悪戯は、切り札と化す。
プゥゥゥゥゥゥゥゥン
「…なんか間抜けな音出すの上手いですね。経験者ですか?」
「バカにしてるでしょその言い方!!これでも真面目なんだから!!」
「真面目だったんですか、なら下手くそですね。」
「うるさい!!!ちょっと自分が楽器できるからって調子乗んないでよね!!」
「結宮くんはもう部活決めた?」
「名塩先輩、こんにちは。」
「うんうん、名前を覚えているとはできた後輩だ…」
「部活は帰宅部でいいかなぁと思ってます。」
「…え、吹奏入らないの…?」
「…まぁ…やる気も無いですし…」
「………。」
「…先輩?」
「…ぐすんっ…」
「せ、先輩!?なんで泣いて…?」
「あーあ、泣かせちゃったね〜うちの部長、こりゃ重罪だ。」
「碧さん…いや、別にそんな酷いことはしてな」
「女子を泣かせた時点でOUTなの。」
「…すみませんでした」
「んで?泣くからにはそれなりの理由があったんだろうね?」
「…いや、帰宅部になることを伝えただけなんですけど…」
「…え、それだけ?」
「はい。」
「…別に悪いことしてないね。」
「自分もそう思います。」
「行っていいよ。」
「ありがとうございます。」
「なんで!?だってこんな有能な人材を目の当たりにして誘わない方が変じゃ」
「はいはい結宮君ぐらい上手くなろうね〜練習練習〜」
「やだぁぁぁぁぁ!!!!!」
「それは…災難だったね?」
「全くですよ本当に。」
「でもそれだけ夕透君の演奏が綺麗ってことじゃないかな!私もすっごい聞いててうっとりしちゃったし!」
「ありがとうございます。でも僕は帰宅部で高校生活を終えるという固い決意があるので…」
「…私…。」
「…?」
「夕透君と練習してみたいな…だめ…?」
「……。」
何これ泣き落とし?上目遣い可愛いけどぶりっ子感の方が強いから逆効果なのでは???
「…まぁ考えておきますよ。」
「ほんと!?やったぁ!…私夕透君のそういう所…好きだな。」
ふっふーん!!これでどうよ!!!必殺・そういう所好きアタック!!!こんなん惚れない男子居ないでしょ!!!だって…す、好きって!!!言ってるんだから!!!さぁ覚悟しなさい猫かぶったこのむっつりめ!!!
「ありがとうございます。そういうって貰えて嬉しいです。」
…は、はぁ…!?!?!?
更新サボりの助…