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僕には関係ない
「お~、また瀬戸違うやつ連れてんな~」
大学の教室から下を眺めていた周が言った。俺もその言葉につられのぞく。
瀬戸とは大学に入ってから知り合った。初めは、遊び人という印象の強かった瀬戸だが、中身は至って真面目で友達思いないいやつだった。
そんな瀬戸と付き合いだしたのが3か月前。そして、分かれたのは1週間前。
「いーの?晶?」
「別に」
もう、僕には関係ない。窓から視線をそらしケータイのアドレス帳を開く。
―瀬戸啓太ー
―削除-
―よろしいですか―
―はい―
俺と瀬戸をつなぐものはなくなった。他人になった。
もう、僕には関係ない。
最後に一度窓の下を覗き込んだ。