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幻想街  作者: コードネーム・サイ
4/11

【図書館】


 白魔女の家でジェシカとクッキーをお茶で流し込んで、図書館へ。

 ジェシカは図書館を好きに見て回りたいと言った。

 とりあえずいてくれて安心している。 

 

 膨大な量の本の中に何か隠されているんだろうか?

 全面的に本棚と本、広場に椅子と地球儀。


 ジェシカが地球儀を示した。


 ・・・なんだろう?

 この地球儀、魔法がかかっている匂いがする・・・?


 なにか関連があるかもしれない。

 地球儀が淡く光っているのはライト機能じゃないのか?


「検索事項を言え、って」


「ミュイについて、って通じるわけないか・・・」


 ジェシカが操作をすると、そこに映像が映し出された。


「ミュイ!」


 そこに映っていたのは、大きな鳥かごみたいな檻に閉じ込められたミュイ。

 その場所にも地球儀があるらしく、端に女性が映っていた。


「助けて!!霧の中の城に白魔女が・・・やばい、誰か来るっ」


 そこで通信は切れて、数十秒、唖然としていた。

 そして再度、向こう側からのアクセスで通信がはじまった。


「ミュイ!」


「大丈夫。オオカミ男たち、新薬で変化したって。一日では解決できない。休んで。ちゃんとご飯食べて。白魔女が図書館についたら、ミーミルチョコレートドリンクでも飲むといい、って。疲れが癒えるから。眠ってもいいから。条件を満たさないと、飛行艇がこの島のバリアで入れない、って。魔法が発動してるらしい」


「《誰だっ!?》」


 そこで通信は切れて、大きなめまいに襲われる。

 ジェシカが紙コップに入ったミーミルチョコレートドリンクを持ってきてくれた。

 

「もしかしてブランディーが入ってるのか?」

「毒じゃなくてよかった」


 ジェシカが苦笑して、共にドリンクをいただく。

 疲れてきた身体に、そのドリンクは確かに癒えた。

 なにより、妹の姿が見れて「まだ生きている」と予測はつく。


「条件を満たさないといけない、みたいに言っていたな・・・」


 適当に椅子に座って、そして少し目をつぶる。

 気づくと眠りに入っていたようで、夢の中に白魔女が現われた。


 まだ妹さんは無事よ。

 地球儀みたいなあの装置は、魔法使いにしか使えないからね。

 私は妹さんを誘拐するのを手伝った。

 許さなくていい。


「なんだって・・・?」


 ふと目を開けると、そこは図書館。

 どれくらい眠っていたのだろう??


「白魔女が妹をさらった・・・?」


「それは違うと思いますよ」


 そこに現われたのは、保安官のジョー。

 彼は、白魔女も行方不明中、と言った。

 白魔女はお人好しだと。


「ひとさらいの手伝いをしておいて、なにがお人好しなんだ・・・?」


 ジョーが自嘲するように笑った気がした。

 悪い夢でも見たんだね、とぼやかれる。

 咳払いをして「失礼」といずまいを正す。


「キーワードは見つかったかい?」


「いえ、まだ・・・またジェシカに頼んで地球儀の通信を・・・あれ?」


「ジェシカは魔法使い見習いだ。力の使いすぎでさっき運ばれた」


「どこに?」


「安全な場所が街には少なからずあるんだ」


「そこには魔法使いが他にもいたりしますか?」


「うーん・・・分からないな。自分はここに来て、まだ三ヶ月くらいだ」


「・・・ん?」


「ん?」


「いや、三十五年くらいだと聞いたような気がして」


「僕ってそんなに老けて見えるのかい?僕はまだ三十歳前ですよっ?」


「え、あ、聞き間違えたのかも・・・」


「え?うん。聞き間違え?それなら仕方ない。記憶がちょっと無くなってるんだ」


「時々、おかしくなったりとかしますか?」


「分からない。そんな記憶ない・・・」


「キーワードについては?」


「ああ!その話をするんだった。こちらだ」


 案内されたのはカウンターで、そこにメモが残っていた。


 どうやら探し物の時間らしい。


「魔法を発動させるから、時間内にすべての書物を探して」


 するとメモが淡く光って、その光が図書館のあちらこちらに散った。


 メモを見てみると、数字がカウントダウンをはじめている。


 30分・・・もうカウントは始まっている。



「ジョー、手伝ってくれなかっ?」


「すまないが、なにが起きているのか分からない」


「光が淡くさ、本に宿って・・・」


「すまない。よく分からない」


「もう、いい!」



 ジョーの側に積まれてた書籍の中から一冊。


 メモの端に「1/20」と表示された。


 席列のテーブルに何気なく置いてあるもの。


 一階フロアを探索して、残り「10/20」。


 二階に向かう螺旋階段の棚の中に一冊、これで「11/20」。


 二階にははしごをおもに使う場所が光っている。


 次々と探し当て、メモを見ると「18/20」残り「5分」。



「あった、端のほうに一冊ある!」



 案外と簡単に19冊目が手に入って、そして問題は20冊目。



「光が見えない・・・?視界に入らない場所か・・・?」


 

 とりあえず二階を走って光を探して、螺旋階段を使って一階に降りる。


 どこを見渡してもない。


 そこにジェシカが現われた。

 彼女の持っている本が淡く光っている。


「それをよこしてくれ!」

「どうぞ」


 メモを見ると、「20/20」残り「24秒」。


 ほっとため息を吐いて、そしてメモの内容が変る。


『魔法使いの手によって、つなぎがあれば魔法書ができる。つなぎは探した20冊の本の中』


「ジェシカ、折りがあったらどうか協力してくれ!」

「分かったよ。しょうがない」



 20冊を調べた結果、キーワードが光っていた。


 その部分をつまむと文章が出てきた。


「昔ここでは新薬の開発と生体と機械の統合の研究がなされていた。それは不老不死を手に入れるためのもので、その実験で変異した人間が街にはいる。元人間だ。クロイド・二ローは研究員で、みずからオオカミ男になった唯一。街の建物は不老不死を願う金持ち連中とそれに仕える者たちの住まう場所だった。金持ち連中はすでに亡くなってるか、オバケに変化している」


 ・・・オバケ?

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