第10話 優しき女王
歴史の中ならこの人だ!
狼牙は空を見ながら今日の天気を見ていた。
「狼牙くん!ごはんだよ!」
ゆたかはそう狼牙を呼んだ。
「ああ、今いく」
狼牙はそう言って歩き始めた。
ーーー居間ーーー
狼牙達は朝食を食べながら話をしたりしていた。
「狼牙くん。今日はことはちゃんやあきらちゃんが来るんだよね?」
ゆたかはそう狼牙に聞いた。
「ああ、久々に訓練しようと思ってな」
狼牙はそうゆたかに言った。
「狼牙」
ベリアスは狼牙を呼び止めた。
「何だ?」
狼牙はじっとベリアスを見た。
「お前、まだ力の制御が未完成だな」
ベリアスはそう狼牙に言った。
「ああ、昔の魔力なら簡単にできたことが出来なくなったからな」
そう狼牙は片手を見て言った。
「ゆたかに預けた魔力を移植する気はないのか?」
ベリアスはそう狼牙に聞いた。
「ゆたかの力を奪う気はない」
そう言って狼牙は道場に向かった。
ーーー道場ーーー
ことはとあきらはスパッツと体操服を着て戦闘体勢に入っていた。
「いくぞ!」
狼牙はそう言って片手に竹刀を持ちながらゆっくりと歩き始めた。
「抜刀・花吹雪!」
あきらの回し蹴りは狼牙を捕らえた。
しかし狼牙は片手に持っていた竹刀で攻撃を防いだ。
「そんな!僕の技が効かないなんて!」
あきらはそう言って狼牙を見た。
「隙だらけだ!」
狼牙は竹刀を片手に光魔法を発動した。
「ジャッジ・シャイニング!」
狼牙はそう言って光の斬撃に近い風圧を放った。
「抜刀・天笠!」
回転を最大にした回し蹴りは狼牙の竹刀を簡単に破壊した。
「師匠!貴方の技はもう光しかないから僕は貴方を越えられます!」
あきらはそう狼牙に言った。
「確かに、光は闇には強いがそれ以外は弱いんだ」
狼牙はそう言って片手に何かを造り出した。
「さぁ、ことは。お前も始めるぞ!」
狼牙はそう言って片手に光の槍を造り出した。
「は、はい!」
ことははそう言って自分の中の闇の人格を呼び出した。
「いくわよ!」
そうことはは走り出して弓を構えた。
「遠距離でなく近距離で戦うとはな」
狼牙はそう言って槍を構えた。
「あきら!」
ことははあきらに合図を送った。
「抜刀・彗星刃!」
あきらの蹴り技から強力なカマイタチが狼牙に向かった。
「レイジングアロー!!!!!」
ことはの弓から7つの矢が放たれた。
「光剣」
狼牙の左手には光の剣が出現した。
「お前等がいくら力を合わせても俺を越える事は無理だ」
狼牙はそう言って二人の技を意図も容易く破壊した。
「師匠!まだ戦えます!」
あきらはそう言って狼牙に立ち向かおうとした。
「やめとけ。お前にはまだ早すぎる」
狼牙はそう言って片手の光剣を消滅させた。
「しかし!」
あきらは狼牙に訓練を頼もうとした。
「やめときなさい、神山先生の力には勝てないわよ」
そう黒ことはは弓を持ちながら言った。
「そんな事ないですよ!」
あきらはそうことはに言った。
ーーー秋並公園ーーー
狼牙と優香は公園で遊んでいた。
「あれ?優香?」
辺りを見た狼牙は何か嫌な予感をがした。
「狼牙!」
後ろから誰かが話し掛けた。
「エヴィ!久しぶりだな」
狼牙はそうエヴィに話し掛けた。
「貴様も元気そうだな。」
そう狼牙はエヴィの隣に座りながら言った。
「お前ここ最近会わなかったが何かあったのか?」
狼牙はそうエヴィに聞いた。
「いや、最近教員免許を取る為に勉強をしていたんだ」
エヴィはそう狼牙に言った。
「えっ?お前教師になるのか?」
狼牙はそうエヴィに聞いた。
「まぁな、貴様も近いうちに高校の教師になると思うぞ!」
エヴィは不適な笑みを浮かべて言った。
「マスター。そろそろ帰りましょう」
そう六月はエヴィに言った。
「ああ、じゃあな」
エヴィはそう言って六月と歩き出した。
「あっ!優香探さないと!」
狼牙はそう言って目を閉じて辺りの気配を探った。
「いた!」
狼牙は優香の場所まで走り出した。
ーーー森ーーー
狼牙はゆっくりと歩き辺りを見ていた。
「あっ!パパ!!!!!」
前から優香が走って来た。
「お前、どこに居たんだ?」
狼牙はそう優香に聞いた。
「あのお姉ちゃんに遊んでもらってたの!」
優香は笑顔でそう狼牙に言った。
「君が優香ちゃんのお父さんだね」
そこには革ジャンにジーンズを履いた長髪に紅の髪の女性が立っていた。
「貴方は?」
狼牙はそう女性に名前を聞いた。
「ブーディカ。よろしく」
ブーディカは片手を狼牙に差し出した。
「ブーディカか俺は神山狼牙」
狼牙はそうブーディカに頭を下げて言った。
「子供から手を離したら駄目だよ」
そう言ってブーディカは森の奥に消えた。
ーーー神山家ーーー
狼牙は片手にエレメントカリバーを持ちながら剣の訓練をしていた。
「今までの敵とは何かが違う」
狼牙はそう言って今までの敵を思い出していた。
敵はアルテミスやダレイオス等を使って狼牙に攻撃を仕掛けた。
だが狼牙はその敵を倒した。
失われた力を使わずに。
「ん?」
狼牙は何か気配を感じて空を見た。
すると空から忍者の姿をした何かが狼牙に襲い掛かった。
「誰だ!お前等!」
狼牙はそう言ってエレメントカリバーと光剣を両手に持ちながら忍者集団に攻撃を仕掛けた。
「貴様が神山優香の父親か?」
忍者集団のボスらしき人物は狼牙にそう聞いた。
「ああ!優香は俺の娘だ!」
狼牙は両手に剣を持ちながら言った。
「ならば、貴様の娘を頂こう!」
そう言って忍者集団は狼牙に攻撃を仕掛けた。
ガキィン!
狼牙は攻撃を防ぎエレメントカリバーから赤い炎を放ち忍者集団に斬りかかった。
「中々やるな」
そう忍者集団のボスは狼牙に言った。
「娘をどうするつもりだ!」
狼牙はそう忍者のボスに聞いた。
「なぁに、貴様の娘は王の力を受け継げるか試すのさ。いわば実験体だ」
そう忍者のボスは狼牙に言った。
「そんなこと、させるわけにはいかないな!」
狼牙は両手の剣に殺意の力を込めた。
「ほう!人を殺す気だな?」
忍者のボスは狼牙にそう聞いた。
「ああ!悪いがこれも優香の未来を守るためだ!」
狼牙は二つの武器に力を込めた。
「貴様は大切にしているのか?自分の娘を?」
ボスはそう狼牙に聞いた。
「ああ、あいつは俺の希望だ!」
狼牙はそう言ってゆっくりと歩き始めた。
「殺れ!」
ボスはそう忍者集団に命令した。
「てめぇ等は役不足だ!」
狼牙はそう言って体を揺らした瞬間忍者集団109人が一瞬でズタズタに切り裂かれた。
「やっぱり、ホムンクルスか」
狼牙はそう忍者集団を見て言った。
「貴様はただの魔法使いではなさそうだな」
忍者のボスはそう狼牙に言った。
「侍だ!魔法剣士になりかけた侍だ!」
狼牙はそう言って二本の剣を忍者のボスに向けた。
「だが、貴様は俺が1人しかいないと勘違いしてないか?」
そう忍者のボスは指をパチンと鳴らした。
その時後ろから何かが狼牙の腹部に突き刺さった。
それは剣だった。
「だ、誰・・だ・?」
狼牙が振り向くとそこには赤い髪の女性ブーディカが立っていた。
「ごめんね、君の大切な娘は頂いていくよ」
そう言ってブーディカの片手には優香が抱えられていた。
「待・・・て・・・」
狼牙はその場で意識を失った。
ーーー?ーーー
優香は玉座に座られて体には3枚の何かが優香の中に流れていた。
「俺の計算に間違いがなければこいつは最強の魔法戦士になるはずだ」
1人の青年は片手に歴史の神話の本を持ちながら言った。
「ゲイボルグ・・・・バルムンク・・・・エヌマ・エリッシュ」
優香は3つの武器を少しづつ吸収して涙を流していた。
「パパ・・・・」
続く
狼牙の失われた魔法の力。
次回は狼牙が過去と向き合う。
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