悪戯は、挙げ句の果てに。
「今日も練習お疲れ様!1つ連絡で、来週に瀧宮中の吹奏楽部と交流会するから!もちろん軽い合奏とかできたら良いなと思ってるし、レクリエーションもたくさん用意してるから把握よろしくね!今日パートでいない人がいたらLINEかなんかで伝えてあげてね!以上、おつかれさま!」
「ここはaccel.で…piu mossoもあるのか、こりゃ忙しい…。」
「お兄ちゃん、なんか高校の人きたよ。」
「え、高校…分かった、今行くよ。ありがとう。」
ガチャ
「…え、未橋先輩…!?」
「…澄夏って呼んでよ、ばか。」
「あごめんなさい、つい…。でも何で家に…?」
「来週末、瀧宮中と交流会するからってかえかえが。それより大丈夫?体調…。」
「あぁいや…こんなの大したことないんで。心配には及ばないですよ。」
「…ちょっとおでこ貸して?」
「あ、はい。でも熱はそんなにないですけど…。」
ちゅっ
「…あ、え…?」
「…早く治るためのおまじないだから、ね…?」
「あ、はい、えっと…。」
「…ねぇ夕透くん…。」
「どうしました?」
「…私、最近すごい頑張ったんだ。」
「そりゃ…先輩はいつも頑張ってますよ。」
「きゅ、急にそんなこと言うのだめ、嬉しいけど…。」
「…ごめんなさい。」
「瀧宮中とのレクの内容もスケジュールも先生との打ち合わせも…全部私がやったんだよ。」
「全部先輩1人で…?よくやりましたねそれ…。」
「でしょ、頑張ったの。それで、えぇっと…。」
「何かありました?」
「いや、あのね、その…。(もじもじ)」
…何故かいつになく先輩がもじもじしている。スタイルが良く然程自分と身長差のない先輩だが、今は2、30cmほどの差を感じるくらい、先輩が縮こまっている。
…もしかして、いやきっと違うとは思うが…お花を摘みたいのではないだろうか…?じゃないとあのもじもじに得心できない。
「あの、先輩…?」
「あぇ、ど、うしたの…?」
「トイレなら、好きに使ってくれても良いんですよ?」
「…はぇ、?」
「いやその…すごいもじもじしてたので先輩が…。」
「…!?そ、そんな訳ないでしょ!?………っ!!!バカ!!!」
ぎゅっ
「せ、先輩!?」
「…もっと褒めてよ、よしよししてよ、私頑張ったんだもん、なのにちょっと労っただけで終わっちゃって…。」
「…え、偉いですよ、先輩。」
「…褒める時には一緒にすることがあるでしょ、?」
「…えっと…。」
なでなで
「よ、よしよし…。」
「…んん…。」
「せ、先輩、ちょっとハグが力強くないですかね…?」
「うるさい、黙ってよしよししてて…。」
「…はい。」
「…夕透くんは…女の子なら誰でも良いの…?」
「な、何の話ですか?」
「…今私に抱きつかれて、ちょっとドキドキしてるでしょ。」
「そ、それは…当たり前じゃないですか…?」
「…かえかえとか、深凉ちゃんにハグされても…どきどきしちゃうの…?」
「それは分からないです、されたことないので…。」
「…ダメだよ、私以外にどきどきしたら…。」
「…と言われましても…。」
「私は夕透くんだけだよ、君だけしか目に入らないもん。だから…」
「…私のこと…もっと独占して…?」




