悪戯は、君にじゃなきゃ。
「…………(むっすぅ〜…)」
「…ねぇねぇ、なんであんなに深涼不機嫌なの?」
「さぁ…?誰かと喧嘩でもした…のかな?」
「違いますぅぅ〜!!」
「じゃあ何でさ?」
「…なんか…慌てないのが…新鮮で…悔しくて…。」
「うん、何の話してるの?」
「悔しいんだよぉぉぉ!!!んもぉ〜!!!」
結宮君…初めて私が話しかけても動じなかった人…
「…絶対、ドキドキさせてやるんだから…!!!」
「だから何の話してるの?」
「野球部入りませんかぁぁぁ!?一緒に伝説作りましょ〜う!!!!」
「そこの君!サッカー興味無い!?」
「耳かきやってみない!?いや、絶対ハマるって!」
どうやら部活動勧誘の最中らしい…あの人達も大変だなぁ…あ、早く帰ってアニメの続き見なきゃ。
「夕透くん!」
「…あれ、どちら様ですか?」
「もう!!入学式で君の面倒見てあげた深涼だよ!水都深涼!」
「あぁ〜…その節はどうも…何か用で?」
「夕透君は何か部活動入るの?」
「いや…別に友達作りたい訳でもないし…筋肉付けたい訳でもないし…入らないと思いますよ。そういう水都さんは?」
「…名字呼び…(ボソッ)」
「どうしました?」
「い、いや!何でもない!私は吹奏楽部入ろうかなぁって!中学でも吹奏入ってたからさ!夕透君は何か部活してたの?」
「自分は少しだけ………。」
「ん?どうしたの?」
「………いや、何もしてなかったですよ。」
「へぇ〜…じゃあ良い機会じゃん!何か始めてみたら?」
「……検討しておきます。」
「ツレないなぁ〜…じゃあさ、一緒に見学して行かない?」
「ちょっと今日は用事が…」
「………やだ。」
「はい?」
「夕透君とじゃなきゃ嫌だ。」
「…いやそんな事言われてもなぁ…。」
「お願い!絶対見るだけでも楽しいからさ!ね!?」
そんな風に懇願されちゃ断りづらいんだけど…はぁ。
「…分かりましたよ。一緒に行きましょう。」
「本当!?ありがとう…!」
「…明日で20話分…キツいか…?」
「…私夕透君のそういう所…」
「好き…だな。」
「はい、ありがとうございます。」
「…え?」
「さ、時間も有限ですし、急ぎましょ。吹奏行くんですよね?」
「あ、うん…。ご、ごめん、私トイレ行ってくるね?ここで待ってて!」
「あ、はい。」
「何なの…!?私がせっかく…す、好きって!好きって言ってあげたのに!!ありがとうございます!?感想薄すぎでしょ!!!ペラッペラにも程があるでしょ!?」
もう許さない!私を本気にさせた罰、とくと思い知るが良いわ…!!!