悪戯は、動揺を隠せず。
「…はぁ。」
何故か急にお見舞いに行かせようとしてきたアホのせいで本当に家に行くことになってしまった。何故かあいつは住所を知っていた。怖い。
「ん、ここか…まぁまぁデカイな。」
「…あ、あれ?結宮…さん?」
「あ、お友達の。」
「あ、まだ自己紹介したことなかったですよね、深涼の友達の杠依澄って言います。よろしくね。」
「結宮夕透です。よろしくお願いします。」
「それで…何で結宮さんはここに?」
「あーいや、その…お見舞いを…」
「え、深涼体調崩してるんですか?」
「あーいや、ただの予想というか悪ふざけというか…」
「?ま、まぁ、それなら良かったです。私も同じです。ちょっと様子が気になって。」
「まぁじゃあ行きますか。」
「あ、私は帰りますね。」
「え、ここまで来たのにですか?」
「私、家近いんです。すぐに帰れるので。あと…」
「深涼が今求めてるのは…私じゃないと思うので。」
「…は、はぁ…。」
「じゃあ、どうかよろしくお願いします。」
「は、はい…。」
「な、ななな、なんで、結宮君がっ、、?」
「いや、何か…深涼さんの事が気になって。」
「…ふぇ…?///」
え、えぇぇぇぇぇ!?!?こ、これって、そういう、事、だよね…!?!?好き!?ってこと!?!?
「…え、えぇっと…ありがとう…。」
「いやいや。それで、なんで休んでたんですか?…って、その様子だと…」
「あはは、夏風邪ならぬ春風邪引いちゃった。えへへ。」
「笑い事じゃないんですけど…はい、これどうぞ。」
「え、えと、これは…?」
「来る途中のコンビニで買ってきたんです。胃に優しいものとか飲み物入ってるんで。お大事にしてください。では。」
「えぅ、え、あ…」
居なくなってしまう。彼が。ここから。
耐えられない。絶対。これ以上…
ぎゅっ
「…え?」
「…ま、待って…」