悪戯は、満更でもなく。
「…勉強を教えて欲しい?」
「うん…実はさ、あんまり数学が得意じゃなくて…夕透君理系って聞いたからさ?今日部活ないし良かったら教えて欲しいなって…」
「あぁまぁ…そういうことなら。」
「ほんと!?ありがとう助かる〜…!!!」
「…あ。」
「ふはは、ここで会ったが100年目!私名塩楓の相手を」
スッ…
「ちょぉぉぉい!部長を無視するな新人!!!」
「いやちょっとこれから用事があるので…」
「ふーん…珍しいね、何するの?」
「水都さんが数学教えて欲しいって言うんで水都さんの家に伺って個別指導をしようと…」
「あ、えっ、あ、そっ…か…」
万が一すみすみに見られたら…修羅場に巻き込まれちゃうなぁ…イケメン君…。それに…。
「…あっ、あのさ!」
「はい?」
「もし…なんだけど、良かったら私も着いて行って良いかな…?」
「…えっと、それは…」
「あもちろん勉強の邪魔はしないよ!?ただ…その…」
「?」
「…ゆ、ゆうと…」
「ゆうと?」
「…優等生の深涼ちゃんの家って気になるじゃん!?!?あんな上品な所作なんだしお家も凄いのなって気になって…だめ?」
「…まぁ、俺は別に良いですけど。」
「ほんと!?ありがとう!!じゃあ私カバン取ってくるから!玄関で待ってて!」
「お待たせ!じゃあ行こっか。」
「はい。」
「そういえば結宮くんってさ、何でホルン始めたの?」
「母さんがトロンボーンやってて。どうせなら子供にも楽器をやらせようって。んで金管楽器で子供の俺でも持てそうなのがホルンだったからじゃあホルンやろうってことで。いもうとはチューバやってましたね。」
「え、妹ちゃん居るの?」
「あ、はい。そういえば言ってなかったですね。中2と小4の妹が居ます。」
「へぇ〜…なんて言う子なの?」
「上が璃夜、下が宵です。」
「なんでそんな君の家系はかっこかわいい名前ばっかなんだ…」
「まぁ…親が親なもんで…厨二が抜けなかったんですかね…」
「ふーん…写真とか無いの?」
「あぁ、こないだ3人で撮った写真が確か…これですね。」
「わ、え、可愛い…え、ほんとに中学2年生?」
「はい。理科に手こずってる中学2年生です。」
「…あと…結宮くんの頭の…これは…」
「いや、これは俺の趣味じゃ…本当は宵の頭の上につける用の猫耳だったんですけど…頭が締め付けられるのがまだ苦手みたいで。璃夜は髪セットしてたんでただのマッシュの俺が付けることになりました。」
「そ、そっか…(かわいい…)」
「なんか嬉しそうですね。」
「いや、そんなことな」
「あれれれ!?かえちいつの間に彼氏出来たの!?」
「ま、まっぴー!?えと、あ、違くて、これは…」
「やるなぁかえちも!!!しかも…中々イケメンじゃん。(ボソッ)」
「は、はぁっ!?違うからこれは!!!」
「…先行っときますよ。」
「あ、ちょ待って、ごめんまっぴーまた明日!!!」
「あちょ、逃げんなし!!!!イケメンくーん!!幸せにしてあげてね!!!」
「うるっさい!!!!」