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エピローグ 誕生日

 遅くなり、すみませんでした。私長い話を最後まで書ききったのは初めてで……。どう終わればいいのか。結局ぐだぐだになってしまいました。


 今までで一番長かったものより、エピローグは3000文字くらい長いです。

 セリアが起きて一番に見たのは、思わず守ってあげたくなるような愛くるしい幼女だった。

 自分にこんな知り合いはいなかったはずなのだが。この洞窟にいるということは、ルーシェルかセリアの知り合いだ。セリアが覚えていないだけで、どこかで会っているのだろうか?

 ぽかんとするセリアを、皆苦笑して見ていた。

 幼女は小さい手で、セリアの額を軽くはたく。見た目に合わず結構な威力だったので、うめき声を上げてしまった。幼女は心配そうに瞳を曇らせ、そしてすぐにため息をついた。


「我が巫女よ。起きて第一声……まあ、実際に口に出しているわけではないが。それが『愛くるしい幼女』とはひどくないかの? 仮にも神に向かって」


 その声は、とても聞き慣れたものだった。艶やかな、とても幼女が出すものではない声。

 誰の声だか理解し、だが信じられなくて目を見開く。


「龍神……さ、ま?」


 今まで声を聞くだけで、その姿を見たことがなかった。まさかこんな幼女だったとは。

 幼女――龍神さまがすねたようにそっぽ向く。


「だから幼女ではないと言っておるのに。……この姿はただ、龍の姿ではそなたが驚くかと思うてだな」

「要するに、人間に変化(へんげ)すると幼女になるということだろう? 君たち神は、一億年くらい生きていたって、人間や他の生き物に変化するとセリアの歳ぐらいになるのだから。大人の姿になるには何億年も生きなくてはならないと、昔言っていた」

「うぅ。アデライード、そなたは我を子供だと言っておるのか?」


 少なくともそなたよりは長く生きている、と龍神さまは少し落ち込みながらも言う。


(え? あれ? 龍神さまは、アデルさんと知り合いなの? というか、どうしてここに皆が……?)


 ルーシェルとエデ、クロードならわかる。だがなぜ、アデライードとノエルがいるのだろう。しかも、幼女の姿の龍神さままで。思ってしまってから、そういえば龍神さまはセリアの心を読めるのだったと思い出す。幼女と言ってしまったことはばれてしまっただろう。

 あの白猫はどこにいるのだろうか。きょろきょろと探すと、隅で疲れたようにぐったりと丸くなっていた。この中でまともな説明をしてくれるのは彼だけだったのに、とがっかりする。この様子ではまともな説明など期待できそうにない。


「幼女ではない。我が巫女、本当にわかっておるのか? それから、あの白猫だけではないぞ。ここに我もいるではないか」


 龍神さまが胸を張った。そんな姿で言われても、全くえらそうに見えない。ただ可愛いだけだ。


「……のう、我はそんなにえらそうに見えないのか?」

「ええ、全く見えません」

「……そなたは、友人ができて性格が変わったのではないか? 我にそんなはっきりと言うことはなかっただろう」


 そうなのだろうか。セリアは首をかしげて、ルーシェルの顔を見た。

 彼女の()()()で変わったのなら。

 それはおそらく、セリアにとって良いことなのだろう。

 にっこりと笑うセリアを、ルーシェルは不思議そうに見た。


「我が巫女が幸せそうなのだ……」


 そんなセリアに、龍神さまは寂しそうにつぶやく。


「はい。私はとても幸せです。……そろそろ、なぜ龍神さまがここにいらっしゃるのか、説明してくださりませんか?」


 冷たくそう言い放つと、龍神さまは目を大きく開いてふるふると小さく震えた。

 よろよろとアデライードに(もた)れ掛かる。


「アデライード、我が巫女が冷たいのだが」

「私のノエルも最近冷たくなってな。……諦めが肝心だよ」


 本当に、早く説明してくれないだろうか。大体、何を諦めるのだろう。セリアがもう、龍神さまだけが大好きではなくなったからだろうか。


 そう考えると、今にも泣き出しそうな顔を龍神さまがした。だから、もちろん今も龍神さまが大好きですが、と付け足しておいた。その途端表情が明るくなって、単純な人だな、と思う。人ではなく神なのだが。

 龍神さまはセリアが単純だと思ったことに気付いていないのか、にこにこしながら説明を始める。小さな女の子がにこにこ笑っていると、とても可愛い。


「我とアデライードは、昔からの友人なのだ。……とある理由から、知り合ってな。そなたは気にしているようだが、我は捕らえられていた時何も危害を加えられなかった。ただ、少しだけ力を使えぬようされていただけなのだ」


  何だ、そうなのか、と安心する。ずっと気がかりだったのだ。自分のせいで、龍神さまの身に何かあったら。

 龍神さま自身の責任でそうなったのなら、ただ心配するだけだが、自分のせいでなったのならそうはいかない。


「……我の責任だったら、それしか思わぬのか?」

「ふふっ、冗談です」


 龍神さまなら、冗談で思っていることだってわかるはずだ。

 それさえわからないほど、うろたえるのか。そう思うと嬉しくなった。

 龍神さまが少し顔を赤らめて言う。


「我が巫女、我はそなたを愛しく思っているのだぞ? うろたえて当然ではないかの。……さて、話が逸れたな。アデライードに、大切な我が巫女の誕生日を祝うと言われたのだ。この姿では少々ためらったが、そなたのためならと思うてな」

「……龍神さま。可愛すぎます」


 照れ隠しにそう言うセリアを見て、龍神さまは微笑んだ。

 

「もう一度言うが、我はそなたを愛しく思っている」


 可愛いはずなのに、その笑みは意地悪く見えた。わざわざもう一度言ったのは、絶対にセリアの反応を面白がっているのだろう。

 自分も顔が赤くなっているな、とわかる。幼女と少女が顔を赤らめている光景は、はたからはどう映るのだろうか。

 こほん、とせきばらいをして龍神さまは言った。


「……だが、すまないと謝らなくてはならぬな。急に心が読めなくなっただろう?」


 うなずくと、龍神さまはうつむいた。


「それは我のせい……アデライードのせいなのだ。その能力をそなたに授けたのは、我でな。捕らえられている間、アデライードにそんな能力があったら人間から恐れられると聞いたのだ」

「謝らなくてもいいです。私は、そんなこと気にしていませんから」


 見つめあうセリアと龍神さまを見て、ルーシェルがぽつりと言う。


「……二人だけの世界にならないでよ。僕たちのこと、忘れてない? 僕だって、セリアのために贈り物用意してたんだから」


 そうそう、とエデも同意した。


「あたしも用意してるもーん。セリアは喜んでくれないかもだけどさ。……うん、あたしこれもらっても嬉しくないし」


 落ち込んだ様子で、持っていた袋を見るエデ。

 何を用意してくれたのだろう、とわくわくしながら、二人が贈り物を渡してくれるのを待つ。やはりあの日、贈り物を買っていたのだ。龍神さまの声を聞いたあの日。

 龍神さまはなぜわざわざ、ある者に捕らえられているとセリアに伝えたのだろうか。危害を加えられていないのなら、何も言わないでくれた方がよかった。それがなかったら、セリアは死ぬ前に二人から贈り物を受け取られたのに。


「ま、いっか。とりあえず、ルーシェルの前にあたしが渡すね」


 エデは気を取り直したように顔を上げた。袋の中から、何か長方形のものが入った包み紙を取り出す。その甘い匂いに、セリアではなく龍神さまが目を輝かせる。


「チョコレートか!?」

「い、意外に龍神さまは甘いものが好き、と。これは覚えておかないと。……そんな物欲しそうな顔をしたって、あげませんよ。これはセリアにあげるんですから」


 龍神さまに取られないよう、エデはさっと素早くセリアに包み紙を渡した。丁寧な言葉づかいが苦手だと言っていたのにそうするのは、龍神さまを敬っているからなのだろう。こんな姿ではあっても、龍神さまは神なのだ。

 受け取ったものの開けていいのかわからずエデを見ると、彼女はばつの悪そうな顔をする。うなずいたので、開けてはいいと思うのだが……。


「……溶けてる?」

「う、ん。溶けちゃってる。……けど、味は変わらない! だからほら、早く食べて」


 おそるおそる茶色いチョコレートというものを口に入れ、その甘さに驚いた。


(美味しい……)


 こんなものを食べたのは初めてだ。龍神さまが横でだらだらとよだれを垂らしているのも、仕方のないことだろう。セリアがそう考えると、龍神さまは慌てて手でよだれを拭いていた。

 エデはほっとしたようにため息をついた。


「はあ、よかった……。ん、その様子なら食べたことなかったみたいだしね。さあルーシェル、早く買ったもの渡したら?」


 エデの言葉に、ルーシェルは困ったような顔をして一歩セリアに近づいた。


     * * *


 エデの渡したチョコレートを、セリアは気に入ったらしい。

 ルーシェルは、指輪の入った箱を握り締めた。


(さっき気付いたけど……)


 セリアの指に、はたしてこの指輪はあうのだろうか。大きかったらまだしも、小さかったら指にはめられない。そうなったら、もう指輪としての意味はないだろう。


「はあ、よかった……。ん、その様子なら食べたことなかったみたいだしね。さあルーシェル、早く買ったもの渡したら?」


 エデにそう言われても、それが心配だった。

 とりあえずセリアに一歩近づいてみるが、渡してはめられなかったら格好がつかない。

 この指輪だったら、見るだけでもいいだろうか。

 セリアの瞳を見ながらそう思う。この瞳とはやはり微妙に違うが、青玉の色は似ている。


「……その、がっかりしないでね」


 そうっと箱を渡し、開けてみるように言う。

 言われた通り箱を開けたセリアは、きょとんとした。まさか、指輪を用意しているとは思っていなかったのだろう。


「これ……指輪?」

「は、はめてみて。もしかしたら、セリアの指にあわないかもしれない、けど」


 その指輪を嬉しそうに見つめる。少し迷った後、セリアは左手の人差し指にはめた。

 入ったことにまず安心し、大きすぎないか心配になる。


「どう、かな? 大きすぎない?」

「……言いづらいけど、私の指には大きすぎるみたい」


 がっくりとうなだれてしまう。

 ちゃんとこのことまで考えておけばよかった。あの時はただ、セリアの瞳に似ていてつい買ってしまったが。

 まあ、小さくなくてよかった。大きいのなら、セリアが成長すればはめられるようになる。


「だけど」


 続いた言葉に、ルーシェルは恥ずかしくなった。


「この宝石、私の瞳に似てるから選んだのね。ありがとう」

「……さあ、どうだろう」


 セリアの笑顔を見れたことに嬉しくなって、だがそれを知られないよう顔を背ける。そんなことを知られたら、セリアとエデはからかうに決まっているのだ。

 何か話を逸らせないかと考えると、まだあれを彼女に伝えていないことに気付いた。


「あ、そうだ。アートがおめでとう、って言ってたよ」


 セリアは首をかしげた。そういえば彼女にアーサーの名前を伝えていなかったのだった。


「川で会った子だよ。アーサーって名前なんだ。僕はアートって呼んでるんだ。この指輪のお店、アートに案内してもらったんだよ」

「……ああ、あの子。ふ~ん、そっか。おめでとう、ねぇ?」


 セリアはなぜだか不機嫌そうになる。


()()()()のことは放っておいて……。ルーちゃん、さっきから気になってたんだけど()()()()はどうしてぐったりしてるの?」


 アーサー。ノギス君。

 アーサーの名前を短くしないこと、ノギスを白猫君ではなくノギス君と呼んだことに驚く。

 彼女が自分の名前を呼んだことにルーシェルと同じく驚いたのか、ノギスの耳がピクリと動いた。何かを言おうとし、ノエルのことを見て口を閉じる。


「……ノギスのことも放っておこう」

「放っておくな」

「あら、あまりにもあんたが何も言わないから、そこにいるの忘れてたわ」


 ノエルの言葉に納得したのだろう、セリアがノギスを気の毒そうに見る。


「……()()()、何だその顔は。俺はこの魔女と相性が悪いんだ」

「! そう、なんだ。それは残念だわ」


 セリア、とノギスは呼んだ。あまりにもさらっと言ったので、つい聞き流してしまうところだった。ルーシェルが気付いたように、セリアもやはり気付いたのだろう。少し驚いた後口元を緩めた。

 嬉しがっているのを隠しているつもりだろうが、ここにいる皆気付いているだろう。


(……あ)


 訂正だ。クロードだけは何もわかっていないようだった。


(そういえば、クロードにまだ名前呼ばれたことないな)


 エデの名前しか呼んでいるのを聞いたことがない。必ず「おい」と話しかけられたり、「お前」と言われたり。

 まだルーシェルとセリアの名前を呼んだことがないのだ。

 そんなことを考えていたら、いつの間にかクロードの顔をじっと見ていたようだ。訝しげに尋ねてくる。


「……どうした? 俺の顔に何かついてるか?」

「え、いや、別に……。ただ、クロードに名前を呼ばれたことないなぁって」

「ああ、そういえばそうだな。気付かなかったが」


 ルーシェルが気付いたのに、本人が気付いていないなんて。以前から思っていたが、クロードはどこか抜けている。

 セリアがにっこり笑って言った。


「クロ君にもセリアって呼んでほしいな? クロ君は私に何も用意してくれてないんだから。贈り物として、名前を呼んでくれない?」

「……セリア。これでいいか?」


 満足げに笑うセリアを見て、何だかむっとする。

 これはただ、ルーシェルも名前を呼んでほしいだけで。そしてセリアのように理由がないから呼んでもらえないことに、むっとしただけだ。

 心の中で言い訳をする自分に首をかしげる。

 なぜだか、セリアとエデはにやにやと笑っていた。それから何なんだろうか、アデライードと龍神の微笑ましげな顔は?


(……それに、何でノエルは)


 もうこの顔は、鬼と言ってもいいのではないだろうか。

 寒気がしてぶるりと震えたルーシェルは、気を取り直して口を開いた。


「……」


 開いたものの、何を言えばいいのかわからず口を閉じる。そもそも自分は、誰に言おうとしていたのだろうか。


「ふふっ、クロ君。ルーちゃんのことも、名前で呼んであげて?」

「へ? いやいや、僕は別に呼んでほしいなとか、セリアだけ呼んでもらうのはずるいとか思ってないんだよ?」


 言ってしまってから、これはそう思っていると言っているのと同じではないだろうか、と考える。とりあえず、クロードはわかっていないようだから良しとしよう。


「ルーちゃんは嫌なの?」

「嫌じゃないけど……」


 何だか恥ずかしいではないか。名前を呼んでほしいと言うのは。


「ほら、クロ君。呼んであげて?」

「……ルーシェル、と言えばいいのか?」

「うん、もうそれでいいわ」


 ルーちゃんも喜んでいるみたいだし。

 にやにやと笑うセリアとエデから、顔を逸らす。


(う、ううん! 別に喜んでたりしないんだから)


 顔を逸らしたら、そのことを肯定しているようなものだ。

 そう考え顔を戻すも、どうやらもう手遅れらしい。皆の顔が何だか嫌だ。

 そしてクロードは、やはり何もわかっていない。


「……さて。あたし料理作ってきたんだけど食べよっか」

「エデ、料理できるんだ?」


 意外に思ってそう言うと、エデはすねたような顔をした。


「できるもん。あたしの両親は一応料理人だよ? 言ってなかったか」


 確か言ってなかった気がする。ルーシェルが覚えていないだけかもしれないが。

 まあいいや、とエデは持ってきたらしい料理を机に置こうとした。


「う~ん、この机じゃ小さいかな? あ、アデライードは魔法で机を創れたりする?」

「もちろんさ。私にできないことは少ししかない」

「そこはないって言うんじゃない?」


 エデが呆れたように言う。

 アデライードは気にせず、指をパチンと鳴らした。

 その途端、人数分の椅子と大きい机が現れた。無詠唱なら、指を鳴らさなくてもいいのではないだろうか。

 ノエルもそう思ったのか、椅子にさっそく座ったアデライードに尋ねる。


「なぜ指を鳴らす必要が?」

「意味はない。ただ鳴らしたかっただけだ」

「……ああはい、そう返ってくることはわかってましたよ」


 またアデライードに対しての口調がぞんざいになった。

 龍神がため息をつく。


「アデライード、そなたは昔から変わらぬな」

「ふむ、それはどういうことだろうか? 龍神」

「わからぬのか」

「……少し待ってくれ、今考える」


 馬鹿にしたように笑う龍神を見て悔しくなったのか、アデライードはあごに手を当て考え始める。


「ま、アデライードは置いとこ。早く食べようよ」


 エデが今度こそ料理を机に置いた。どこにそんなに入れてきたのだ、と問いたくなるほどたくさん並べていく。

 銀色の蓋を取ると、白い湯気が立ち上がった。


(お、美味しそう……)


 カリマの料理よりも美味しそうに見える。

 龍神は思いのほか食い意地が張っているようだ。チョコレートの時もそうだったか、椅子に座ってだらだらとよだれを垂らしている。待ちきれないのか、手で机をバンバン叩いた。


「早く、早くするのだ。我は今すぐ食べたい」

「龍神さまはわがまま、と……。覚えておきますね」


 そう言いながら、取り分ける皿と、フォークやナイフを皆の前に置いていく。もうすでに座っているアデライードと龍神を除いて、他の面々も椅子に座った。


「さ、どうぞ。料理だけには自信あるの」


 だけには、ということは他のことには自信がないのだろうか。

 料理を食べる時の作法を知らないので、とりあえずルーシェルは目の前にあった料理を口に入れた。

 エデの言った通り、彼女が作った料理はとても美味しい。ルーシェルが料理を夢中になって食べていると、セリアが口にあるものを飲み込んで言った。


「……今度は皆の誕生日をお祝いしたい。ルーちゃんもディーちゃんも、ノエちゃんも。ノギス君、クロ君、アデルさん。みーんなの」

「ふぁがみよよ。ふぉほにふぁりぇにょ……ごくん。我の名前を出さぬのはわざとなのかの? わざとなのだな?」

「はい、そうですが?」


 眩しい笑顔で言うセリアに、龍神は涙目になる。セリアは龍神が前半に言ったことを理解しているのだろうか? 口にものが入っていたせいで聞き取れなかった。


「ルーちゃん、誕生日いつなの?」


 かわいそうに、涙目になっても慰められなかったからか、龍神は本気で泣き始めてしまった。だが、龍神を心配しているのはルーシェルだけらしい。


「えっと……。一週間、後、だけ……ど?」

「「「一週間後!?」」」


 セリアとエデはともかく、ノエルに誕生日を言っていなかったのだろうか。


「ディーちゃんノエちゃん、いつ贈り物買いに行く?」

「そうだね……明日か明後日には」

「どうしてあたしも行くことになってるのかしら? ……まあ、行くけど」


 立ち上がってこそこそ話しているが、聞こえてしまっている。これは、気付いていないふりをした方がいいようだ。

 料理を食べながら、セリアたちの方を見ないようにする。


『魔女様がどうか幸せになれますように』


 ふと、その言葉を思い出す。

 指輪を買った日に思い出した時よりも、自分は幸せになっている。セリアが死んでしまった時は悲しかったが、無事に生き返らせることもできた。










 皆といれば、もっともっと幸せになれる。

 そんな気がした。




 最後なのに、もし誤字脱字や変な箇所があったらすみません。


 何だか前書き後書きで謝りすぎな気もしますが。

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