悪戯は、本質を知らず。
「ほんと有り得なくない!?!?私が!!あそこまでしてるのにあんな塩対応でツーンとしたままなんか!!!」
「またあの子の話?いつまで構ってもらってるのさ。」
「ちーがーいーまーすー!!私が!構ってあげてるの!!!」
「どこをどう解釈したらそうなるのか分かんないわ…」
「だって?私からわざわざ話しかけてあげてるし?部活見学にも誘ってあげてるし??ドキドキさせるようなセリフいっぱい言ってあげてるし???」
「…(それを構ってもらってるって言うんだよなぁ…。)」
「じゃあそもそもなんでみっすーはあの塩対応くんを構ってあげてるわけ?」
「はぁ!?何でって…何で…何で…あれ?」
「もしかしたら、構ってもらってたのは…あはは…」
「う、うるさい!!!とにかく!!あの態度が気に入らないの!!!もっとあたふたどたばたしなさいよ!!!」
「素直になりなよ〜…みっすー、あの男の子のこと、好きなんでしょ?」
「は、はぁ!?なわけないじゃない!!!無理無理無理!!あんないつでも澄ました顔しちゃって!!クールぶってる男!!!どこが良いのよ!!!」
「僕のことですか?」
「へっ…?ふぇぇぇ!?!?な、ぬ、え、いいいいいつから!?いつから居たの!?」
「僕が澄ました顔でクールぶっているように思われてたのが判明した時からです。」
「あ、そ、そう…良かった…」
「何も良くないんですけど。別にクールぶってませんが。」
「う、うるさい!…別に本気で思ってる訳じゃ…そもそ」
「ねぇ君、名前は?」
「?…結宮夕透です。」
「え、かっこいい!SNSやってる!?交換しよ!!」
「えちょ、碧羽、いきなりどうして」
「だって!!思ったよりイケメンだったから!!」
「は、はぁ…!?!?」
「あはは…嬉しいこと言ってくれますね。」
「うん!ねぇねぇ、部活何入るの?」
「まだ迷ってるんですよね〜…」
「…行っちゃった。」
「…(むすーーーっ)」
「…どーしたの、みっすーらしくもない。」
「…依澄はさ。」
「…あいつの事…かっこいいって思う?」
「…ん〜、顔は端整な方でしょ、雰囲気も清潔感も別に悪くないし、磨けばもっと光る、ってやつ?」
「…そっか。」
「……アイス、帰る途中に買う?」
「…(こくっ)」