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幻想街  作者: コードネーム・サイ
9/11

【バトル】


 島から出るための迎えの飛行船は、島全体にかかったバリア魔法を解かないと入れないらしい。

 そのバリアを解くには条件があって、アイテムを生成することがそれに繋がる。

 そしてそのアイテムは、オバケが所持しているらしい。

 つまり戦闘をしてオバケを倒し、アイテムを手に入れないと帰れない。

 

 その件を街の住人に言うと、皆が各々役割を作り、協力してくれると言う。

 女性陣はおもに、食事や飲み物の準備。

 男陣は戦闘部員。

 不思議と老人と子供は夢島にはいない。


 それからハンターが残した「清めの塩と砂糖」は、ありがたい。

 バトルをしたあと、砂糖と塩を混ぜた水を飲めるようになったから。


 なかなか条件をそろえるアイテムが集まりだした頃、ふと図書館に寄った。

 ジェシカはどうやらいないようで、ただ遠目に地球儀が光っている。

 ヴンと言う音がしたと思ったら、視覚にノイズがかかってそこにマリアがいた。

 バニーガール姿に、今回は食料袋を持っている。


 視線が合って、マリアが悲鳴をあげてあわて出す。


「いったい、どういうこと・・・?」

「あ、あの、あのね、私、実は・・・この転送機で飛行艇に移動できる体質なの」


「はぁ!?」

「ご、ごめんなさい!連れてはいけないの!これ、これ、食料。お願い、秘密にして?」


「バリアを解いたら、本当に全員、解放されるのか?」

「きっと、よ!バリアが解けたら転送機は魔法使いがいる限り使えるから!」


 そう言って食料袋を私に託すと、マリアは逃げるように図書館をあとにした。


 転送機・・・?

 魔法で?

 つまり・・・瞬間移動!?


「ジェシカ!ジェシカ!いないかっ」


 ミーミルチョコレートドリンクにブランディーが含まれていることでジェシカは多少、そのアルコールの成分に酔っていた。


 魔法使いは酔うと魔法のあつかいがおかしくなる傾向にあるらしい。

 ジェシカはへらへらとしている。


「転送機として、使えないか!?」

「そんなにエネルギーがないよ」


「そこを・・・なんとかっ」

「うーん・・・わーかっったよ、試してみる」


 ヴンと言う音がして、私は浮遊感に包まれた。

 そしてその目の前に広がったのは、和洋折衷な歓楽街の添え花たちの休憩室。


「あっらー。どこから現われたの?」

「すっごーい、魔法?」

「わーぁ、可愛い系」

「かっこいい系?」

「何歳?」


「ここはどこですか?」


 聞くに、歓楽街島。

 だいぶ距離はあるが、隣の島らしい。

 モンスターの出現に困っていると言うので、討伐の手伝いをすることにした。

 そしてそのバトルで、レアアイテムを手に入れた。


「これで・・・もしかしたらバリアが解ける9割の条件だ!」


 お礼に上質なお酒と料理が出た。

 早く夢島に戻りたいが、夢のような心地で食事をする。


 さて、どうやって夢島に戻ったらいいのだろう?

 

「このままひとりで助かればいいじゃん?」


 ・・・それはイヤだ。


 苦笑したスタッフのスーツ姿の男が、上着の内側から何かを取り出した。

 銃!?

 いや・・・この棒みたいなのは・・・


「魔法の杖です」

「教鞭みたいだ・・・」


「隣の島に転送してあげます。お土産もどうぞ」

「え、ああ。ありがとう」


 ヴンと言う音と共に、夢島の図書館に戻っていた。

 そして私が所持していたレアアイテムの存在で、夢島のバリアがうすくなった。

 街の魔法の気配を感じ取って、みながはしゃいでいる。


 もうすぐ解放かもしれない、と。

 なぜかマリアが唖然としていた。


「まさかここまで条件がそろうなんて・・・まるで夢みたい!」


 なにかがおかしい気がするけど、見た目でひとを判断したらいけないと思う。

 ただ、図書館でも思ったが、金色のバニーガール姿って初めて見た。



 あとは数日かけて、オオカミ男や塩が利く幽霊系統を討伐。

 フードローブを着た足のない存在たちが、うごめきだして気を失う。


 その倒れた私にむかって、中年の男の声がした。


「わたしたちだって表現にかかわってみたかったんだ・・・」


 ・・・どれはどうして?


「たとえ妄執(もうしゅう)になっても・・・もっと表現とかかわってみたかった・・・」


 ・・・どういう意味?


「騙されて、研究に使われた。身体や精神体を」


 ・・・だからそんな姿をして、見えているの?


「ああ、そうだよ。今回は助言だ。そろそろバリアが解かれる」


 ・・・ああ、起きないと。

 目覚めないと。

 早く・・・早く・・・


 目をさますと、バリアと共に霧が晴れていた。

 そして島の空に、いくつもの大きな花火があがった。


 驚いている私をよそに、マリアが笑顔で言う。


「みーんなー、おめーでとー!!ゲーム終了!どっきり大成功!!」


 街の住人たちが広場に集まって、そして霧が晴れたことや花火について確認しあう。

 願望ではないだろうか、と。

 そして信じがたいが、妄執を納得させるという条件をなぜかクリアした私たちに・・・

 突然の解放が来た。


 ・・・ミュイ!


「転送機を使うから多分、大丈夫」と気がはやる私にジェシカが言った。


 夢島に飛行艇が停まり、向こう側の魔法使いの力で転送機移動。

 気づくと飛行艇の中にいて、マリアがはしゃいでいる。


「素晴らしい、どっきりね!楽しかった~!!ドキドキしたわ。パパ!」


 街の皆が不思議がっている。

 保安官のジョーがにやにやしている。


「素晴らしいどっきりゲームだろう??」


 ざわつく街の住人たち。

 三つ子が「「「どういうこと?」」」と声を重ねた。


「えっ・・・だから、どっきり、だよ?」


 モモネが言った。


「私の母は芸能人をしていて、私は隠し子なの。クローン、よ」


「ホクロの件は?」


「母こと『もうひとりの私』は、ホクロを美容整形で取ったの」


 皆がぎょっとする。


「彼女が言ってたわ・・・なにかあったら臓器提供者になってもらうって」


 皆がぎょうてんしている。


「許されない!!」


 思わず叫んで、憤りが積もる。

 街のひとたちの中に、とある時期、ポスターで票を集めるひとにどこか似ている者もいる。

 他にも、芸能人や有名人にどこか似ているひとたちの集まりだ。


 ・・・そうだ、ミュイ!


 ジェシカが飛行艇の地球儀こと転送機を診た。


「途方もないパワーを使うタイプだ・・・1回二人分しかできそうにない」


 マリアがあんぐりとしていて、そしてあわて出す。


「だ、だから!どっきりなんだよね?」


 街の住人がかぶりを振る。


「魔法なんてあるわけないよね?」


 私達は少しだけ魔法が使える、と街の住人たちが言った。


「クロイド・二ローって言うのは、架空の人物だよねっ?」

「それはそうだろ。金持ちのどっきりだとしか聞いていない」


 マリアとジョーが動揺している。


「そうじゃないと・・・だって、オオカミ男は作り物で・・・」

「新薬の?」


 あわあわとしだすマリア。

 

「じゃ、じゃあ・・・ホログラムとかじゃなくて・・・お、オバケを見ていたの!?わたしたちが、本当に、実際にっ!?ありえないっ。怖いっ。楽しくないっ。どうにかして、パパ!!本当だったら残されたひとも助けてあげてっ」


「《しょうがない・・・》」


 マイクを通して老人の声が聞こえた。


「今のは誰?」

「私のパパよ。70歳の時にわたしができたの」


 転送機の使用が許可されて、エックスカリバーナをそなえてひとりで向かった。

 ヴンと音がして、気づくと薄暗い室内にいた。


 そこには鳥かごのように宙に吊された巨大な檻。

 その中に、ミュイがいる。

 眠っているようだ。


「ミュイ・・・!!」


 小声で声をかけて、手の届く分、触れる。

 びくりとこわばって目覚めたミュイが顔色を明るくした。


「鍵が必要なの。街のどこかにある。白魔女は今いないみたい」


「分かった。鍵はひとつか?」


「おそらく、8個・・・散らばってるか、オバケが持ってるって」


 そこにシーツを巻いた白魔女が現われ、急いで転送された。

 ヴン、と言う音と共に気づくと飛行艇の中にいた。


 そこには、気絶しているミュイも側にいた。

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