漏れ出た真相。溢れ出た深層。
続きました。
「な、なにこれ...」
部屋を入った私の目に映ったのは壁いっぱいに貼られた写真。机の上の四枚のモニターには同じような映像が流れていた。
「こ、これ。全部...私...?」
そう。部屋の中にはおびただしい程の衣鳩麗羽がいた。
特に多いのは学校での私だ。授業中にノートをとっている私。休み時間に寝ている私。お弁当を食べている私。そして、モニターの映像にも似たような私がいた。体育で運動している私。着替えている私。そして、文乃さんとハンバーガーを食べている私。文乃さんの部屋で寝ている私。極めつけはどうやって撮ったのだろうか、私の部屋の写真。あれもこれも全部、全部が私の写真や映像。
いったいいつから、どんな手段で撮られていたのだろうか。文乃さんは入学式から今までの間、本当にずっとずっとずっとずっと私を見ていたのだ。もしかしたら、今この瞬間まで見られているかもしれない。私は呼吸を忘れ、呆然としていた。
「麗羽ちゃん? 駄目じゃない、人の部屋に勝手に入るなんて」
音もなく後ろに立っていた彼女は私の肩に手を置いた。何故だろう、その手はとても冷たく感じた。
「ご、ごめん...」
「ふふ、いいよ。私は麗羽ちゃんのことなら何でも許してあげるからね」
意を決して、彼女に尋ねる。
「ふ、文乃さん...? こ、この写真とか、って、その、なに...?」
「うーん? これはね、私が麗羽ちゃんをとっっっっっても好きな証拠だよ? だから全然おかしくないからね? そうだよね?」
彼女の言葉に胸が締め付けられる。
「一応、麗羽ちゃんを怖がらせないようにと思って隠しておいたのになぁ。まぁでもバレちゃったものは仕方がないからね? 」
肩に乗せられた手に重みが増し、その圧に息が止まる。
「絶対逃がさないから」
その言葉を聞いた瞬間、私の中の何が壊れた。
油断していた、まさかこんなにも早く見つかるなんて。
文乃は内心で呟く、本来ならこの事は麗羽には隠していくつもりだった。
麗羽に一目惚れした文乃は、入学式から帰宅してすぐに自身が持つありとあらゆる手段を使って麗羽の周りを徹底的に調査した。家族構成や住所、趣味嗜好、通学路やその他諸々。次の日からは小型の盗聴器やカメラを麗羽の鞄に毎日のようにこっそりと忍ばせ、麗羽の行動全てを筒抜けにした。
ちなみにその為の金は容姿をグループ会社の広告モデルなどのバイト代や、投資などで得た金を使っていた。
どうしよう、絶対に怖がられている。それどころか嫌われても不思議ではない。せっかく両想いになれたのに。少しのミスで水の泡になってしまった。まぁでも、動き出してから二日にしては上手くいった方か...仕方ない。あまり趣味ではないけれど彼女を逃すくらいなら恐怖で縛りつけるのもやむを得ない。
「...い...の...?」
今後の計画を立てようと思考を張り巡らしていた時、いつの間にかこちらに向き直っていた麗羽が口を開いた。
「どうしたの?」
「...き...い...の?」
俯いていてる麗羽は怯えていているのか、声が小さくてあまり聞き取れない。
「うん? なあに? 麗羽ちゃん?」
再度聞き返した文乃。
麗羽は急に顔を上げ、文乃の顔を両手で抑えて彼女の目をナニかに憑かれたような濁った眼で下から覗く。
「もっともっと好きになってもいいの?」
ヤンデレのメタはヤンデレだと思うんですけどどうですかね。やってみたかっただけで特に意味ないです




