新たな世界
悠はライゼンに連れられ、山を下りた。先ほどまでの戦いが嘘のように、静けさが戻っている。
「これから、アストレア学院へ案内する。ただし、通常の手段ではないがね」
ライゼンはポケットから小さなクリスタルを取り出した。淡い青色に輝くそれは、悠が今まで見たことのないものだった。
「これは転移石。魔法使いの間ではよく使われる移動手段だ」
ライゼンが軽くクリスタルを握ると、空間が歪み、青白い光の輪が出現する。悠は思わず後ずさった。
「ここを通れば、学院の転移陣に繋がる。さあ、行こう」
悠は深呼吸し、覚悟を決めてライゼンの後に続いた。
***
光が晴れると、悠は広大な敷地の中心に立っていた。目の前には荘厳な城のような建物がそびえ立ち、周囲には活気に満ちた学生たちの姿がある。
「ここが……アストレア学院……」
悠は思わず息をのむ。テレビや雑誌で見たことはあったが、実際に目の当たりにすると圧倒されるほど壮麗な場所だった。
「驚くのも無理はない。ここは魔法使いだけでなく、世界中の人々が注目する場所だからね」
ライゼンが微笑む。
「さあ、君の入学手続きを済ませよう」
悠は大きく頷いた。こうして、彼の新たな生活が始まるのだった。
—続く—