料理人に興味津々
続きました。
「うーちゃん、起きて! 遅刻するよ!」
「わかった。起きてる、起きてるから布団引っ張らないで」
「もー! はやくしてよね!」
朝から元気な美羽はドタドタとリビングへ去っていった。
あぁ、今日も学校だぁ...めんどくさい。たまにはお前が来い。制服に袖を通し、髪を整えて一階へ降りていく。
「おはよう、麗羽。朝ご飯は?」
「食べるー」
朝ご飯を食べ終え、一息ついたら学校へ出発。美羽は…もう出ちゃったみたいだね。
「行ってきまーす」
「おはよう、麗羽!」
「おはよ、美姫ちゃん」
下駄箱で美姫ちゃんと遭遇。
昨日はよくも置いていったな。ま、そのおかげで文乃さんと話せたから文句は言えないんだけどね。
上履きに履き替えて、ざわざわした雰囲気の中で教室へ向かう。みんな朝から元気だねー。
「おはよう、麗羽ちゃんと玻璃さん」
「ん、おはよ。文乃さん」
「おはよっ、つつじ姫ってあれ? 二人ともいつの間に仲良くなったの?」
「ふふ、昨日二人で遊んだんだよね?」
「そうそう」
意外な組み合わせだね~なんて言いながら席に着く美姫。あんまり興味なさそうですね。
担任の先生が来てホームルームが始まる。
チラリと文乃さんの方を見ると、ちょうど振り返った彼女と目が合った。なんか恥ずかしい。
「やっっとお昼だぁ~」
ぐでぇ~と体を机に突っ伏して一息。
机の冷たい感触が心地良い。でも椅子が固いのでお尻が痛い。
「麗羽ちゃん、一緒に食べない?」
声の主に顔を向けるとプラチナ美少女。文乃さんだ。昨日の今日で懐かれた...?のかな。
「いいよ、ここでいい?」
「うん」
文乃さんは隣の子の椅子を借りて、私の机にお弁当を広げる。彩り鮮やかなお弁当。冷食まみれの私のとは比べものにならないねぇ。料理人か? 専属料理人か?
「豪華だね。せ、専属料理人とかが作ってるの?」
「ううん、これはマ...お母さんが作ってくれてるの」
「優しいママだね」
「もうっ!聞き逃してよぉ!」
怒ったように肩をポンポンしてくる文乃さん。全然痛くない。
「そういえば麗羽ちゃん、今日の放課後は空いてる?」
「ん? 空いてるよー? またあそこ行きたいの?」
「うーん、別に場所はどこでもいいんだけど。麗羽ちゃんと話したいなって思って。帰ったら寝ちゃうでしょ?」
なかなか嬉しいこと言ってくれますね...一言多いけど。そして否定も出来ない。
「う、うん。でもこの辺だとあそこくらいしか遊ぶとこないよ?」
「あっ、じゃあさ。私の家はどう?」
「え、家って文乃さんの...?」
「そう!」
「文乃さんの親御さんとかがいいなら構わないけど…」