第56話 消えてしまう者
失う怖さは誰にでもあります。
それを変えるのは勇気と願いと奇跡です。
狼牙とゆたかは真城は飯を食べながら話をしていた。
「とりあえずこれから先ヤバイ事が起きないか心配だな」
狼牙は飯を食べ終えて影竜を磨きながら言った。
「狼牙くんなら大丈夫だよね」
ゆたかは笑顔でそう聞いた。
「あの、狼牙さんは剣術が得意なんですか?」
真城は狼牙の持っている武器を見ながら聞いた。
「ああ、俺が剣が得意なのは父親から教えてもらったからな」
狼牙は真城にそう言って光竜と影竜を異次元ポケットに戻して言った。
「私は狼牙くんに剣術と銃撃を教えてもらったから」
ゆたかは狼牙の優しさと強さのことを考えていた。
「私も強くなりたいです」
真城はそう狼牙とゆたかに言った。
「なら、あいつ等に稽古をしてもらうしかないな」
狼牙はそう言ってケータイを片手に持ちながら電話をした。
「あいつ等?」
真城は頭に?マークを浮かべた。
「よう、鉄粋今からメンバーを集めてくれないか」
狼牙は鉄粋に電話をしてメンバーを呼んでもらった。
ーーーーーー
狼牙とゆたかと真城は砂浜で鉄粋とハウザーと如月は真城の訓練の相手をするために集まった。
「いきますよ!」
真城はバルムンクを両手に持ちながら言った。
「まずは俺が相手をしよう!」
名乗り出たのは鉄粋だった。
「よろしくお願いいたします!」
真城はバルムンクに光を集めた。
鉄粋と如月は真城に攻撃を仕掛けた。
真城はバルムンクに力を注ぎ込んだ。
「ストライクカリバー!」
吹き荒れる力が鉄粋と如月を吹き飛ばした。
鉄粋と如月は上手く着地した。
「ハァハァ!」
真城は息を切らせながらバルムンクを消滅させた。
「さすがに限界みたいだな」
狼牙はそう言った。
魔力を見た限りでは真城の魔力は狼牙よりかなり下だった。
「その剣を使うにはまだ魔力が足りていないな」
狼牙はそう言って真城の武器を見ながら言った。
「それでも私は強くなって姉さんを助けたいんです」
真城は片手を拳にして言った。
「なら、強くなるしかないな」
狼牙はそう言って真城の頭を優しく撫でた。
「なら、次は俺がやろう」
ハウザーはバーストガンナーを片手に持ちながら言った。
「お願いします!」
真城はバルムンクを片手に持ちながら言った。
「行くぞ!」
ハウザーはバーストガンナーのトリガーを引いて攻撃を仕掛けた。
真城はバルムンクで攻撃を防ぎながら反撃に出ようとした。
だがハウザーはそれを予知していたのかバーストガンナーを真城の腹部に止めた。
「あまり急ぎすぎるな」
ハウザーはそう言って真城の頭をポンポンと叩いた。
「はい!」
真城はそう頷いた。
ーーーーーー
訓練が終わりメンバーの大半は家に帰宅した。
狼牙とゆたかと真城はコンビニでおにぎりやパンを食べていた。
「狼牙君よく食べるね」
ゆたかは笑顔でそう言った。
狼牙は照れながらゆたかの頭を撫でながら空を見ていた。
「見つけたぜ!お二人さん」
現れたのは片手に武骨なハンマーを持った少女ウィラーだった。
「何でここにあなたが!?」
真城はそうウィラーに聞いた。
「何でってお前を向かに来たんだよ!」
ウィラーはそう言ってゆっくりと歩いて来た。
「悪いが、こいつを渡すわけにはいかないな」
狼牙はそう言ってウィラーを見下ろした。
「はぁ~まさかこの場所に来てお前みたいなバカに会うなんてな」
ウィラーはそう言って武骨な武器を片手に持ちながら攻撃を仕掛けた。
狼牙はそれを避けて異次元ポケットから光龍と影龍を取り出した。
「前より楽しそうだ」
ウィラーはそう言ってハンマーで攻撃を仕掛けた。
狼牙は光龍で攻撃を防ぎ影龍で炎と雷の魔法を発動した。
「炎雷二陣!」
狼牙は影龍を片手で上手く二撃もウィラーに斬り込んだ。
「がはっ!」
「トドメだ!」
狼牙は魔力を最大にしてウィラーの距離をいっきに詰めて体を横に回転してウィラーのボディに鋭い斬撃を何撃と斬り込んだ。
「ッぐ!」
ウィラーは口から血を吐きながらゆっくりと倒れたと思われた。
「甘すぎるぜ・・・・」
ウィラー顔をにやりと笑いながら片手を前に出してカードを取り出した。
「まさか!そのカードは」
真城はそのカードに恐怖した。
それは英雄や神々の力を封じ込めたカードだった。
「使うぜ!アブソーブチェンジ・トール!」
バチバチバチバチバチ!
強力な電撃が地面に激突した。
「さぁて、地獄見せてやるよ」
ウィラーは武骨なハンマーを片手で振り回しながら強力な電撃を狼牙に向けて放った。
「っち!ストライクバニッシャー!」
二つの刀を振り下ろした瞬間強力なエネルギー波がウィーラの電撃に直撃した。
「なかなかやるな、お前名前は?」
ウィラーはハンマーを片手に持ちながら狼牙に聞いた。
「神山狼牙だ」
狼牙はそう言って影龍をちらつかせた。
「久々に暴れる相手がいて助かったぜ!」
ウィラーは片手のハンマーを振り下ろした。
真上から巨大な稲妻が狼牙に降り注いだ。
狼牙はそれを全て光龍と影龍で防いだ。
その強さを見て真城は狼牙の影を見た。
そこには人の形ではなく完全な怪物の姿をしていた。
「ハァアアアアアア!」
狼牙は光龍を投げてウィラーの影に突き刺した。
「体が動かない!」
そうウィラーは言った。
狼牙は影龍に魔力を注ぎ込んだ。
「いくぜ!旋風疾風!」
狼牙は風のように速く走りウィラーの体を斬り捨てようとした。
ダァン!
その時ウィラーの後ろから銃弾が狼牙に直撃した。
「っぐ!」
狼牙は片手を押さえながら血が止まるのを待っていた。
「狼牙くん!」
ゆたかは狼牙の心配をした。
「お前等は早く逃げろ!こいつらは俺がくい止める!」
狼牙は光龍と影龍を両手に持ちながら言った。
「神山さん!」
真城は狼牙に近づこうとした。
「来るな!早く逃げろ!」
狼牙はそう真城に言った。
「でも!」
真城は狼牙の腕を見た。
「こいつらの狙いはお前だ!」
狼牙はそう言って光龍と影龍が光始めた。
「まさか、これは?」
光が消えた瞬間狼牙の片手に灰色の剣に変わっていた。
「クリスタルカリバー」
狼牙はそれを片手にウィーラに攻撃を仕掛けた。
「そんなちゃちな剣であたしのニョルニルが壊せるかよ!」
バキィーン!
ニョルニルが完全に砕け散った。
「っく!このやろう!」
ウィーラは片手にニョルニルで地面を叩きつけた。
その瞬間稲妻が狼牙の腕を貫通した。
狼牙の利き腕から大量の血が流れていた。
「ぐああああああ!」
狼牙は腕の痛みに苦しんだ。
「そうだよ!その悲痛な叫びが聞きたかったんだよ!」
狼牙はその痛みを堪えようとした。
「お前にゆたかと真城を傷つけさせやしない!」
狼牙はそう言って立ち上がろうとした。
「ゆたか?まさかその女が能美ゆたかか?」
ウィーラはそうゆたかを見て聞いた。
「えっ?」
「やっと見つけたぜ、お前と真城を連れて来いってマスターの命令だからな!」
ウィーラはそう言ってゆたかと真城に近づいた。
狼牙はふらふらになりがら立ち上がろうとした。
だが狼牙は意識を失った。
「狼牙くん!」
ゆたかの声は狼牙に届かず二人は拐われた。
ーーーーーー
暗闇の中狼牙は後ろを振り向くと黒い龍神が立っていた。
「お前は何者だ!」
狼牙はそう龍神に聞いた。
「我は、極龍鬼」
極龍鬼はそう言って狼牙に攻撃を仕掛けた。
狼牙はその攻撃を避けて片手に光龍を掴んだ。
「お前が敵なら容赦しないぜ!」
狼牙は走り出して光龍の刀身に雷のエレメントを集めてそれを極龍鬼に斬りかかった。
「ハッ!」
極龍鬼は片手でその攻撃を防いだ。
狼牙は更に魔法発動した。
「疾風斬撃!」
光龍から緑色の風が極龍鬼に直撃した。
「これで終わりか?」
「まだだ!俺は俺の生き様でお前を倒す!」
狼牙は体を輝かせてスピードを極限までに解放した。
「抜刀・彗星剣技」
狼牙は光龍を全力で鞘から引き抜き強力な斬撃を入れた。
「っぐ!」
極龍鬼は鎧が破壊され中から一枚のカードが出てきた。
「はぁはぁ、やった・・・・・」
狼牙は片手にカードを持った。
「鬼神?」
狼牙の持ったカードには鬼の姿をした男性が描かれていた。
「貴様に預けたぞそのカードを」
そう言って極龍鬼は姿を消した。
ーーーーー
狼牙は目を覚ますと薬品の匂いがする場所で眠っていた。
「目が覚めたか?」
狼牙にそう聞いたのは鉄粋だった。
がばっ
狼牙はベットから起きた。
「どうしたんだよ?」
「ゆたかと真城は?」
狼牙は鉄粋に掴み掛り聞いた。
「俺が来たときには居なかったよ・・・」
鉄粋はそう言って狼牙にゆたかの愛用武器ジャスティスバレットを見せた。
狼牙はそれを見て入院服を脱ぎ捨てて異次元ポケットから赤黒いコートを着て病室から出ようとした。
「待て!どこに行く気だ?」
鉄粋は狼牙に聞いた。
「決まってんだろ!ゆたかを助けに行く!」
狼牙は拳を強く握りながら言った。
「今のお前じゃあやられるだけだぞ!」
鉄粋はそう幼馴染の狼牙に言った。
「俺は今まであいつを守ってきただから俺は戦うんだ!」
狼牙の目は真っ直ぐで全てを貫きそうな目をしていた。
「だったら今の俺と戦え!」
鉄粋はそう言った。
ーーーーーー
狼牙は砂浜で片手に影龍と光龍を持ちながら鉄粋を待っていた。
ザっ
「待たせたな」
鉄粋はそう言って狼牙を見た。
「はじめるか!」
狼牙は両手の刀を持ちながら走り出した。
「鉄粋拳・爆撃突破!」
鉄粋の拳は赤く染まり狼牙を捉えた。
「水神一閃!」
バシュ―
狼牙は光龍の刀身に水の魔力が鉄粋の拳がぶつかり合い水蒸気が起きた。
「雷電ザンバ―」
狼牙は影龍に雷の電光が鉄粋に直撃した。
ガキィン
鉄粋は拳で狼牙の魔法をかき消した。
「これで終わりか!お前は強いはずだ!」
鉄粋は体から湯気を出して片手を灰色にして狼牙がまだ傷ついている場所を集中して殴り続けた。
「これで最後だ!」
強力な拳に狼牙倒れたと思われた。
だが狼牙は倒れなかった。
「俺はあいつを助けるまで倒れるわけにはいかない!」
狼牙の信念はまさしく現代の侍だった。
「ふっ、ハッハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
鉄粋は大声で笑いながら狼牙に近づいた。
「助けに行くか!」
鉄粋はそう狼牙に言った。
「えっ?」
狼牙は意外な言葉に驚いていた。
「俺はお前を止めようと思ったがやめたよ!お前の隣には能美が必要だな」
鉄粋はそう言って狼牙の左に立った。
「早く助けに行こう」
狼牙はそう言って歩き出そうとした。
「ああ、だがその前にその傷が癒えるまで待とう」
鉄粋はそう言った。
ーーーーーー
狼牙と鉄粋は互いに二人の仲間を助けに向かった。
「待て!」
後ろから声がした。
後ろを振り向くと二人の後ろに居たのはハウザーとソウルとライグとエヴィと六月が立っていた。
「お前らどうして?」
狼牙はそうハウザー達に聞いた。
「仲間は多い方がいいだろ」
ハウザーはそう言った。
「俺はお前の彼女と決着が着いていないからな」
ソウルは笑みを浮かべながら言った。
「わたくしはあの小娘に負けたままではいかないのですよ!」
ライグはそう言った。
「私はマスターが心配で」
六月はそう言ってエヴィを見た。
「あの女との決着がまだだからな」
エヴィはそう言って狼牙に不気味な笑みを浮かべた。
「あんまり邪魔になるなよ」
狼牙はそう言って地下ダンジョンに向かった。
ーーーーーー
巨大な扉に到着した狼牙はその扉を開けた。
ゴッオオオオオオオオオ!
その瞬間巨大な風が狼牙達を吸い込まれた。
「うわああああああああああ!」
ーーーーー
狼牙は目が覚めるとどこかにたどり着いた。
「どこだここ?」
狼牙はそう言って空を見た。
その時異変に気付いた。
木には桜の花が大量に咲いているのに空から純白の結晶が降っていた。
「何だこれ?」
狼牙はそう言って歩き出した。
ーーーーー
「誰もいない」
狼牙は目を閉じて気配を感じながら言った。
「どうなってんだ一体」
すると上から何かが落ちて来た。
それは黄色い巨大なカマキリだった。
『グギュバババ!』
カマキリは巨大な鎌で攻撃を仕掛けた。
ダァン
一つの銃声が鳴り響いた。
続く
異世界の話の始まりです。
別世界に来た狼牙は一人の少女に出会った。
彼女は何者なのか。
救い出せ大切な人を
ポイントとコメントよろ