総長との世間話
「君が知りたいのはアカシックレコードのことだろう?」「さっき校長が言ってただろう?また口を滑らせやがって」総長の声には深い思慮が込められていた。「この学園の地下には、その名の通り、すべての歴史や未来に関する記録が集められている場所がある。」
悠は驚きの表情を浮かべた。そんな場所が学園の地下に隠されているとは、思いもよらなかった。
「アカシックレコード?」悠はその名前を口にしてみた。「それって、一体どういうものなんですか?」
「アカシックレコードとは、この世界のすべての出来事、過去、現在、未来に関する情報が記録された場所だ。」総長は続けた。「誰もがその記録にアクセスできるわけではない。アカシックレコードには、非常に強力な力が宿っており、その力を制御できる者だけが、記録に触れることができる。」
悠はその言葉に驚き、言葉を失っていた。「それが、どうして学園の地下に隠されているんですか?」
「その理由は簡単だ。」総長は微かに眉をひそめ、悠を見つめた。「アカシックレコードの力は、扱いを誤ると世界を混乱に導く可能性がある。だからこそ、誰にも知られず、慎重に保管されている。」
「それなら、どうして総長はその記録に触れたんですか?」
総長は少し黙り、悠の質問を考えるように見えた。しばらくして、総長は静かに答えた。
「私もまた若い頃、その力に引き寄せられた。だが、私のような者が触れることで、未来を見る力を得てしまった。だが、それは一時的なものだ。」総長の目はどこか遠くを見つめているようだった。「未来の一部しか見ることはできない。だが、それだけでも学園にとって重要な情報が得られる。」
悠はその言葉にさらに驚いた。未来を見る力。それが、ただの一時的なものであると聞くと、その力の持つ重さに気づかされる。
「しかし、アカシックレコードにはもっと深い秘密がある。」総長は低く語り続けた。「その力を完全に使いこなすには、誰かの助けが必要だ。私のような者だけでは、世界を守るには不十分だ。」
悠は何も言えなかった。ただただ、その言葉の意味を噛みしめるばかりだった。
「君が学園で何を学ぶべきか、君自身が決めるだろう。」総長は立ち上がり、悠に向かって一歩踏み出した。「だが、覚えておくんだ。アカシックレコードの力は、世界にとっても、君自身にとっても重要な意味を持つ。」
総長は言葉を締めくくりながら、悠に静かに微笑んだ。
悠はその言葉に深く心を動かされながらも、まだ理解しきれない部分が多いことを感じていた。しかし、これから学ぶべきことが、今後の彼の人生にとって大きな意味を持つことは確かだった。
「分かりました。」悠は力強く答えた。「これからも学んでいきます。」
「そうだ。」総長は頷き、部屋を後にする悠を見送った。学園の暗い廊下が、少しだけ冷たく感じられた。




