悪戯は、寝ても覚めても。
「よし、みんな集まったかな…じゃあ改めまして、ようこそ瀧宮高校吹奏楽部へ!部長の名塩楓です、なっしーでもかえかえでも、好きに呼んでね!」
「副部長の未橋澄夏です、中学生のみんな、よろしくね。」
「同じく副部長の途月碧だよ、仲良くしてこ、よろぴく〜。」
「じゃあまずは質問コーナーってことで…高校のことでも良いし、先輩のことでも演奏のことでも何でもオッケー!何でも遠慮なく聞いちゃってね、あ、うちの部のみんなはちゃんと答えるんだよ?じゃあ気になる先輩の元へレッツゴー!」
「(良い企画考えたもんだなぁ未橋先輩も…まぁ質問は基本2年の先輩にしかいかなさそうだし、ちょっとお手洗いに…)…ん?」
「えへへ…お疲れ様です、先輩。」
「あぁ瀬良…お疲れ。そういやお前佐月…なんだっけ、りんなだかりんねだか…。」
「あぁ、佐月凛音ちゃんですか?」
「あーそうそう、トランペットの子。その子確か転校生だったよな?」
「はい、そうですけど…どうしたんですか?」
「いや、何でもないよ。それよりせっかくの質問コーナーなのに、誰かに聞いたりしなくて良いのか?」
「…だから今聞きに来たんですけど。」
「…あぁ俺に質問なのか、何でもいいぞ。」
「…先輩…私のこと"瀬良"って呼ぶようになっちゃいましたね。」
「え?あぁ…そうやって呼んだかな、さっき。」
「…名字で呼ぶの禁止にします。名前だけしか認めませんからね。」
「…どう言う目論見だよそれは…まぁいいよ。」
「にへへ…やった、嬉しいです。」
「…昔から思ってたけど、お前って感情表現豊かだよな。いや、感受性豊かなのか。」
「…というと?」
「喜怒哀楽が昔からはっきりしてたよ。嬉しい時は屈託のない笑顔で、辛い時は大粒の涙で…お前、卒業式俺より泣いてたもんな。」
「う、うるさいです…悪かったですね、お子ちゃまで…。」
「別におちょくってるつもりは無いよ、お前のそういうところ、変わってなくて安心したよ。」
「…なんか複雑です。大人になってるって言ってほしかったです。」
「それは何年先の話だかな〜…。」
「はぁ............先輩のバカ...。」
「...ま、そういう訳で。凛音ちゃんと仲良くするんだぞ。」
「え、先輩どこ行くんですか?」
「…いや、俺に質問なんか来ないだろうしお手洗いにでも行こうかと。」
「…そっちの方が好都合かもですね。」
「え?どゆこと?」
「…何でもないです。」
「あぁそう…んじゃ、また後で。」
「はい。」
「あれ、千歳千歳、あの先輩どこ居るの?」
「…わかんないな、そこら辺いると思うよ。」
「ほんと!?ありがと!」
「…あ、ハンカチ忘れた…。袖で…」
「…ゆ、結宮さん…!」
「え?あぁ…凛音ちゃん。久しぶり。」
「っ!…お、覚えててくれたんですね、名前…。」
「そりゃまぁ…。てか凛音ちゃんが覚えてくださいって言ったんじゃん。」
「それはそうですけど…ほんとに覚えてくれてるとは…思ってなくて。」
「そう?それなら良かった。」
「はい…あ、あの、先輩…っ。」
「ん?」
「千歳ちゃんのこと…どう思ってるんですか…?」
「…どうっていうのは。」
「それは…いい子とか…わんぱくとか…その…す、好き…とか…。」
「う〜ん…考えた事なかったな、まぁ…後輩だな。良くも悪くもそんだけだよ。」
「…わ、私は…どうなんですか…?」
「…凛音ちゃん?」
「…はい。」
「えっと…何だろう、この間知り合ったばっかだし…いや、えっと…まぁ…。」
「………ぐすっ。」
「あ、え、何で泣いてるの!?」
「だ、だって…うぐっ…っ。」
「…忘れちゃったんですか…?先輩…。」




