<ドリームワールド・イン・ウイザード>~幻想を知る君へ~
オレは夢を見ていた。
現実と幻想の狭間、フラクタクルなデータの海でオレは漂っていた。
全てのチェックを終え、心地いい疲れとともにリアルティメィトオンラインの画面を見ていたオレは無数のデータに分解され同時に一つのプログラムとして存在していた。
光と融合した闇で形作られた宇宙の海でオレは無数の魂という名のプログラム群のひとつとして有り、在りそしてあった。
リアルティメィトオンライン 突然
消失 VR MMO
障害 ユーザー ゲーム データ
犯罪
謎の ハッカー 損失
殺人
組織 的 通信
声でも文字でもない情報が流れていく中で、オレは素粒子よりも小さく宇宙よりも巨大な歯車と、黒よりも暗く白よりも明るい螺子と、そして刹那よりも短く無限よりも長い部品とが、無数に集まり唯一つも存在せずに、形作られた何かに取り込まれていく。
これは何だろう?
という疑問と これを知っている という確信が同時に浮かび情報を生む。
ディラックの海のデウス・エクス・マキナ
太極の阿頼耶識
カオスのロゴス
オレにとっては機械仕掛けの神が最も馴染み深い呼び名だったが、名を持って縛られることのない何かであることもオレは知っていた。
いや、誰でも知っていて誰も思い出すことのないことなのだろう。
けして憶えることのできない夢の中だけでの確信。
その消失と同時にオレは何時かの何処かへと墜ちていった。