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悪戯は、打たれ弱い。

「お待たせ!ブラシ先使う…?」

「あぁ…じゃあ、お言葉に甘えて。」

「おっけー、じゃあ私バケツで水流すね!」

「ありがとうございます。」

ゴシゴシゴシゴシ

「…依澄さんは。」

「ん?」

「何で俺の事を誘ったんですか?」

「えっ、あ、えと…その…まだペアが居ないように見えたから…誘っても良いのかなって思って…嫌だった…?」

「いやいや!まさかそんな訳、気になっただけですよ。ありがとうございます。」

「う、うん…」

「でも男子たちこぞって女子を誘ってたんですよ、何でなんですかね?言い伝えでもあるんでしょうかね。」

「ふゃっ!?(ビクッ)い、いや…どうなんですかね、私にはさっぱり…。」

「ふーん…依澄さんも分かんない感じですか。不思議ですよね。」

「う、うん…そうだね。」

こりゃ依澄さんはジンクスの事を分かってて俺を誘ってくれたのかなぁ…ありがたい話だが、もっと仲良くなりたいなら直接言えばいいのに…そういった、言い伝えの何かで結ばれたい人も居るのだろうか。まぁ繋がり方の希望は人それぞれだし…

「あっ!危な」

バシャーン!!!

「…っ…冷たっ…依澄さん大丈夫ですか…?」

「ごめん!!ホースの水加減ミスった!!目とか入ってない!?」

「あーうん、大丈夫!気にしないで!」

「夕透くん、大丈夫…?」

「気にしないで下さい、依澄さんが濡れて風邪でも引かれたら困りますから。」

「あっ…ありがとう…。」

「はい。じゃあ掃除続け」

ぐいっ

「うぉっ…え、依澄さん…?」

「夕透くんってさ、髪長いよね。」

「…まぁ、それは…そうですね。」

「…私さ、夕透くんの目、ちゃんと見てみたいな。」

「目…ですか?別にそれくらい」

ごそっ

「え、ちょっ…」

「…どうしたの?そんなにそっぽ向いちゃって。」

「いや、その、近いので…」

「えへへ…だって、こんな髪長いのに、遠くからじゃ目、見えないよ。」

「…そうですか。」

「ほら、髪どけるよ?」

かさっ

「………………。」

「…んふふ、綺麗な黒目だね。」

「ありがとうございます…?」

「まつ毛も長いし…夕透くん、顔立ち綺麗だよね。」

「そうですかね…あんまり言われたことないですけど。」

「うん。…かっこいいと思う…よ。」

「あはは…ありがとうございます。」

…何故こんなに近くで自分の顔をまじまじと見られなければいけないのだろうか。見て面白いものでも無いだろうに…。だが、やられっぱなしも気が済まない…。


「ごめんごめん!じゃあ掃除続け」

かさっ

「ひゃ…っ…?///」

「…自分も依澄さんの顔、近くで見ようかと。」

「あゃ、だ、だめ…っ…。」

「…なんで自分はダメなんですか。」

ぐいっ

「んぇ、ちょ、ち、かぃ…///」

「…どうしたんですか。そんなにそっぽ向いて。」

「……ち、ちかい…から…っ。」

…いじめすぎたかも知れない。もう顔が…真っ赤っかだ。絵に描いたような赤面である。これじゃあいつら変態とやっていることは変わらない。

「すみません、近すぎましたね。」

「あ、いや、その…うん…。」

「掃除続けましょう。ここ水垂らして貰えますか?」

「う、うん…。」

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