツ&甘味研究会にピッタリな場所だと勇人が喜ぶなら、愛華としても嬉しいのだ。

「でも可能なら前もってどんなメニューがあるか知りたいよ」

「そっか。何か画像がある方が分かりやすいよね」

「そうだね」

「なら私のお兄ちゃんがそのカフェでアルバイトしてるみたいだし、メニューのコピーでも良いから貰えないか頼んでみてあげるよ」

「本当?そうしてくれると助かるよ」

「じゃあ送って来てくれたら、2年B組に持って行くね」


「ところで愛華。明日は僕とお出掛けするよね?」

「うん。東城君とだから楽しみなんだ。確かプラネタリウムみたいなカフェだったね」

「そうだよ。待ち合わせは・・・10時に正門前でどうかな?」

「分かった。それと、そのカフェの名前教えてくれない?」

「それは構わないけど・・・どうして?」

「折角、そのカフェに行くんだからどんなメニューがあるか知りたくて」

「ミルキーウェイっていうカフェだよ」

「分かった。それじゃあ明日の10時にね」

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