強引にごーいんぐ?
「文乃さん、そろそろ戻らないと」
「やだ......」
やだ......じゃない、昼休みが終わっちゃう。腰にまとわりつく文乃さんを引き剥が......せないっ。ぐぎぎっ。
「ちょっと文乃さんっ......離してっ」
「GW泊まりに来てくれたら離れるっ!」
「......急に何言ってるの」
おねがいおねがいおねがーい!って顔をぐりぐりと擦り付けてくる文乃さん、小さい子じゃないんだからヤメテ。
「ダメ?」
あの日のお泊まりから遊びに行くのを控えてたのが影響したのか、心做しかいつもより強引な文乃さん......いや、いつもこんな感じか。
「......いいけど、文乃さんは予定ないの?」
「勿論あるよっ! 麗羽ちゃんとイチャイチャ三昧♡っていう予定がっ!!」
「ふーん。」
その予定、私初知りなんだけど。いつから決まってたんだろう。
「...わかったから離して」
「あと五分!」
......もう
「じゃあ明後日迎えに行くね!」
「ん」
そういうことでGWにお泊まりすることになった。家でごろごろが文乃さんの家でごろごろに変わった。違った、いちゃいちゃ。
「えー!! うーちゃんも一緒に行こうよぉ!」
「予定あるから、ごめんね」
家族で遊園地に行くらしい、私は行けないし行く気もない......美羽には悪いけど。駄々をこねる美羽を何とか宥める。
「お土産買ってきてあげるね!」
「ん、ありがと」
頭を撫でると目を細めて嬉しそうにする美羽、姉離れはまだまだ先だね。
家族を送り出し、ごろごろしながら文乃さんの迎えを待つ。......まだかなぁ、なんだかんだ楽しみにしてる私。
「またオムライス食べたいな」
前にご馳走になったふわとろオムライスを思い出していると、スマホが震えた。
「......もしもし? 」
『おはよう麗羽ちゃん♪ 今から行くね!』
「ん、わかった。......別にメッセージでもよかったのに」
そう言いつつもほんとは嬉しい、でもそんなこと言うと文乃さんが調子に乗るから絶対に言わない。
「だって麗羽ちゃんの声はやく聞きたかったの♡」
「......そ、着いたら教えてね」
素っ気なく答えて通話を切り、何故か緩む頬をクッションを抱えて抑える。
もう......あとちょっとで文乃さん来ちゃうのにニヤニヤが治まらない。なんでああいう恥ずかしいこと簡単に言えるかな。
悶々している間に通知が来た、着いたよ♡という文字が見える。最後に忘れ物と戸締まりの確認をして玄関を出た。
「お待たせ、麗羽ちゃん。ささ、乗って?」
微笑みながら私をエスコートする文乃さん、とても機嫌が良さそうだ。運転手さんに挨拶して文乃さんの手をとり、車内に入り込む。
いい感じのポジションを見つけて落ち着くと、文乃さんがグイッと距離を詰めて隣に座る。......狭い、こんなに広いんだからわざわざそんなに詰めなくてもいいのに。
「麗羽ちゃん、お昼は食べた?」
誰も見てないことをいいことに肩に手をまわし、耳に囁きかけてくる文乃さん。こそばゆい。
「まだだよ」
空いた方の左手はいつの間にか私の太ももを撫でている。......むっつりさんめ。
「あうっ」
文乃さんの左手を抓りながら、少しだけ睨む。すると文乃さんはしょんぼりして太ももから手をどかす。ふん。
「......そういうのは後でね」
そう付け足すとすぐに笑顔が戻った。チョロい女だぜ。
電音部のハラジュクエリアがとってもかわいいです。




